【感想・ネタバレ】プルースト効果の実験と結果のレビュー

あらすじ

思春期の苦くて甘い心情を、
鮮やかでポップに描き出す佐々木愛のデビュー作!

はじめてのことをするたび、彼を思い出す。
痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。
プルースト効果という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの男子「小川さん」だった。
「はじめてのキスは想像もつかないところでしよう」小川さんはそう言ったはずなのに……

表題作「プルースト効果の実験と結果」の他、オール讀物新人賞受賞作の「ひどい句点」、
「春は未完」「楽譜が読めない」の四篇を収録。
狂おしく瑞々しい10代の心情を鮮やかに描き出す、珠玉の恋愛小説集!

※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

これはいい、久しぶりにいい本に巡り合った。チョコを食べたら思い出すはずだからとチョコを食べながら勉強する小川くんとの淡い恋をつづる表題作、イケてる男子グループにいるちょっととっぽいくるぱーの挙動に惹かれる「楽譜が読めない」など、思春期や若い女性を主人公とした短編で、ゆっくり読みたくなる出来で、素晴らしい。なんか賞をとった作品かなと思ったが、作家名でもあまり紹介が見つからないが、別の作品も読んでみたい。

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2022年05月11日

Posted by ブクログ

プルースト効果とは香りからそれに関する思い出が思い出される現象。とても魅力的な短編集。青春小説の苦さ、鮮やかさを四人の女性の視点で見せてくれる。四編どの作品も素敵な言葉、会話がありそれが高校生の一瞬を捉えていたりその瞬間にしかない感情を見せてくれている。青春小説であり恋愛小説でもある短編集でこんなに入り込んだ短編集は久しぶり。四編全て傑作でとても印象に残る作品。

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

カバーの写真とも相まってそう思っているだけかもしれないが、どの話も小さな劇場でやっている荒削りでしかし唯一無二な尖った映画みたいだった。

話の中に翳りのある心理描写がそこそこの数あるのだけど、どれも夏に大きな雲が通過した時のようなさっぱりしたもので読んでいて親近感はあるのにウウウ……とはならなくて読みやすい。
最後に収録された不倫の話なんかは特に「うわ、そういうの苦手なんだよな」と思いつつあまり不快にならなかったのは不思議だった。
どの話も巨大な不穏さがだんだん大きくなっていくけど見事に腐ってどうにもならなくなった部分を「はい、ここでお終いにします」と主人公がすっぱり切っていくので読後感が良い。

完全に余談だが著者のバックボーンを知りたくて色々調べてみようと思ったが結構ありふれた名前過ぎて全く素性が知れなくてそこも魔法みたいでいいなあと思った。いい意味で立つ鳥跡を濁さずという印象だった。
この小説を手放したらきっとこれらのお話の主人公のその後のように「なんだっけあれ。あんまり良くない思い出だったけど確かに大切なものがあったな」くらいにしか思い出せなくなるだろうしそうするのが一番読後体験として美しいと思う。けれどもわたしはまだこの小説の主人公たちのように気丈ではないのでしばらくはウジウジと手放せずにいるだろうと思う。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋さんでぺらぺらめくって
たけのこの里と受験のプルースト効果を検証してる青春に惹かれて読みはじめた。
描写の繊細さに心がぎゅっとなった。
くるぱーの話も好きだった。
忘れていた学生時代を心情を顕微鏡で覗き込んだくらいの鮮明さで思い出した。

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2024年02月13日

Posted by ブクログ

2022/03/05
帯のタイトルを見て新刊コーナーで遭遇して気になったので購入。
全4話からなる短編で構成されていて読みやすいです。
 ひとつ目の話は、高校生同士の恋に落ちていく過程が描かれていて、そこに至るまでの経過が「高校生っぽさが前面に出てるなー」と思えるものでした。
 ふたつ目の話は何だか世にも奇妙な物語とかで扱われそうな話だなーと思いました。赤坂さんと青山さんと言う人が出てきて、都会に憧れ、自分達の苗字にかけて色々と話が展開していくのですが…。
 みっつ目の話は桑田佳祐さんが楽譜を読めないということに端を発する学校での男女の話。同級生の観察日記をつけようとする女の子とそれに協力する主人公の女の子。同学年で学年でも注目を集める男子グループを観察する中で聞いたシークレットライブの情報を手に入れて聴きに行ってところからさらに話が展開して面白い方向へ。
 よっつ目は不倫の話。新幹線で隣の席になったサラリーマンからみかんをもらった不思議な出会いをした女子大生の目線から色々と語られているのですが、人の感情の機微は不思議だなあと思える内容です。
総じてどの話も読みやすくて程よいなーと思いました。

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2022年03月05日

Posted by ブクログ

面白かった。
短編の恋愛小説。
割と固有名詞がでてくる。
たけのこの里とか、首都高とか、スクランブル交差点とか。それから広がるイメージするものが、共感できる。

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2022年03月11日

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