唐津一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
良書 マキャヴェリの「君主論」入門書である。東に韓非子あり、西に君主論ありなのです。
冷徹な理論にもとづく考察であり、君主とはどうあるべきかとのあるべき論ではない。
君主論は、ひと言でいえば、人間研究の書である。政治における現実を客観的も物語っただけである。進歩はつねに事実を直視するところから始まるものであって先哲の字句の解釈からは生まれない。
マキャヴェリもダ・ヴィンチや、ダンテ、コペルニクスとともに、教会と先哲の亡霊の威圧を排除して、ふたたび人間に真の意味の人間性を取り戻すべく努力したルネサンスの人々の一人なのである。
本書は、君主論のエッセンスを6章にわけて、目的別に解説をしている -
Posted by ブクログ
名著であります。著者に感謝します。仕事をする上でも大変重要な指針を与えてくれます。
フツーに考えろ、フツーに。余計な風評にとらわれるな。騙されるな。ゼロベースでしっかり考えろ、と教えてくれます。
「何が本当の強みで、何が本当の問題点かは、丹念にデータを集め、現場を歩いて回ればおのずと見えてくる」(p.62)
その通りですね。しかも読者私にしてもサラリーマンでありますから、そういうデータや現場にアクセスできる機会はあるわけだ。なのに出かけなかったり、データにあたらなかったりしていてはもったいない。自殺行為なんですよね。報告だけ待っているような輩、コンサルタントに依存している輩…こう -
Posted by ブクログ
筆者は日本の産業界・経済界の発展にも大きな影響を与えてきたシステム工学者、評論家だ。残念ながら私は知らなかったがパナソニックの松下幸之助やソニーの井深大などとも関係があり、品質管理の手法を生産現場に取り入れるなど活躍された方だ。そうした日本経済を作ってきた歴史的な人物達と行動を共にする事で学んだ、人を説得するという技術を惜しみなく紹介していく。人だけでなく生物全般が外部からの情報をもとに活動していると捉え、であるなら、人と人との接触、コミュニケーションの中に人間活動は成り立つとする。だから相手に何かをやってもらったり、自身が何かするたもの同意を得る事、即ち説得こそが成果を生み出すきっかけとなる
-
Posted by ブクログ
以前読んで、情報について非常に印象に残った内容があったので再読した。
元禄時代に、赤穂浪士による吉良邸討ち入り事件というのがあった。ご存じのように、江戸城の殿中で赤穂潘の殿様・浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつけたことが事件の発端である。
その日のうちに浅野内匠頭は切腹ということになった。これは大事件である。現代ならすぐさま国許に電話をかけたり、インターネットを使って知らせるわけだが、当時はそんな便利なものはない。そこで早駕篭を仕立てて、播州赤穂の城まで一目散に知らせに走った。しかし当時の記録を見ると、到着までゆうに四日はかかっている。
この四日間の赤穂の人たちのことを考えていただきたい。殿様は -
Posted by ブクログ
説得の実例が面白く参考になる。それ以外にも興味深いトピックあり。
以下注目点
・ドイツ原発廃止も簡単でなはい様子。フランスにならって35時間労働にすることをぶちあげているようだが、実行できる策は無い模様。一方、自動化の進んだ日本の半導体工場では週36時間勤務を実現しているところもあるとのこと。24時間フル操業のシフト性の話なので、単純な話ではないが、フランスの役人にその話をしたら絶句したとのことで、フランスでも35時間労働の実現はさすがに難しいことが分かった。
・マニュアル主義の問題点に触れているところが、面白い。日本はかつてその解決にQCサークルを使っていた。
・あなたと私は意見なり考え方 -
Posted by ブクログ
p59
どんなプロジェクトでもそうだが、まずその目的を徹底して分析すること、そしてどのよ
うな結果人なったら成功したといえるのか、という評価システムを明示することが大切である。
その際、どんな条件やしがらみにもとらわれてはならない。原点に戻って、理想を追求するべ
きである。
じつは、何のためにそれをやるのかという目的を検討する段階で、成否の90パーセントが
決まるといっても過言ではない。これをつきつめていくと、結局、プロジェクトを組んでかか
るほどの問題ではなかったというケースも少なくないのである。
p68
報告書というものは分厚ければ分厚いほど、多くの情報がつまっていると思いやすいが -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
どうすれば説得の達人になれるのか?
いかにも「説得された」と相手に思わせずに事を運ぶ方法とは?
情報を武器にする「説得の法則」。
力ずくでも、情でもない。
情報の威力で武装した<最強の説得>とは!?
無理強い、詭弁では人を動かせない。
説得の成否を分かつのは、押しの強さでも情でもなく、「情報」の使い方である。
相手の翻意をうながす決定的な情報とは何か?
困難な状況を乗り切り、一つの目的を貫徹させる交渉術とは?
欧米との丁丁発止、歴史に残る究極の説得など、数々の具体例から説得の「法則」が明らかになる。
[ 目次 ]
序章「実践的説得の技術」
第1章「説得とは何か」
第2章「科学的