安永雄彦のレビュー一覧
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グロービスのヒト系講師、安永雄彦さんの著書。
元銀行員、大学教授、そして僧侶という多能多才の方だけに、安永さんのような経験をお持ちだからこそ見える視点や深い洞察、心の持ち方にただただ深く感銘を受けました。
安永さんは、日本型プロフェッショナルの原点は内面にあり、一つにユング心理学の仮説からヒントを紐解いています。全てを自分の内面の問題として引き取り、それと向き合って解決せよと、今直面している課題に真正面から取り組み、自分と向き合うことで個性化と一流への道を悟らせてくれます。
また、日本型プロフェッショナルとは何かと言われれば、どんな環境であっても、たとえ会社に対して矛盾を感じていても -
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銀行員、ヘッドハンター、僧侶、と一風変わったキャリアを歩んできた著者が、築地本願寺の改革に取り組む様子を著した異色のビジネス書。境内の中にあるカフェを訪問して、その変貌ぶりに興味を抱き手に取ってみた。
旧態依然とした文化や価値観の中で、一歩ずつ改革を進める様子を臨場感たっぷりに描いていたが、最も興味深かったのは、死生観・生き方について述べた終章だった。
印象に残ったのは以下の箇所。
◆生きる不安を消し去るためには、「生と死は表裏一体だ」という冷厳な事実を認めることです。そして生かされている今日を、しっかりと生きることです。(中略)私たちにわかっていて、私たちが影響を与えられるのは、「今日」だ -
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ネタバレ400年の歴史を持つ築地本願寺が経営破綻するなんてこと無いだろう。とみな思うだろうが、会計処理が大福帳管理なら実態はわからない。
プロダクトアウトではなく、マーケットインで望まれるものを望まれるタイミングで提供するためには顧客DBが必要。
でもそもそもデータベース化されていない事に驚き。もちろん紙ベースのものはあったようですが。
新たな取り組み、それも寺院らしくない、金儲けするのか?と揶揄されるのではと僧侶の方々も不安に思われるような事も、きちんと対話し理解を得て着々と進められている。
更には若手僧侶の育成に向けてMBO。
各地のお寺の後継ぎさんが学ぶために築地本願寺で働いているケース -
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ネタバレお寺と経営という結び付けようもないタイトルに魅かれまsした。もとビジネスパーソンで、金融やコンサルをバリバリされていた人が、あるきっかけで浄土真宗と関わり結局僧侶になってしまい、僧侶になったらなったで、旧態依然というかイノベーションと最も遠い業界であるお寺の”経営改革”の体験記です。
お寺がビジネスをするなんてけしからん!という反対もいまだにあるそうですが、そりゃそうでしょう。しかし、赤字垂れ流しで、いざとなったら寄付やらお布施やらで凌げばよいということを良しとせず、寺にしかできないサービスで、ご縁をつないでいく、という発想が常人ではないですね。改革手法は月並みで、それほど感銘を受けるところは -
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ネタバレ日本型プロフェッショナルとして、仕事に取り組むにあたって大事な心構え、考え方について、仏教などの観点からの示唆なども含め、わかりやすく記載された一冊。著者の講義を受講中であるが、著者らしさが出た一冊であり、納得感がある。
<メモ>
・仏教の修行は坐禅を組んだり、滝に打たれたり雑念を消して無に近づくことが重要な部分だと思われるが、実際には炊飯や掃除など日常的な作業をしているときのほうが、透明な自己になることができたり、自己を磨いたりできる。
誰もみていない廊下を毎朝ふくことが一番むずかしかったりする。己が試される。そうした日常的な場での自分との闘いが何よりも自分を鍛える。
・仕事に対して、自分 -
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1. 「顧客創造」の再定義
•寺院=葬儀という固定観念を壊し、「人生に寄り添うサービス拠点」として顧客接点を広げた。
•→ ビジネスにも応用: 自社の提供価値やターゲット層を見直し、機能価値から“意味価値”へと進化させる視点が重要。
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2. ブランドの「眠れる価値」を掘り起こす
•築地本願寺の歴史的・建築的価値を“再編集”し、カフェやイベントと組み合わせて現代的に発信。
•→ 活かせる点: 既存の資産(商品・施設・社史など)に新しい切り口を加えることで、ブランドを再活性化できる。
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3. ステークホルダーとの信頼構築と共創
•僧侶・檀家・外部企業などとの対話を通じ、反発を受け止め -
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人生とは、自分で書いたシナリオの中で自分という役者を演じさせるだけのものと思えば、気が楽になりませんか。
場面と役柄が変われば、セリフや立ち振る舞い、衣装や化粧でさえガラリと変えてしまってよいのです。
さらには年齢を重ねるほど、人生経験が増えるほどに役柄は広がっていく。
矛盾があるのは当然であり、一貫性を求める必要もありません。誰もが多重人格者であると、割り切ってしまいましょう。
未知の世界に飛び込んだ後、失敗をして自分が傷つくことが怖いのです。
すなわち対処すべきは、安心安全な環境に留まることではない。自分が傷つくことへの恐れを取り除くこと。傷つくことに対する耐性を強化することでしょう。