伏木亨のレビュー一覧

  • コクと旨味の秘密

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    食や、おいしさを構成するさまざまな要素の中から、‘コク’に目を向け、科学的知見を中心に詳しく解説した内容。その‘コク’という観点でいうと、長く親しまれている食事にも合点がいき、とくに日本の伝統的な調味法は優れたものであり後世に継承すべきものだとしている。欧米式の‘油によるコク’も含め前向きな見解を中心としているが、その一方で欧米式の食事の流入による日本食の淘汰も懸念しており、とくに第三層のコクに関しては幼少期からの食生活に左右されるもので、失われてからでは取り返しのつかないことになるように思われる。大人だけでなく子供の時期から、それと同時に子供だけでなく大人ももっと食への認識を深めて質の高い食

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    2019年08月25日
  • コクと旨味の秘密

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    おいしい、という感覚を科学的に解説していくのだけれど、最終的に東山文化的な見方にまで到達するのが面白い。
    コク(おいしさ)には三層あり、第一層が糖、油、出汁という本能が求める味覚。
    第二層は食感、香り、風味という学習•連想を要する味覚。
    第三層は精神性の世界、抽象的な味覚だと言う。
    そして味覚の修練をすることが、味覚的に大人になるということだと。

    個人的に感じる部分が多かったのでブログにまとめてみるようと思う。

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    2011年12月27日
  • 人間は脳で食べている

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    「おいしい」と感じるには理由があって、経験や環境、栄養素、空間などあらゆる「要素」が関わっていてとても面白かった。

    なるほどなぁと感心してしまう。

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    2022年01月18日
  • コクと旨味の秘密

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    分かっているようで、その正体については曖昧にしか捉えていなかった『コク』。

    なるほど!と納得できた。

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    2022年01月02日
  • コクと旨味の秘密

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    ネタバレ

    久々の「ネタ本」シリーズ。日本人が美味しさの表現方法の1つとして使う「コク」というものが何なのか?を様々な観点から考察した本。正直いってバカげているが、その突き抜け感が最高に良い。

    日本人にとって「コクがある」という表現はあまりにも乱用されすぎている。食品の美味しさを表現する時に、濃いめの味付けがされているものや、味わい深いものに対してはおしなべて「コクがある」と表現されることが多いが、実際問題コクの意味を正しく理解して使っている人は殆どいないと思う。旨味があることの総称としてコクという表現を使うが、そのコクの正体に迫ったというかなり挑戦的な内容だ。

    とはいえ、著者は食品・栄養化学を専門と

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    2021年08月21日
  • においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる

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    ワインの勉強を始めた方にお薦めしたい本。
    美味しいと感じる理由を科学的に分析している箇所はやや読みづらく感じたが、テイスティングコメントに関する最終章では、日本人に身近な匂いを使ってワインを表現するための新たなチャート(アロマホイール)作成を試みており興味深かった。たしかにwsetの勉強をしていて匂いを表現するための規定のものがやや直感的に匂いを連想しづらいと感じていたため。

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    2021年06月30日
  • コクと旨味の秘密

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    日経新聞での連載で興味を持ちました。

    コクや甘味はエネルギーとして認識するから
    美味しいと感じるし止められなくなるのだと納得しました。
    効率の良いエネルギーを摂取するための本能なんだなと。

    読みやすい文章で、味覚や脳について知ることが出来ます。
    最後の章の近未来のコクは面白い発想でした。

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    2018年01月17日
  • コクと旨味の秘密

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    「コク」という、分かるようで分からないもの、好きだけど正体不明のものを、科学的に分析してみよう、という一冊。

    *ネズミも人間もコクのある食事は共通して食べ過ぎてしまうようです。人間の食事はおいしすぎるのかも知れません。

    *私たちがコクと感じているものは、エネルギーが確かめられているものと言えます。ノンカロリーでコクがあるものはありません。

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    2017年02月05日
  • 人間は脳で食べている

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    伏木先生の本はおもしろい。
    言葉の 取り扱い方が うまい。
    時折挟まれる『』文が 絶妙の間の手である。

    美味しさを科学的に説明する。というのをメインテーマとする。
    美味しさとは 多層的な構造をしている。
    1 生理的欲求に合致した美味しさ
    2 (生まれ育った)特定の食材に誘導されるやみつきの美味しさ→安心感
     (民族)文化に合致する美味しさ
    3 脳の報酬系を強く刺激してやみつきとなる。
    4 情報が美味しさをリードする;先入観。安全なものを食べる欲求。
    脳科学、情報学、生理学、人文科学などの広がりを持つ。

    情報過多に陥った現代人の美味しさの構造はイビツである。

     食べる時のかおりは 鼻が最初

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    2015年01月15日
  • コクと旨味の秘密

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    『コク』という わかっているようで わかっていない
    食の中での 重要な役割を果たす 言葉 を
    科学的 および 実験的 および 文化的 なアプローチをする。

    旨味とは おいしさと 一緒ではない。
    おいしさは 総合的なのだ。

    コクの構造とは、三層になっている。
    コクとは 『甘さ アブラ 旨味』の 複合体である。
    そのコクを 『とろみ ねばり 香り』 が包んでいる。
    さらに 精神的な文化 が 発揮する。

    ネズミが 執着する 味を 実験的に 解明しながら
    ニンゲンの 味に関する メカニズム を解明しようとする。

    常日頃 アブラが おいしさに どう関連しているのかが
    よくわからなかった。
    『味細

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    2014年12月21日
  • においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる

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    この香りはなぜ感じられるのか、なぜこの味を自分は美味しく感じるのか、ワインを飲みながら抱くそんな疑問を科学で解き明かしてくれる本。とても興味深く読み進めた。

    なんとなく感じる香りや味わいにも、分子レベルの理由があるなんて、当然かもしれないけど、文系の自分にとっては見方が変わる発見。美味しさを脳で感じるまでのプロセスや、美味しいの中にある文化的な要素…目からウロコ。

    においと味わいの仕組みを意識することで、より深くワインを味わえると思う。

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    2014年04月30日
  • 人間は脳で食べている

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    人間がおいしさを感じるメカニズムについて考察する本。
    おいしさの構造を生理・文化・本能・情報などに分類し、それらの複合によっておいしさがもたらされるとしている。それらの中でも特に情報がもたらすおいしさに重きを置き、現代人の食事が情報に大きく依存していること、その行き過ぎについて書かれている。
    おいしさという概念が分かりやすく解説されていて、誰もが「なんとなく」レベルで持っている理解を整理してくれる。食の安心・安全といった、多くの生物にとって無自覚レベルの分別を人間は宙に漂う情報へ委ねているのはうすら寒い。情報化の恩恵には存分に浴しても、その良し悪しを自分で判断する能力は持っていたい。

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    2013年12月22日
  • 人間は脳で食べている

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    先日、著者の『おいしさを科学する』を読んで、出汁(ダシ)について、学ぶことができた(といってもほとんど頭に残っていないが・・・)。

    本書ではおいしさの重要な要素である「情報」について書かれている。
    著者の使っている『おいしさの四分類』は
    1:生理的な欲求に合致するものはおいしい。
    2:生まれ育った国や地域あるいは民族などの食文化に合致するものは美味しい。
    3:脳の報酬系を強く刺激してやみつきなる。
    4:情報がおいしさをリードする。
    というもの。

    人間のみに活用される、食べる前の「情報」というもの。
    動物は摂取してからの味覚や嗅覚による情報や、記憶による情報によって、身体に有害なのか必要なの

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    2013年09月30日
  • コクと旨味の秘密

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    コクと旨みについて科学的な視点で様々な角度から切り取っている本です。

    コクや旨みという言葉を普段あまり意識せず聞いたり使ったりしていますがひとえにコクといっても様々な物質が起因となっていることがわかります。

    味覚の世界から詫び寂びのようなく精神世界も絡めて、コクの深い世界を旅することができます。

    いずれにしても、この本を読むことで味覚に対する考え方が少し拡がった気がします。

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    2011年12月23日
  • 人間は脳で食べている

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    [ 内容 ]
    どうせ食事をするならばおいしいものが食べたい。
    しかし、どういうものが「おいしい」のだろう?
    栄養があるもの?
    食べなれているもの?
    あるいは高価なもの?
    「おいしさ」というのは、実は生理的、あるいは文化的な数々のファクターが組み合わさったきわめて複雑な現象なのである。
    本書では、多様なレベルの考察を通して、その正体を追求し、その中でも、現代人にとって、もっとも重要な「情報のおいしさ」の構造とその行き過ぎを考える。

    [ 目次 ]
    第1章 「情報」は最高の調味料(神社の清めの水 鍋で下着を洗う女 ほか)
    第2章 四つの「おいしさ」(おいしさの四本柱 その一・生理的なおいしさ ほか

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    2014年10月28日
  • 人間は脳で食べている

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    栄養学&医学を学んでいる自分にとってすごい興味深い内容だった!

    例がわかりやすくて,読みやすく1日で読めた.
    でも,何度も同じコトを繰り返し言っていてちょっと飽きてきそうな…

    強調したいコトだから,何度も述べていたのかな?


    でもでも!!
    この本に出会えてよかった
    やっぱり

    人間って
    食べることって

    奥深い.

    まだまだわからないことだらけだけれど,
    生きているってやはりありがたいことなんだ

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    2009年10月04日
  • 人間は脳で食べている

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    161ページの消化管の不快が食べ物の嫌いに繋がるという指摘には納得した。幼い頃、嫌いな食べ物を口にすると吐き気が反射的にしたからだ。
    江戸時代に好まれなかったマグロのトロを現代人が好むのは、油分のおいしさに慣れすぎているからか。

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    2024年07月25日
  • だしの神秘

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    食品栄養学の教授が書いた、だしを科学的に分析する本。昆布や鰹節を中心に、含まれる成分とともに、海外も含めた食文化を追う。

    「うま味」という言葉は日本で生まれて今や世界でも「umani」で通用するなど、日本食はだしの使い方の工夫によって低カロリーでも美味しさを追及できていることが海外から評価されている。もちろんだしは海外でも使われているが、うま味を手間暇かけて閉じ込めてシンプルに、しかし奥深く料理の美味しさを引き出す方法を確立した日本の先人達の知恵と努力は大したものだ。

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    2021年02月13日
  • だしの神秘

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    出汁は、カツオと昆布の合わせが最強。今まで知らなかった和食の要諦。自分でも出汁を作ってみたいと思った。

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    2020年09月01日
  • 人間は脳で食べている

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    タイトル通りで、人間は味やにおいといった生物本来の感覚で食べ物を食べているのではないという内容。本来、生物であれば、においや味で、食べ物の安全性を判定する能力が備わっているが、発達した脳のおかげで、事前の情報によって様々なバイアスを受け、それが味や安全性の判断に大きな影響を及ぼすという。

    食品マーケティングにおいて、経験的にそうした人間の行動特性を踏まえ、地域ブランディングや原料および原産国表示などにおいて、さまざまな工夫がなされているのは説明の必要はないであろう。また、反対にそれを悪用した偽装などの事件も記憶に新しい。本書は、脳科学的なアプローチが根底となっているが、社会学的または経済学的

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    2018年10月09日