ジーン・ポーターのレビュー一覧
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ネタバレ懐かしい感じのする本。氷室冴子さんのマイディアを読んでから読みたかった本。ついに上巻を読み終えた。期待を裏切らない、好きな世界観。女子高生が蛾を集めて学費と生活費に充てるという現代ではありえない設定も100年以上前の時代だと思えば、すんなりと受け入れられる。洋服の細かい描写、ヘアスタイル、お菓子やお料理。そして、自然。何だろう、確かに好きなものが全部詰め込まれている。主人公のエレノアの出来すぎている感じも全然嫌にならない。(ちなみに、いいこと探しのポリアンナは苦手だった。)母親の完全に虐待な対応は読んでいて、胸が痛むけれど、当時この描写が問題になっていないのだから、よくあること、とまではいかなくても、そういうこともあるかもしれない、と思われていたのか。そもそも小説、物語だから本当のことではないから良し、とされていたのか。何にしても、ちょっとどうなの?という言動が目立つ母親。最後の最後で帳尻合わせてきたのか?いやいや、無理だろう、と思いつつ、きっとエレノアは許してあげちゃうんだろうな。下巻が気になる、終わり方。
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ネタバレ母からの愛情をほとんど受けられないで育ったエルノラは、町の高校に入学するが、進学に反対していた母は学費のことも教科書のことも教えてくれず、さえない通学服で初日から大恥をかいて帰ってくる。
最初からもう可哀想で、継母かと思ったし、訳したのが村岡花子だけにもしかして孤児?と疑ってしまった。
しかし、エルノラはこんな事でめげない。この後もたびたび苦難に襲われるが、見事に打ち勝つ。そして隣人であるウェスレイとマーガレット夫妻をはじめ、周りの人にエルノラを助けずにはいられない気にさせる。エルノラは意地悪な母に育てられたのに真っ直ぐで明るく生命力にあふれている。負けん気が強く誇り高い。それが母との共通点なだけに親子喧嘩は怖いくらい熾烈。赤毛のアンを彷彿とさせる。
だが、父が沼で溺死した原因を知った母は突然エルノラへの態度を改める。エルノラに協力する。本当は娘が可愛くて仕方なかったのだ。裁縫でも料理でもなんでも出来る人だった。そこへ登場するのが、病み上がりでもかっこいいフィリップ。エルノラとの共通点は蛾の収集。フィリップには婚約者がいることを知り、友人として接するエルノラ。やがて、別れの時がくる。お互いの思いに気づかないまま。
「そばかすの少年」に出てくる名前がいくつも出てくるので、出来たらそちらを先に読むと、より楽しめます。
鳥のおばさんが、自分の境遇と似ているエルノラに、この先、何者になるかは自分次第だから努力を惜しまないで、と伝えるところが良かった。その後のエルノラの生き方にも影響を与える言葉だった。読んでよかった。何回も読みたい本。
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ネタバレ「リンバロストの乙女」を読み始めてから、こちらが先だった、と気づき、慌てて電子図書で購入して同時並行で読んだが、どちらも良かった!
主人公のそばかすはシカゴの孤児院で育ち、独り立ちするために材木屋に自分を売り込む。片手がないことから、支配人マックイーンは断るつもりだったが、そばかすの真っ直ぐな心意気に胸を打たれて森の木を盗賊から守るため見回りをする仕事を与える。誰もいないリンバロストの沼地をたった一人で守るのは大変だったが恐怖に打ち勝ち、次第に美しい自然に魅せられていく。また、素晴らしい自然の生き物の写真を撮る鳥のおばさんやその姪であるエンゼルと出会い、ますます仕事に精を出すようになる。リンバロストの森には高級家具に使うのにぴったりの木が何本もあり、盗賊に狙われていたので。
リンバロストの自然の素晴らしさが何度も描かれ、動物や鳥、昆虫などの様子が詳しく描写され、行ってみたいと思わされる。
一番大事に描かれているのは、そばかすの孤独とエンゼルへの思慕、愛する気持ち。当時としては絶望的なほどの身分違いの恋心が切ないほど描かれ、泣きそうになる。また、あまりにもそばかすが正直でいい人なので、マックイーンも彼を息子として愛おしむ。
読者は誰もが、そばかすには幸せになって欲しいと願うのではないか。こんなふうに生きたいと思わせる。ぜひ中学生前後の若い人に読んで欲しい。 -
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「子どもの本とごちそうの話」で紹介されていたのがきっかけで手に取った
つまり、この本にはとても美味しそうな食事と、かつてアメリカに存在した広大で豊かな湿原や森林、そこに暮らす人々と動植物(特に蛾)とが、大変魅力的に描かれている
村岡花子訳ということで、『赤毛のアン』に漂う品良い文章や、人間味溢れる人物描写を今作でも味わうことができる
困難を前にしても慎ましく努力を重ね、人々に親切を尽くし、正直かつ熱意をもって人生に取り組むことの大切さを教えてくれる
一点だけ、本作は同作者の別作『そばかす』の続編にあたることを後から知った
作中、『そばかす』の登場人物達が大切な役目を果たすこともあり、できればそちらから読むほうが、より作品世界を楽しめるかも? -
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ネタバレ生きていくことの苦しさと喜びがここにある。
エルノラは自分に冷たく当たる母の反対を押し切って町の高校に行く。第一日は古い服と靴で同級生たちに遠巻きにされ、教科書を買わなくてはならないことを知らず、授業料の高さにも慄く。近所のシントン夫婦が救いの手を差し伸べるが、エルノラは自分でお金を稼ぎ、学校を卒業すると決めたのだった。
母のキャラクターが強烈だが、そこがぐいぐいと読ませる。亡くした夫を思う悲しさ辛さのあまりエルノラに酷く当たるコムストック夫人。時に愛情らしきものを示すため、エルノラも母は自分を愛しているのではないかと諦めきれない。実際にコムストック夫人はエルノラを愛していない訳ではないのだが、辛い年月が彼女を頑なにしている。現代的にいえば毒親、虐待。しかし卒業式の服を用意しなかったことを悔やんで、他の人がエルノラに服を用意することにショックを受け後悔するシーンや、エルノラが求めていた貴重な蛾を潰してしまったことを後悔して、その蛾を沼地に探しに行くシーンなど、あまりに強烈なキャラクターなために、エルノラよりもコムストック夫人が主人公のように思えてくる。でもエルノラ、許さなくていいよ。
そんなコムストック夫人がずっと引きずっていた夫の真相が明かされたシーンも衝撃的。シントン夫婦はなぜ黙っていたんだ。それほどコムストック夫人が頑なだったのか。それほど怖かったのか。エルノラにコムストック夫人の悪口を吹き込んでいなかったのは良心的だと思いつつ、知っていたならコムストック夫人をもう少しどうにかできたのでは?とも。
思ったよりエルノラの学校生活があっさりなので驚いたが、今でもありそうな母娘の対立が面白かった。エルノラの強さが今後報われるように願う。 -
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アイルランド人の孤児である“そばかす”と呼ばれている少年は、アメリカのインディアナ州にある湿原にて雇ってもらう為、材木商の支配人マックリーンに願いでる。片手を失っている上やせっぽちで、とても自分の仕事には向かないと思ったマックリーンだったが、真っ直ぐ熱心に頼み込む青年に負け、誰も仕事が続かない、森の番人をやってみることを許す。(高価な材木を狙って泥棒がくるため)
それからそばかす君は信じられないほど真剣に働くのだが、彼の純粋さはいろんな人を感動させていく。
著者ポーター夫人はリンバロストの森を愛し、自身も研究者となったらしい。自然への描写が多く、愛を感じる。あとがきによると元々の題名は『舞い落ちた羽根』だったそうで、確かにそっちの方が印象的でありロマンティックだと思う。大人の事情でこの素敵な題名とラストを書き換えなければならなかったらしいけど、それでもとても素晴らしいストーリーだったことには変わりないと思う。
訳者村岡花子氏の繊細な訳もあいまって、キラキラした森の表現と、そばかす君の想い人“エンゼルさん”への一途な気持ちがこれでもかと表現されている。それはもうクドイほどにw
今現在のリンバロストの森はどうなのかと、グーグルマップで見てみたが、全く何もなかった。開けていて街になっていた。(リンバロストとという地名も無いのかな?)
この本を読んだ人間の心にだけ、リンバロストの森と沼地は存在するのだなーと思う。 -
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六月は夜蛾の誕生の季節。リンバロストの森で出会ったエルノラと青年フィリップにも恋の予感が…。
下巻では沼地に息づく植物や様々な鳥たちが生き生きと描かれている。採集される珍しい蛾には、ルーナ、リーガル(詩人の王)、 プロメシア、そしてあの黄色い帝王蛾。蛾は生まれてたった数日で死んでゆく。森の湿った空気を感じながら、生きものの"いのち"を思った。
コムストック夫人は、博物学の講師を受けたエルノラを手伝うようになる。
リンバロストの自然が娘への愛情を取り戻させたのだろうか。冷酷な母から賢明な母へと変わっていく過程に目が離せなくなった。
エルノラに惹かれていくフィリップには許嫁のエディスがいて…と、少女小説にはお決まりの恋のライバルが出てくる。
自分を見失うことなく判断ができて、エルノラは大人だなぁと思う。女性の逞しさ、生きていく力を感じられる物語だったが、なんと言ってもリンバロストの森が素晴らしい。著者の初めての小説『そばかすの少年』も是非読んでみたい。
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翻訳者、村岡花子さんと言えば「赤毛のアン」シリーズだが、この物語は知らなかった。グリーンの森と黄色い帝王蛾が描かれた上巻から読み始める。
「骨折り仕事だけで、無知のまま一生を暮らすのはいやだ」リンバロストの美しい森に母と住むエルノラは、町の高等学校へ進学した。
初日に教科書もなくみすぼらしい身なりを笑われた彼女は、授業料がいることを聞き呆然となる。なぜ母は知っていたのに、学校行きに賛成しながらも話してくれなかったのか…。
娘を冷遇する母親にも辛い過去がある。
夜の沼に向かい、溺死した夫を「返せ」と叫ぶ姿は壮絶だ。エルノラに愛情深く接するマギーおばさんとウェスレイおじさんがいて良かったと思う反面、終盤で明かされる"夫の死因"をなぜ本人に言わなかったのだろう…。
「勉強をしたい。できれば大学にも行きたい。」賢く努力家のエルノラは、収集した蛾や繭、インディアンの石器を鳥のおばさんに買ってもらい学費に充てる。
立派に成長したエルノラは、送別式の夜ついに母の仕打ちが許せなくなる。
頑なさを捨てられず、人と張り合いながら自分の正当性ばかりを主張する母親。娘が自分を必要としていないことを知り、初めてエルノラに赦しを乞う気持ちになれたようだ。母と娘の関係はこれからどう変化していくのだろうか。下巻を読むのが楽しみだが、思わぬ展開も待ち受けていそうで怖くなる。
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ネタバレ1909年に出版されたアメリカ小説。女性作家ジーンポーターは生物学者としても優れていたが、この小説は彼女ならではの作品となっている。
(ネタバレ)
主人公エルノアは虫愛ずる姫君。蛾の収集オタク。シングルマザーに育てられるが、その母親が鬼母。愛する夫をなくしたことから立ち直れず、娘を可愛がれない。ドのつくケチで娘にお金を使いたくない。エルノアは高校に行きたいがお金がないので、インデアンの遺跡や蛾の収集でお金を稼いで、けなげに生きる。
最初はボロを纏って髪の毛も洗わず、クラスメイトに軽蔑されていたが、自分で稼いだ金で近所の人に服を縫って貰い、ついにはみんなの人気者に。
沼で溺れかけている夫を助けようとした時に産気づいたらことがきっかけで娘を恨んでいた母親は、夫が浮気をしていたことを知って急に娘に対する態度を改める。そして一緒に虫の収集を手伝うようになる。さらに虫の収集で知り合った金持ちのイケメンと最後はめでたしめでたしとなる。
このストーリーには突っ込みどころがいっぱいある。
美しい主人公は「蛾の収集オタク」。
自然愛好家でナチュラリスト。知識も豊富だ。でも知識をひけらかすし、思ったことをはっきり言う。
次に動物虐待のシーンが時々ある。二匹の猫の足を縛ってぶら下げる子供や、犬にいたーをかぶせて乗る場面など。いたずらっ子にさせるにしては残酷だ。
当時のアメリカ社会や価値観がよくわかって面白い。「ありえない」とわめきながら読むと楽しい。 -
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少女の頃、何度も繰り返し読みました。
懐かしいです。
今になって、きれいな新刊で、しかも村岡花子の訳で読めるなんて、朝ドラ効果に感謝します。
今読んでみると、母親がちゃんと娘を愛してるんだと分かる描写がそこかしこに或る。
母親も頑固ですが、娘もたいがいだと思う。
『うちはお金無い!』と言われたら、学校は諦める子だっていると思います。
そこを押しとおす根性がすごい。
しかも、自分でお金稼いで。
そして、いい意味で“分をわきまえる”事をせず、ブルジョワジーなお友達と、遊びも着る物も引けを取らないようにと頑張るのだから、我の強さは筋金入りだと思う。
母は母で、16年も、間違った思い込みで(知らないというのは恐ろしい事です)娘を恨み、その心が時とともに解けることもなかったというのもすごい事。
秘密を知ったとたんの手のひら返しっぷりも。
シントン夫妻や、鳥のおばさんががいい人過ぎて、それが救いでした。 -
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ネタバレ乙女は信じた道を行く。
エルノラは大学には行かず小学校で教鞭を取ることになる。知り合った青年フィリップは夏を共に過ごすうちにエルノラに夢中になり、婚約者エディスと別れてエルノラに求婚した。エルノラが選んだ道は——。
上巻であんなに感動的に獲得した蛾が早々にダメになったのが衝撃的だった。癇癪を起こしたエディスはよくなかったけど、フィリップはとにかく彼女の気持ちをわかってあげてくれ。確信が持てるまで動かないエルノラは素晴らしいが、あがいた末に失恋の痛みに耐え自分と向き合ったエディスの姿、そしてエルノラに求めていた蛾(苦手なのに)を持っていくという勇気を示したエディスの姿にとても惹かれた。 -
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子供向けの物語。といっても子供騙しというのではなく
子供に正直さや誠実さや善良であること、
自分が主人公でなくても、主人公の側の脇役としてでも
他者への愛情について感じてもらいたいから子供向け。
完全に勧善懲悪であるけど、意外にも悪の化身にも
愛嬌があり、と思ったら思いがけない報いが・・・
また主人公は純粋・高潔すぎるに加え、生い立ち、
肉体のハンディキャップが足かせとなり、面倒くさい
くらいにブレーキがかかり、ヒロインは自分の魅力を
上手く使える現代的な小悪魔な面を持ちながら、
現代の自由奔放とはいかない枠組みを持ち、
まどろっこしいったらありゃしない。
けど、読み終わったら幸せな気持ちになれると思う。
スタートの設定から結末の180度回転は読めていても
その間を宝石に詰めるなんて、素敵じゃない。
それを理解してくれる人がいるなんて、さらに。 -
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ネタバレアンでもパレアナもそうだけど、ヒロインが美しく育ったら次はロマンス。
相手も非の打ちどころのないぼっちゃんです。
ただし、超わがままで美少女な婚約者がついてますけど。
結末はハッピーエンドというのは分かってるので、消化試合を見ているような感じ。
完全無欠なヒロインって微妙に面白くないときもあるのねということがよくわった小説でした。
欠点だらけのアンが熱狂的なファンがついたのわかります。
綺麗で賢くて心が美しく悪漢まで味方にしてしまう無邪気さ、欠けてるものは何もない。
当然、略奪になってしまうのですがそれだってヒロインが責められるところなんて全くないと来ている。上巻のオチを思い出すたび、かなりもやもやしました。
翻訳家の村岡花子さんはこの小説をとても愛していたそうですが、子供の頃あの展開読んでいて、『あれ』やっちゃったんだ……と顔がひきつりました。
たぶん、本人は乙女に気分が同化しているんでしょうけど……。
すくなくとも若人の恋愛について説教する資格はないです村岡さん、とあとがきでさらにもやもやしてしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔、何かでタイトルを見て読みたくてたまらなかった小説。
いいですよねこの『リンバロストの乙女』って邦題。
イメージ的には表紙のまんまです。
が、可憐な乙女は虫を集めてました…。
そりゃまぁ、日本には『虫愛づる姫君』という超ぶっとんだヒロインが千年前にいましたけどね。
この可憐な乙女はそれをドレスやら教科書代に替えるわけです。
たくましすぎる可憐なヒロイン。
父親の死のせいで、娘に対しひどい仕打ちをする母親。
シンデレラの継母なんか尻尾まいて逃げ出すような行状です。
周囲はそんな母親に怒り乙女をかばいますが、ヒロインは自力で何とかしようと努力を重ねます。
そしてまぁ母親が心を入れ替えるんですけ・ど・ね
ちょーまて、手のひら返しすぎじゃないっすか!
かーちゃん!
いっそすがすがしいまでの愛憎の配分の逆転に口空きました。
面白かったけど……私の憧れはこっぱみじんに砕かれましたとさ