ジーン・ポーターのレビュー一覧

  • リンバロストの乙女 下

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    The Girl of Integrity の話

    最後まで色々な意味でドキドキしながら読んでいました。

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    2025年10月13日
  • リンバロストの乙女 下

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    面白かった。下巻はロマンス編といったところだった。なんだろう。清く正しいロマンスなのだけど、読む方も素直に読めた。こういう恋愛に憧れていた頃を思い出した。恋に恋する時代を経て、普通に色々あって、今また新たな気持ち、新鮮さをもって読めることに感謝したくなる。それにしても、お母さんはなかなかエキセントリックでDV気質満載。ちょっとえっと思う所が上巻には多かったけど、下巻は良き理解者に変貌していた。その変貌ぶりもある意味エキセントリックだったなぁ。こういう世界で生きていきたい、と現実逃避的に思う。とても良い読書体験ができた。

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    2025年05月23日
  • リンバロストの乙女 上

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    ネタバレ

    懐かしい感じのする本。氷室冴子さんのマイディアを読んでから読みたかった本。ついに上巻を読み終えた。期待を裏切らない、好きな世界観。女子高生が蛾を集めて学費と生活費に充てるという現代ではありえない設定も100年以上前の時代だと思えば、すんなりと受け入れられる。洋服の細かい描写、ヘアスタイル、お菓子やお料理。そして、自然。何だろう、確かに好きなものが全部詰め込まれている。主人公のエレノアの出来すぎている感じも全然嫌にならない。(ちなみに、いいこと探しのポリアンナは苦手だった。)母親の完全に虐待な対応は読んでいて、胸が痛むけれど、当時この描写が問題になっていないのだから、よくあること、とまではいかな

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    2025年05月20日
  • リンバロストの乙女 上

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    赤毛のアンの翻訳者、村岡花子の名訳が光る作品。赤毛のアンが大好きなので、すっかりはまってしまった。
    ストーリーもさることながら、リンバロストの森の自然の表現が素晴らしい。また、蛾の羽化の様子が本当に美しく描かれている。
    主人公エレノアの美しい心とリンバロストの自然に囲まれ、私も浄化された思いがした。
    下巻の梨木香歩の解説は、一読の価値あり。

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    2024年03月26日
  • リンバロストの乙女 下

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    ネタバレ

    母からの愛情をほとんど受けられないで育ったエルノラは、町の高校に入学するが、進学に反対していた母は学費のことも教科書のことも教えてくれず、さえない通学服で初日から大恥をかいて帰ってくる。
    最初からもう可哀想で、継母かと思ったし、訳したのが村岡花子だけにもしかして孤児?と疑ってしまった。
    しかし、エルノラはこんな事でめげない。この後もたびたび苦難に襲われるが、見事に打ち勝つ。そして隣人であるウェスレイとマーガレット夫妻をはじめ、周りの人にエルノラを助けずにはいられない気にさせる。エルノラは意地悪な母に育てられたのに真っ直ぐで明るく生命力にあふれている。負けん気が強く誇り高い。それが母との共通点な

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    2024年03月26日
  • そばかすの少年

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    ネタバレ

    「リンバロストの乙女」を読み始めてから、こちらが先だった、と気づき、慌てて電子図書で購入して同時並行で読んだが、どちらも良かった!
    主人公のそばかすはシカゴの孤児院で育ち、独り立ちするために材木屋に自分を売り込む。片手がないことから、支配人マックイーンは断るつもりだったが、そばかすの真っ直ぐな心意気に胸を打たれて森の木を盗賊から守るため見回りをする仕事を与える。誰もいないリンバロストの沼地をたった一人で守るのは大変だったが恐怖に打ち勝ち、次第に美しい自然に魅せられていく。また、素晴らしい自然の生き物の写真を撮る鳥のおばさんやその姪であるエンゼルと出会い、ますます仕事に精を出すようになる。リンバ

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    2024年03月25日
  • リンバロストの乙女 下

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    大学に行けなくなってしまったエルノラは博物学の教師となる。
    あるとき授業のための標本採集にいつもの森に出かけるとフィリップという青年に出会い、恋に落ちる。
    ここからは2人がゴールインする道のりが描かれる。
    なんか訳した村岡花子の半生がきっと反映されているからだと思う。特に前半とか。
    だから好きだったのかな。と勝手に思う。

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    2015年11月15日
  • リンバロストの乙女 上

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    美しい少女のエルノラが高校に入学するところから始まる。
    入学する、しかし母はお金は一切出さない。
    前半は母との戦いで、母がお金を出さないので自分で稼がないといけない。
    エルノラはそんな状況にも負けず、近所のおじさん、おばさん、鳥のおばさんの協力を得、同級生に囲まれながら成績優秀で卒業する。

    前半は赤毛のアンとシンデレラを掛け合わせて割ったみたいと思ってしまう。

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    2015年10月25日
  • そばかすの少年

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    アイルランド人の孤児である“そばかす”と呼ばれている少年は、アメリカのインディアナ州にある湿原にて雇ってもらう為、材木商の支配人マックリーンに願いでる。片手を失っている上やせっぽちで、とても自分の仕事には向かないと思ったマックリーンだったが、真っ直ぐ熱心に頼み込む青年に負け、誰も仕事が続かない、森の番人をやってみることを許す。(高価な材木を狙って泥棒がくるため)

    それからそばかす君は信じられないほど真剣に働くのだが、彼の純粋さはいろんな人を感動させていく。

    著者ポーター夫人はリンバロストの森を愛し、自身も研究者となったらしい。自然への描写が多く、愛を感じる。あとがきによると元々の題名は『舞

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    2024年11月09日
  • リンバロストの乙女 下

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    六月は夜蛾の誕生の季節。リンバロストの森で出会ったエルノラと青年フィリップにも恋の予感が…。

    下巻では沼地に息づく植物や様々な鳥たちが生き生きと描かれている。採集される珍しい蛾には、ルーナ、リーガル(詩人の王)、 プロメシア、そしてあの黄色い帝王蛾。蛾は生まれてたった数日で死んでゆく。森の湿った空気を感じながら、生きものの"いのち"を思った。

    コムストック夫人は、博物学の講師を受けたエルノラを手伝うようになる。
    リンバロストの自然が娘への愛情を取り戻させたのだろうか。冷酷な母から賢明な母へと変わっていく過程に目が離せなくなった。

    エルノラに惹かれていくフィリップには許

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    2024年03月04日
  • リンバロストの乙女 上

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    翻訳者、村岡花子さんと言えば「赤毛のアン」シリーズだが、この物語は知らなかった。グリーンの森と黄色い帝王蛾が描かれた上巻から読み始める。

    「骨折り仕事だけで、無知のまま一生を暮らすのはいやだ」リンバロストの美しい森に母と住むエルノラは、町の高等学校へ進学した。
    初日に教科書もなくみすぼらしい身なりを笑われた彼女は、授業料がいることを聞き呆然となる。なぜ母は知っていたのに、学校行きに賛成しながらも話してくれなかったのか…。

    娘を冷遇する母親にも辛い過去がある。
    夜の沼に向かい、溺死した夫を「返せ」と叫ぶ姿は壮絶だ。エルノラに愛情深く接するマギーおばさんとウェスレイおじさんがいて良かったと思う

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    2024年02月28日
  • リンバロストの乙女 上

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    ネタバレ

    1909年に出版されたアメリカ小説。女性作家ジーンポーターは生物学者としても優れていたが、この小説は彼女ならではの作品となっている。
    (ネタバレ)
    主人公エルノアは虫愛ずる姫君。蛾の収集オタク。シングルマザーに育てられるが、その母親が鬼母。愛する夫をなくしたことから立ち直れず、娘を可愛がれない。ドのつくケチで娘にお金を使いたくない。エルノアは高校に行きたいがお金がないので、インデアンの遺跡や蛾の収集でお金を稼いで、けなげに生きる。
    最初はボロを纏って髪の毛も洗わず、クラスメイトに軽蔑されていたが、自分で稼いだ金で近所の人に服を縫って貰い、ついにはみんなの人気者に。
    沼で溺れかけている夫を助けよ

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    2015年01月11日
  • リンバロストの乙女 上

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    少女の頃、何度も繰り返し読みました。
    懐かしいです。
    今になって、きれいな新刊で、しかも村岡花子の訳で読めるなんて、朝ドラ効果に感謝します。

    今読んでみると、母親がちゃんと娘を愛してるんだと分かる描写がそこかしこに或る。
    母親も頑固ですが、娘もたいがいだと思う。
    『うちはお金無い!』と言われたら、学校は諦める子だっていると思います。
    そこを押しとおす根性がすごい。
    しかも、自分でお金稼いで。
    そして、いい意味で“分をわきまえる”事をせず、ブルジョワジーなお友達と、遊びも着る物も引けを取らないようにと頑張るのだから、我の強さは筋金入りだと思う。

    母は母で、16年も、間違った思い込みで(知らな

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    2014年08月28日
  • そばかすの少年

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    子供向けの物語。といっても子供騙しというのではなく
    子供に正直さや誠実さや善良であること、
    自分が主人公でなくても、主人公の側の脇役としてでも
    他者への愛情について感じてもらいたいから子供向け。
    完全に勧善懲悪であるけど、意外にも悪の化身にも
    愛嬌があり、と思ったら思いがけない報いが・・・
    また主人公は純粋・高潔すぎるに加え、生い立ち、
    肉体のハンディキャップが足かせとなり、面倒くさい
    くらいにブレーキがかかり、ヒロインは自分の魅力を
    上手く使える現代的な小悪魔な面を持ちながら、
    現代の自由奔放とはいかない枠組みを持ち、
    まどろっこしいったらありゃしない。
    けど、読み終わったら幸せな気持ちにな

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    2015年05月13日
  • リンバロストの乙女 下

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    ネタバレ

    アンでもパレアナもそうだけど、ヒロインが美しく育ったら次はロマンス。
    相手も非の打ちどころのないぼっちゃんです。
    ただし、超わがままで美少女な婚約者がついてますけど。
    結末はハッピーエンドというのは分かってるので、消化試合を見ているような感じ。

    完全無欠なヒロインって微妙に面白くないときもあるのねということがよくわった小説でした。
    欠点だらけのアンが熱狂的なファンがついたのわかります。
    綺麗で賢くて心が美しく悪漢まで味方にしてしまう無邪気さ、欠けてるものは何もない。
    当然、略奪になってしまうのですがそれだってヒロインが責められるところなんて全くないと来ている。上巻のオチを思い出すたび、かなり

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    2014年12月23日
  • リンバロストの乙女 上

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    ネタバレ

    昔、何かでタイトルを見て読みたくてたまらなかった小説。
    いいですよねこの『リンバロストの乙女』って邦題。
    イメージ的には表紙のまんまです。

    が、可憐な乙女は虫を集めてました…。
    そりゃまぁ、日本には『虫愛づる姫君』という超ぶっとんだヒロインが千年前にいましたけどね。
    この可憐な乙女はそれをドレスやら教科書代に替えるわけです。
    たくましすぎる可憐なヒロイン。
    父親の死のせいで、娘に対しひどい仕打ちをする母親。
    シンデレラの継母なんか尻尾まいて逃げ出すような行状です。
    周囲はそんな母親に怒り乙女をかばいますが、ヒロインは自力で何とかしようと努力を重ねます。
    そしてまぁ母親が心を入れ替えるんですけ

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    2014年12月23日
  • リンバロストの乙女 下

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    母娘の確執、物語の展開についていけない部分も、自然への造詣の深さ、当時の生活描写の細やかさは素晴らしく、特筆すべきはエルノラのお弁当!
    描写が優れているだけで物語はどうでもいいというか、納得できなくてもまあいいやって思ってしまえるからすごい。
    下巻におけるエディスには同情を禁じ得ない。

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    2014年11月07日
  • リンバロストの乙女 下

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    懐かしい本、下巻。
    上巻が“母と娘”物。
    下巻は“恋愛物”
    海外文学の恋愛物は、どうも私の肌には合わない。
    ヒロインよりも、ライバルのエディスに同情してしまった。
    生まれてこの方、自然に親しみ、生物学の知識を深め、なおかつ、母との人間関係に置いて苦しみの中で人間性を磨いてきたヒロイン。
    20年あまりの年月をかけて磨かれてきた人間性は、ここに到って揺らぐことはない。
    しかし、美貌にも生まれにも財産にも恵まれ、長年をかけて築いてきた女王様気質を覆すに至ったエディスの変化の方に、むしろ注目してしまった。

    梨木香歩氏の解説も、とても良い。

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    2014年08月30日