長野正孝のレビュー一覧

  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

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    昔、古田武彦の本を読んで衝撃を受けたが、この本も衝撃的だった。鉄器の副葬品や船の発達状況から物証的に推理し、倭の時代は武装した兵を朝鮮半島に輸送するほど鉄器も舟も発達しておらず、丸木舟で人間のみ輸送され、武器や装備を支給され、傭兵として、騎馬民族に対峙したとイメージできた。また海路からの視点が面白かった。一部の推理は同意できなかったが、しばらく古代史にはまりそう。

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    2018年01月12日
  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

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    古代の認識を覆す試み。ヤマト中心主義、あらゆる遺跡を祭祀のためのものだったと片付ける日本の歴史研究に対して真っ正面から挑戦している。これまでの歴史認識では、日本書紀等の文献から大きな政治の物語のみが取り出され、倭人が航海民族として日々どのような生活をしていたのかという、目の前の日常が無視され続けていたことを気づかせてくれる。朝鮮からは渡来人以外にも多くの人々が日本列島に落ち延び、独自の文化を形成して日本文化の素地を作った。古墳はただ豪族の墓という機能ではなく、日常的に寝食をする公的な盛り場や商業施設のようなものであった、などあくまで航海民族の視点から、鉄の動向を軸に研究している。古代に関して新

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    2016年09月22日
  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた

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    三内丸山遺跡と奈良湖を中心に、その時代の技術を探る。
    特に古代の水運に関しての話が面白かった。
    治水の概念も技術もなく、運用することで水と共に生きてきた時代。
    公衆衛生が発達していない時代から、京がなぜ千年も都でいられたのか。
    川の氾濫により洪水が起こり、糞尿まみれの都を定期的に洗い流していたからだという。
    縄文時代の交易も舟で盛んに行われたというし。
    日本は水の国なんだなと改めて実感する。

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    2023年05月04日
  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた

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    ネタバレ

    表紙が三内丸山遺跡の塔の写真だったので建築系のテクノロジーの話かと思ったら随分違った。
    どちらかというと水上交通の話だった。
    でも古代における「治水」や「港」の見方が読後随分変わったように思う。
    そして古代において水路がいかに重要だったのかというのも。
    何でこんな所が地理的重要地になっているのか(またはその逆、有名な場所なのに他の場所に比べて何故劣っていたのか)古代の水路や水がどこまで来ていたか分かると見えてくる風景が変わって面白かった。

    個人的には、地元の津寺遺跡が出てきたのが最大の興奮ポイントだった。
    地元の博物館より説明が詳細で分かりやすかったです。

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    2023年04月08日
  • 古代の技術を知れば、『日本書紀』の謎が解ける

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    たいへん刺激的で面白い一冊だった。
    著者は「技術」、特に海洋技術の歴史的推移をもとに、日本書紀が語る(騙る?)エピソードの裏を解読していこうとする。さすがに本職、説得力がある。

    細かいところでは類推に類推を重ねているように感じるところがないではないが、個人的に興味のある鉄製品と製鉄技術の伝来をもうひとつ大きな柱として論拠を持ち考察を進めている筆者の姿勢は非常に説得力があるように感じた。

    ほかの著書も読んでみようと思う。

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    2018年01月04日
  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

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    従来の歴史学は、記紀を中心に据え、神学論争をしてきたようなきらいがある。
    長野正孝氏は、船と港の専門家であり、世界史レベルで、人間の活動を歴史的に検証する態度である。
    この本は、中国、朝鮮、そして古代日本における鉄の交易を歴史的に分析しながら従来の所謂通説を覆している。
    エジプトのピラミッドが、雨期に農作業ができない民の究極の公共事業であったというのが通説になっている。
    人間、とにかく、まずきちんと食べていける状況を作ってくれるリーダーに従っていくのが常識だ。
    古墳もただ単なる墳墓ではなく、古代交易における「おもてなしの場」であったということ。
    出雲の巨木遺跡、それは、船舶の望楼であった。

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    2016年01月10日
  • 古代史のテクノロジー 日本の基礎はこうしてつくられた

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    丹後対馬文明説。
    水運から見る日本史で新鮮だった。
    学会での評価は分からないがもっと読んでみたいと思う。

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    2023年05月07日
  • 古代史の謎は「海路」で解ける 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す

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    うーん、専門家じゃないのかあ。まあ歴史ってのは専門家じゃなくても語れちゃうものではあるんだけど、ちょっと不安ではあるなあ。邪馬台国の畿内説も否定しているし、どう評価していいか難しいところ。
    なんか気になったのは、「この時代は技術的に不可能」という記述が多いところ。でも、本書でもちょっと触れた箇所があったように、当時の人は思いもよらない方法や能力で、なんかうまいことやってたりするんだよね。なのでそこをうのみにするのは危険と感じた。

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    2017年02月16日
  • 古代史の謎は「鉄」で解ける 前方後円墳や「倭国大乱」の実像

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    古代史を解くカギとして、鉄を持ち出して色々と推理する一冊。

    在野の一介の学者である著者の分析が正しいか、自分にはわからないものの、真新しい見方を知ることができた。

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    2016年09月19日
  • 古代史の謎は「海路」で解ける 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す

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    独断が多いように見受けられるし、「○○については後
    の××章で説明する」という文が頻出することでもわかる
    ように構成が甘く、話題があちこちに移動している感が
    強い。話題にあげている時代についてある程度の知識が
    無いとわかりにくいことや、明らかに事実誤認と思われ
    るような指摘も多いので、決して手放しで薦められる本
    では無いと思う。

    だが「造船技術の歴史」や「航海術の発展」から日本史
    を考えることは大切だと私も思う。今まで考えたことも
    なかった視点が、この本の中にはたくさん含まれている
    というのは間違いない事実だろう。願わくば著者と同じ
    くらいその方面に明るい人間が参画し、この本の内容を
    考察・

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    2016年02月17日
  • 古代史の謎は「海路」で解ける 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す

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    着眼点に惹かれて読む。知らないことが多かった。しかし、推論と事実がないまぜになった文章構成が続くため途中から流し読みになってしまった。

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    2015年08月08日