あらすじ
「魏志倭人伝」によると、卑弥呼の特使である難升米(なしめ)が洛陽まで約2000kmの航海を行ったという。耶馬台国が畿内の内陸にあった場合、彼らは本当に対馬海峡を渡ることができただろうか。またこの時代、瀬戸内海は航路が未開発であったため通ることができず、交易は主に日本海側で行われたと考えられる。当時の航海技術や地形に基づき、海人(かいじん)の身になって丹後半島の遺跡に身に置けば、鉄と翡翠で繁栄する「王国」の姿が見えてくる……。 さらに雄略帝の「瀬戸内海の航路開発」や応神帝の「海運業」、継体帝が拓いた「近畿水回廊」、「大化の改新」の陰に消された「倭京」などの謎を、港湾や運河の建造に長年従事してきた著者が技術者の「知」で解き明かす。ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』の著者、竹村公太郎氏も推薦!
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Posted by ブクログ
うーん、専門家じゃないのかあ。まあ歴史ってのは専門家じゃなくても語れちゃうものではあるんだけど、ちょっと不安ではあるなあ。邪馬台国の畿内説も否定しているし、どう評価していいか難しいところ。
なんか気になったのは、「この時代は技術的に不可能」という記述が多いところ。でも、本書でもちょっと触れた箇所があったように、当時の人は思いもよらない方法や能力で、なんかうまいことやってたりするんだよね。なのでそこをうのみにするのは危険と感じた。
Posted by ブクログ
独断が多いように見受けられるし、「○○については後
の××章で説明する」という文が頻出することでもわかる
ように構成が甘く、話題があちこちに移動している感が
強い。話題にあげている時代についてある程度の知識が
無いとわかりにくいことや、明らかに事実誤認と思われ
るような指摘も多いので、決して手放しで薦められる本
では無いと思う。
だが「造船技術の歴史」や「航海術の発展」から日本史
を考えることは大切だと私も思う。今まで考えたことも
なかった視点が、この本の中にはたくさん含まれている
というのは間違いない事実だろう。願わくば著者と同じ
くらいその方面に明るい人間が参画し、この本の内容を
考察・検討してくれることを望みたい。