レーモン・クノーのレビュー一覧

  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    まず発想がすごい。この作者さんは「バスで隣の乗客に文句を言っていた青年を、2時間後に再び見た」という何気ないストーリーを、98ものパターンで書き分けています。文字の並べ替え、口調、立場の違い、図版…。
    訳者さんが日本語でも楽しめるような工夫をして、原文の解説をしてくださってるのもありがたかったです。デザインも素敵でした。

    0
    2013年05月30日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    『藪の中』ではないが、こうやって多角的な視点をもって一つの現象を描写していくということには、なんだかものすごい可能性が詰まっているような気がしてとても好きだ。それぞれの間の隙間というか、齟齬がとてもリズミカル。そしてオチも結構良い。

    0
    2013年05月22日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    途中で飽きが来たので、少し間があいたが、再読してみると、止まらなくて、一気に読んでしまった。翻訳された朝比奈弘治さんが、「翻訳作業はほとんどゲームの様相をおびてくる。」で、とあとがきに書かれているか、読むのもゲームだった。本文の終了後に解説があるので、クイズの答を見る様な感覚で照らし合わせながら読むと楽しいかもしれない。

    0
    2013年01月23日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    何かで見かけておもしろそうやん!
    って注文したら
    3000円超で悶絶した本

    1つの出来事を99通りで表現してて
    99人の視点みたいでおもしろかったし
    よくこれだけ思いつくもんだと
    ちょっと震えた

    ついでによく翻訳できたなぁとも思う
    その言語でしかできない言葉遊びとか
    そういう「ならでは」が翻訳だと
    表現できなさそうなのに
    すごいな…って単純に感じた

    読み返すことが
    またいつかあるかもだし
    この本が本棚にあるの
    ちょっとシャレとるやん
    ってこっそり思っている

    星は3つ

    0
    2025年11月01日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    なんてことない出来事なのに、文体を変えるとまったく印象が変わる。
    でも、単なる文体の変化というわけではなく、自由に文章で遊んでいるみたいだ。日本語に訳しているのを読んでるのだが、原文はどんな変化なのだろう。

    0
    2025年07月10日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    バスに乗っている帽子をかぶった男が、別の乗客に文句を言う。席が空いたのを見て、慌てて座りに行く。二時間後、別の場所で同じ男を見かける。その時は、連れの男が、帽子の男のコートに対して、ボタンを追加した方がいいと語っていた。

    この本に書かれているストーリーは、これだけ。
    1ページに収まる出来事を、99通りの文体で書いていく、タイトル通りの「文体練習」の本。
    クノーの好奇心の高さや挑戦的な姿勢はもちろんのこと、訳者の方の苦労と努力が、訳者あとがきから察せられる。
    原書のフランス語と、日本語の特徴の違いを考慮した上で、日本語での文体練習に自然となっている。
    元はフランス語での試みなのに、日本語の奥深

    0
    2025年02月08日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おもしろいとかおもしろくないとかはよく分からない。

    よくこんなたくさん書いたなというのが正直な感想。
    読んでみてよかったとは思うが、もう一度読むことはなさそう。

    0
    2020年12月27日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    期待していたものとは違った。文体というのかね、これは。文体練習になってるところも結構あるんやけど、言葉遊びや言語操作といったほうが適切なものが多かった。翻訳でこれを作ったのはすごいけども、書き下ろしでこそ読んでみたいもんですわ。
    意味がわからんものも多かったし、文字の色や大きさの違いが何を言いたいか全然分からんかった。

    0
    2014年02月16日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    一つの話を99通りに書くという冒険.ただ,この本ですごいのは,翻訳者の方かもしれない.69番の「リポグラム」は何のことか解らなかったけど,あとがきの解説を読んでビックリした.
    単なる言葉遊びも多いけど,いくつかは「ああ,誰々の小説って,こんな文体だよなあ」と思えるのもあって,感心してしまう.

    0
    2013年06月01日
  • 文体練習

    Posted by ブクログ

    これは、ものすごく面白い本だった。ある一つの、何の変哲もない文章を、99通りの文体で表現するという、バカバカしいことに大真面目に取り込んだ作品。
    単に文体を変えただけのものもあれば、物語の話者を変えたもの(話者が「帽子」になることもある)、演劇風にしてしまったもの、数学的に記述したもの、など実に様々な実験をおこなっている。
    一つの出来事を表現するのに、こんなにも多様な方法があるという自由さに、まず感動させられる。そして、同じ出来事の表現でも、視点や手法が違えばまったく異なる印象を読者に与えるのだということにも、驚かされた。

    単純な一つのメモを素材としてすら、ここまで豊富なバリエーションが生み

    0
    2020年07月15日