レーモン・クノーのレビュー一覧

  • 文体練習

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    ・原書の発想も凄いが、
    翻訳のセンスが凄すぎる。

    翻訳でこんなに味が出るとは…
    フランス語ができる人であれば、
    合わせて原書も読んでみたら、
    より楽しめそう。


    ・本文はもちろん面白いが、
    訳者のあとがきを最初に読んだのはよかった。

    訳者が苦心したこと、
    翻訳しながら考えたこと
    またそれぞれの章の注釈が書かれているので、
    より味わって読むことができる。



    ・書かれている文章の内容は同じ。
    でも、書き方が違うとこんなに印象が変わるのかと驚かされる。

    21区別
    バスのなかで(風呂の話ではない)、わたしは、ひも(女に貢がせる男のことではない)を巻いた帽子(某氏ではない)をかぶった男を見か

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    2021年07月04日
  • 文体練習

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    すごい。
    言語にはこんな可能性とバリエーションとがあるのかと、感激した。
    こんなふうに、言語自体にスポットを当てて考える機会が初めてでとても面白かった。

    真剣に大人が言葉で遊んでいるのをみさせてもらった感覚。

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    2021年01月04日
  • 文体練習

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    20世紀フランスの作家レーモン・クノー(1903-1976)による実験的な作品、旧版1947年、新版1973年。ある単純な出来事を99の文体で書き表したもの。

    一時期はシュルレアリスムや実存主義のグループと近かったこともあった。その後もミッシェル・レリスやジョルジュ・バタイユらとは交友が続いたという。1960年に発足した文学グループ「ウリポ」にて、言語遊戯などを通した文学実験を展開した。



    言葉が世界の像であり、世界が言葉の像であるならば、言葉遊びは世界をおもちゃにする遊び。言葉が世界と精神との境界接面であるならば、言葉遊びは精神をおもちゃにする遊び。世界も精神もいっぺんに笑って面白が

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    2020年08月16日
  • 文体練習

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    何の変哲もない日常の一コマを、99種類の文章で描き出すっていう実験的な(?)一冊。原著はフランス語。

    なにこれ、面白ー。変なことを考える人がいたもんだ、と思って読みたい本リストに入れたまま、ずっと忘れていた。。。
    やっぱり面白かった。一朝一夕で99種類かけるようにならないよね。すごい。

    もう、翻訳する人の苦労が推して知るべしだよ…超楽しそうだけど、想像しただけで涙出ちゃう。
    原文のフランス語のものは、フランス語学習にも用いられるくらい有名な作品なんだって。

    10. 虹の七色: こういうのすてき。どうやら原文も絶妙らしい。
    23. あらたまった手紙: 夢野久作の少女地獄を思い出した。
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    2015年10月07日
  • 文体練習

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    おもしろいです。
    おんなじ文章が こんな風に変わってかけるんですね。
    とても 参考になりました 自分でもやってみようと思います。
    しかし…翻訳…大変だったでしょうね。

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    2014年02月08日
  • 文体練習

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    凄い、凄すぎるぞこの本は。何でもない日常の一コマを、99の異なる文体で表現するというとんでもないコンセプト。読めば読む程、当たり前の風景にこれ程の多様な視点が存在するのだと驚愕し、表現によってこんなにも言葉は自由に遊び回れるのだと感嘆させられてしまう。翻訳も直訳的表現を抑え、意味よりも技巧を意向した訳によって逆説的に日本語の芳醇さを示し出し、丁寧な装丁は本作の意匠にぴったりの衣装となる。ここでは言葉が踊り、言葉が楽しんでいるのだ。最高のスキルとセンスとユーモア。いやぁ、豊かさってのはこういう事でしょう。

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    2013年11月15日
  • 文体練習

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    まずは作者のこの試みと、訳者の仕事を心から讃えたい。
    解説を読むと訳者の苦労や工夫が良く分かる。素晴らしい。

    内容は非常に面白く、いろいろ参考になるスタイルあり。
    個人的に好きなスタイルは…
    『遡行』
    『合成語』
    『区別』
    『聞き違い』

    結構最初の方のに偏ってるな…。
    それはさて置き、好きなスタイルのなかでも『合成語』は最高だった。
    マイベスト。

    “ぐい押しわざ突き”
    “サン=ラザって”

    訳者もニヤニヤしながら訳したに違いない。


    惜しむらくは“伝達”という面で通じないスタイルがあることかな。
    全スタイル普通に使っても通じる内容だったら文句なかった。
    なのでその分★ひとつマイナス…と

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    2013年06月01日
  • 文体練習

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    「文体練習」という名の通り、あるなんの変哲もない例文をただひたすら「キザっぽく」「無機質な感じで」「箇条書きで」「教科書のように」「ギャル語で」「比喩表現を使いまくって」「通行人Aを主人公にして」「全て倒置法で」など、思いつく限りの様々な文体でこねくり回した本。文体とはなんなのか、比較できるのが面白く、自分の文体を見直す手がかりにもなる。ベースとなる例文自体は本当にシンプルで短いので、次から次へと想像を超える文体たちに驚いているうちにサクッと終わってしまう。暇つぶしにもぜひ。

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    2013年05月26日
  • 文体練習

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    同じ状況を極力同じ文章で、文体を変えて書くというもの。日本風にアレンジして訳されているところもあり素敵です。

    そういえばずいぶん前のダ・ヴィンチで嵐の松本潤がこの本を持ってきていましたが、時のトップアイドルがこれを持っていたと思うと…おしゃれだな〜

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    2014年02月26日
  • 文体練習

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    面白かった。

    ドラマチックでも何でもない1つの出来事を
    99通りの書き方で表した本。

    言葉遊びや実験的なものも含まれていて
    中には解説を読まないと何がなんだか分からなかったり
    読んでもよく分からないものもあるんだけれど(笑)

    でも面白い。

    文章って色んな書き方があるんだなぁと、改めて感じられる本でした。
    内容も大事だけど、書き方って大事だなぁ。


    個人的には「語尾の類似」「アレクサンドラン」「古典的」「英語かぶれ」「イギリス人のために」辺りが好きだった。

    「英語かぶれ」は、完全なるルー大柴的文章なんだけれど(笑)
    解説を読むと日本語って面白い!と思う。

    「イギリス人のために」は音

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    2013年04月29日
  • 文体練習

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    読み始めたら、コレは、なんと言う本だ。
    というより、本じゃない。
    フランス語が原文なのに 日本語におしゃれに訳されている。
    良くぞここまで訳したよ。
    日本語の選び方がうまくて、おしゃれだ。

    物語は
    『ある日、バスのなかでソフト帽をかぶった26歳くらいの男が隣の乗客が押してくるので腹をたてるものの、その口調はたいした剣幕ではなくて、別の席があくとそそくさと座る。その2時間後、サン・ラザール駅前のローマ広場でその男をまた見かけた。連れの男がいて「君のコートにはもうひとつボタンがいるね」と言っているのが聞こえた。』

    というだけなのであるが、
    それが、様々な編集方法で繰り返される。

    物語を 昆虫

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    2013年03月25日
  • 文体練習

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    同じ出来事を99通りの文体で描かれている作品。

    文体、文章、言葉の無限の可能性を感じる素晴らしい作品。

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    2013年02月24日
  • 文体練習

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    以前、某有名編集トレーニングを受けた際に勧められたが、まったく記憶から抜け落ちていた。たまたま好きなサイトで勧められたのを見て購入。

    正直ちゃんとは読んでいない。

    読むと言うよりも眺める感じ。さらに言うとぱらぱらするだけで、色や構成を楽しむだけのこともある。でも、とにかく面白くて刺激はされる。

    よくマーケティングのアイディア出しで、ひとつのアイディアを逆に見たり展開したり、縮小したり対象を変えたり、というトレーニングに基づいた方法論を試す事があるが、これはまさにそのお手本。要するにマーケであろうが文学であろうが、なにか与えられた条件をさまざまに分析して展開すると、全く別のものが生まれると

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    2012年11月18日
  • 文体練習

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    ネタバレ

    ただの言葉遊びの本ではない。

    同じ出来事を複数の人が見たときの、羅生門的な食い違いを練習の形で再現している。この本を読んで、人生を多角的に見ることができるようになったと共に、発言の際に単なる言葉遣いだけでなく何に言及し何に言及しないかに気を配るようになった。

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    2017年12月22日
  • 文体練習

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    面白かった!
    読書を楽しむというよりは、音楽を楽しんでいるような感覚に似てるかも。まるで、変奏曲を聴いているような感じだなーと思ったら、この作者はバッハのフーガの技法を聴いて着想を得たらしく、なるほど…
    しかし、この本のアイデアもさることながら訳者の創意工夫がえげつない。すごい。日本語の奥深さがとめどない…

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    2025年05月24日
  • 文体練習

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    バスの中でいざこざを起こした男を、その後、別の場所で見かけた……という、単純な流れなのだが。99の文体で書くことによって、99通りの違った話になったように感じるという、面白い試みだった。普段親しんでいる文体だとわかりやすいが、読んだこともない文体だと、わかりにくいし、怖さもあるような気がして。面白かった!Xで見かけて読んだのだけど、本当に、Xの人たちは、どこでこんな面白い本を見つけてくるんだろうなぁ。

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    2025年05月11日
  • 文体練習

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    原書のこだわりの凄さに加えて、翻訳の大変さにも驚嘆する。特に言葉遊びの文体は、訳者あとがきと解説を読みながら読んだほうが面白いし良い。

    「2.複式記述」でいきなりのくどさに笑った。
    「78.らぞなぞね」とか、解説を読まないと仕組みが分からなかった。

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    2025年01月13日
  • 文体練習

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    1つのちょっとした話が、99通りの文体で繰り返し語られる。同じ物語でもこんなに多様な表現の仕方があるのかと感動するような章もあれば、アナグラムなど「文体」とは言えない(しかも出来上がった文は意味不明)ものもある。暗号のような文も、試みとしては面白いと思う。
    訳者のあとがきもかなりしっかりした分量があり、翻訳の裏話が読めるのも嬉しい。

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    2016年09月02日
  • 文体練習

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    ひとつの話を色々な文体、角度から書く正に「文体練習」

    文体のテーマに沿って面白い(なるほど的な)文章。私の今得たいと思っている多角的視点なのかなと思うし、人それぞれ異なると言うことになる。こんなにも人は違うのだなと思う。

    本が好きな人と言うより、文が好きな人が面白いと感じる一冊。と、私も文章と言うものに魅力を感じているのだなぁと再認識する。

    まあよくコロコロとこんなに文体を変えた表現が出来るものだ。

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    2014年10月28日
  • 文体練習

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    一つの出来事を99通りの書き方によって表現してみました、という内容。よくやるよ、まったく……。翻訳した方もお疲れ様です。日本文の可能性を感じたい方はぜひどうぞ。楽しみ方は人それぞれ、解釈の仕方も人それぞれ。本棚に置いてあると、ふとした時に手に取りたくなる一冊です。そんな引力がこの本には働いていると、勝手ながら私はそう思いました。(この本自体もオシャレな作りなんですよ、本当に)

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    2014年02月15日