渡辺淳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「星空病院」の、今は使われていない別館の4階にサンルームにつながる「キッチン花」がある。
シェフは、手術と料理が得意の元消化器外科医にして、名誉院長・半下石安喜良(はんげいしあきら)
お供も連れずに勝手に回診して歩き、看護師たちに嫌がられているが、もしかしたら料理で治す患者を捜しまわっているのかもしれない。
治すのは体の病気ではなく…
家族の入院、という非常事態に浮上するさまざまな“非日常”に翻弄される家族たちを、経験豊かな老先生がオペ以外の方法で助ける。
サンルームに置かれた花々に降り注ぐ光と、星空、あるいは雨。
美味しい匂いが漂ってくる。
第一話 A8病棟のバカ貝
もうすぐ一年になる -
Posted by ブクログ
定年間近の妙子の元に10年音信不通だった夫から1通の葉書が届く。意を決して葉書の消印をたよりになれない東京で夫を探すことに。だがそんなやさきにおきたトラブルにより近江寮に辿り着き寮に集まる人に料理を振る舞うことに。
面白かった。失踪した夫が料理人だったから妙子も料理に精通していて奥が深い。読んでいて勉強にもなるしたまらなく美味しそう。滋賀ものは初めて読んだ気がする。郷土料理が他の地域の人や海外の人達にも受け入れられていく様子がなんだか嬉しい。お腹がふんわりあたたかくなる感じ。とっても好き。
昆布で丁寧に出汁をとってみたくなる。
脇を固める人達もキャラが立っていて可笑しいし愛おしい。
笑って泣い -
Posted by ブクログ
ネタバレ失踪した夫を追いかけて滋賀から東京に出てきた寺島妙子は、「東京近江寮食堂」の調理担当として腰を落ち着けたが、店そのものが取り壊されることに。
知り合いのツテで、大学教授の実家である大きな日本家屋を貸してもらって、食堂を再開できることになったが…
なんだか出るみたい。
そのうえ、素行が悪くて親も持て余している、大学教授の娘まで預かることになった。
キーワードは、郷土料理、我が家の味。
郷土料理は東京で紹介されれば東京の味に変わり、我が家の味と我が家の味が結婚すれば、新しい我が家の味が生まれる。
月下氷人はお醤油?
固く守りたい思い出の味や、理想があるかもしれない。
でも、"固い&qu