あらすじ
定年退職を間近に控えた妙子は、10年前に消えた夫の行方を探すため東京にやってきた。慣れない土地でのひょんなトラブルから、谷中にある宿泊施設、近江寮にたどりつく。個性的な管理人や常連客の貧しい食生活を見かねた妙子は彼らの食事を作り始めるが、その料理はやがて人々を動かし、運命を変えていく。そして彼女自身も――。おいしくてせつない、感動長編。
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主人公の妙子がご主人への想いを変わらず持ち続けている姿が素敵だな、と思った。
食堂を舞台に様々な人間模様が描かれているが
主人公とご主人の想いに思わず涙することが多かった。
最近、自炊を意識してやっているが
この本を読んで更に自炊を楽しんでみようと思えた。
ながら作業しながら食べるのは、少なくともやめてみよ、と思えた本でした。
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生きる覚悟
焦っても仕方がないよ。目の前のごはんを大事にするんだ。目の前のことに集中するんだ。毎日を大切にすれば、想いのかなう日がきっとやってくる。しっかり生きていくんだ。
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最高の表紙だなとおもって手に取った本作。舞台は谷中だしなんとなく落ち着いた雰囲気の話なのかなと予想していたけれど、全く違って関西の空気の方が強かった。特別なことはない普通の人だなと感じるキャラクターたちが良い。そしてラストが好きだった。続きが知りたいけど満足感も高い終わり方。次巻もぜひ手に取りたいと思う。
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滋賀から上京した還暦間近の妙子がひょんなことから宿泊施設近江寮の厨房担当として働くお話。食べることは生きること。郷土料理はどれも美味しそう。現実の料理研究家の女性はスリムな方が多いけど、主人公の妙子さんは身長151cm体重70㎏なので、この人が拵える料理は美味しそうという説得力があると思います。料理だけでなく出会いもまた人生を変えていく。続編も読んでみたいです。
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とっても素敵な物語だった。
毎日を一生懸命生きること、生きるは食べること
日々の食事を大事に前向きに過ごしたいなって
改めてほっこりとした気持ちになれた!
そして最後はまさかの泣いてしまったよ〜
まさかだったよ〜。笑
10年前に蒸発した夫を探しに上京した妙子は
トラブルに巻き込まれた先で、東京近江寮に出会う。
そしてひょんなことから近江寮で食事を作る事に。
妙子の食事を通じて、食べる大切さに出会って
変わってく人々。初めての友達。
10年の間に夫に何があったのかはもちろん、
妙子が自分の気持ちに素直になってくところ、
10年経っても夫を愛してるってところに
グッときた。結婚って難しくて、素敵。
私は東京生まれ東京育ちなので、
郷土料理みたいなものがなくて残念。
(しいていえばもんじゃなのか。)
気になる、食べてみたい!と思える料理ばっかで、
夜中に読むもんじゃなかったね!笑
以下、心に残った言葉を抜粋。
食べることは生きること。生きることは進むこと。 妙子は目の前の料理が、急に愛おしくなった。
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本当はきちんと話し合い、お互いどう思っているのか、言葉にして知り合う必要があったのに。夫婦だから言わなくてもわかるのではなく、夫婦だからこそ、話し合わねばならなかったのだ
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「焦っても仕方がないよ。目の前のごはんを大事にするんだ。目の前のことに集中するんだ。毎日を大切にすれば、想いのかなう日がきっとやってくる。しっかり生きていくんだ」
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滋賀県は祖父母が住んでいたこともありとても馴染み深い場所なので料理や知名など懐かしかったです。滋賀から夫を探しに上京した妙子が落ち着いた先は近江寮食堂。そこで繰り広げられる人々とのちょっとせつない物語です。続編も読みます。
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後半からラストの展開がよかった。
感動がじわじわと来ていい。
食べることは生きることだと感じる。
妙子と安江のおばさんの友情が若い子の関係とはまた違っていい。おばさんになったら友達とはこんな感じになりたい。
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定年間近の妙子が、10年前に家を出た夫を探しに上京し、そこで新たな友人と出会い、食堂の料理人としての新たな生き甲斐を見つけるストーリー。
東京に到着した日に財布をなくした妙子は、滋賀県公認宿泊施設の近江寮に泊まったのをきっかけに、そこで賄いを作るようになる。
料理を通じて、宿の管理人、安江や常連客たちと親しくなっていく一方で、安江に協力してもらいながら夫探しを続ける妙子。
安江の義母、ヨシ子が、認知症ながら、その何気ないコメントでその場をなごませたり、人に生きる力を与えたりしていたのがスゴい。特に、常連客の池花さんが、同姓のパートナー、忍さんを食堂に連れてきたときのヨシ子さんの反応がステキすぎる。
料理の描写も丁寧で、優しい味わいの近江料理が目に浮かぶよう。
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夫を探しに慣れない東京に1人で出てきた妙子さん。出だしはハラハラして読んでいましたが、どうにかやっとこと言った感じで近江寮の生活をスタートできてホッと一息。
寮のメンバーもなかなかの強者揃いですが、それにも引けをとらない妙子さんの逞しさにもクスッとさせられました。
ご飯が美味しそう。
あまり凝らずにシンプルが1番と思えました。
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展開として上手く転がっていき、できすぎな流れではあった。ただ文章としては料理の描写は丁寧だし、登場人物のキャラもしっかり立っていて、スイスイ読める感じ。ほっこり温かくなる話だった。
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食べることの意味を、不器用ながらも正面から問い、今日を生きる元気をもらえる小説。祖母を失った喪失感の残る実家でよんだこともあり、「食べることは生きること。」の一文が強烈に響く読書体験になった。
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登場人物の設定とかはちょっと昔感あるけど、食堂が流行っていく過程は今でもありそうな感じ。
どの登場人物も憎めないけど、どうにも夫と社長には好感がもてない。10年も待つなんて出来ないし、自分のせいでもあるなんて言われたらさらに1年なんて無理。
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【腹減り度】
☆☆☆
【食べ物の割合い】
☆☆☆☆☆
【1番美味しそうだったもの】
銀シャリおにぎり梅とおかか(ラップで包んである)
*感想*
食堂の賄いさんをやる話なので全体に食べ物が出てくるものの描写自体はごくあっさり。献立が書いてあるかんじ。
お話自体は登場人物がおっさんおばさんばっかなのにとってもキュート。トラブルあっても乗り越えて、元気が出てくる小説。
近江料理って全く馴染みがないけれど作中でも割と「地味」とかそんな扱いで笑えた。丁字麩、焼き鯖そうめん、モロコの飴煮、おちから落とし。どれも気になる〜!
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主人公を含めた登場人物たちの話が
近江寮食堂で展開される
主人公の妙子は夫を探すために上京
夫ははたして・・・
著者は料理に詳しいのでしょうね
主人公と登場人物たちのやり取りもまぁ
楽しめましたし、話の展開と結末も
まぁそれなりに納得かなと
続編も期待
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定年間近の妙子の元に10年音信不通だった夫から1通の葉書が届く。意を決して葉書の消印をたよりになれない東京で夫を探すことに。だがそんなやさきにおきたトラブルにより近江寮に辿り着き寮に集まる人に料理を振る舞うことに。
面白かった。失踪した夫が料理人だったから妙子も料理に精通していて奥が深い。読んでいて勉強にもなるしたまらなく美味しそう。滋賀ものは初めて読んだ気がする。郷土料理が他の地域の人や海外の人達にも受け入れられていく様子がなんだか嬉しい。お腹がふんわりあたたかくなる感じ。とっても好き。
昆布で丁寧に出汁をとってみたくなる。
脇を固める人達もキャラが立っていて可笑しいし愛おしい。
笑って泣いて。2人のおばちゃんのペチペチしあう喧嘩も一興だ。
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滋賀県人は必読!
表紙のおにぎりから美味しそうですが、出てくる料理も本当に美味しそうです。関東にいる自分としては本当に近江寮があればいいのに…とつい思ってしまいます。
滋賀県出身の方ならクスッと笑えるような小ネタがたくさんです。財布の中身にもつい笑ってしまいました。
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タイトルから勝手に想像していたストーリー展開とは違っていたが、面白かった。
生きることは食べること。
食べることは生きること。
人間、食事で生を繋いでいるのに、それをおろそかにしているよな。。と。
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楽しい滋賀のおばちゃんたちのお話。
マイペースなおばちゃん達、読み進めるのもマイペース。先が気になって止まらないと言うよりは、時間のあるお昼にゆっくり読める本。
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食べることは生きることだと感じた。近江料理のことを知らなかったので勉強になった。焼き鯖そうめんをぜひ食べてみたい。また、味覚障害を治した昆布だしも気になる。近くに東京近江寮があれば毎日でも通いたいものだ。私もヨシ子さんに人生相談したい。
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初めて読む作家さんだった。
感動することもなく、可もなく不可もなくテンポよく読めたけど、何か物足りなく終わった感じ。旦那さんとの会話が欲しかったなぁ。
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表紙の絵に惹かれて読んでみました。
消息不明の夫を探しに東京へ来た妙子。ひょんなトラブルから出会った安江が経営する滋賀県民専用の寮の食堂を手伝いながら夫を探すことになる。夫が働いていた飲食店を探し出すも夫は... というお話。
妙子も成長することで夫と向き合うことができました。夫婦といえども他人。相手のことはよくわかっているつもりでも心の中はわからんよね。意図せず妙子も夫を追い詰めていたんだろうな。
安江の話し方が鼻についてあまり楽しめずでした。なんでぶりっこ口調なんだ。
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最初の方、主人公が東京に来た目的や細かい設定とかがよく分からないまま話が進むので、少し読みづらかった。
ヨシ子さん、実際にいたら大変そうだけど、良いことたくさん言ってて素敵でした。
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10年前に失踪した夫を探しに、定年退職を前に東京に出てきた主人公。東京での思わぬ出会いがほっこりした。10年って長いよなぁ。待てるもんなんだなぁ。
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ヨシ子と忍を偲ぶ会で泣きが入った。
登場人物みんなが人情に溢れていていい話だったーって感じ。
妙子と秀一がその後どうなったか。
上手くいけば良いなぁ。
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友達と旅行に、と嘘をついて訪れた東京。
財布を落とし、無一文になってしまった主人公は
その財布のおかげで目的も果たせる事に。
観光で来たわけでもないなら、一体何をしに? と
読み進めてみれば…。
意思疎通、いや、意見を言い合わなくなったら
もうボタンの掛け違い、では終わりません。
どうしようもなくなって…という状況。
主人公の状況は、ある意味まだ軽い方かも。
食堂の賄いを引き受け、朝ご飯も…と
何しにきたのかわからなくなってきましたが
人間慣れ親しんだ事をしているのが、一番落ち着きます。
目的の糸を手繰り寄せ、どんどん進んで…。
一応達成しましたが、ここから先がまた大変そうです。
そもそも、住んでいたところはどうするのでしょう??
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焦っても仕方がないよ。目の前のごはんを大事にするんだ。目の前のことに集中するんだ。毎日を大切にすれば、想いのかなう日がきっとやってくる。
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人生のやり直しのお話かな、と。
誰の というわけではなく、それぞれの。
そこに、美味しいごはんが出てきてホッコリします。
落ち込んでいる時には食べることが大事。
お腹が満ちると力が出るものね。
そして、なんどでもリスタートできる。
私も。あなたも。
そんなふうに感じられる優しいお話でした。
Posted by ブクログ
料理系、ご飯系の本が好きなので期待して手に取ったが、あまり主人公が好きになれず...料理にもそこまでスポットライト当たってないような、と思っていたけど、中盤から面白くなってきた!
おしゃれではないけど、人の血肉になり、生きていく力を与える毎日の食事の大切さを実感。
周りの人たちとの友情や、ヨシ子さんの言葉の重みにも胸を打たれた。
続編もあるようなので読んでみよう。
Posted by ブクログ
妙子が嵐皮社長から秀一の住所を知らされた時に「生きててよっかったですわ」の言葉でふたつ思い出したことがある。ひとつはレベッカ復活ライブでNOKKOがドラマーの小田原にかけた「生きててよかったですか?」の言葉と小田原の笑顔。もうひとつはやさぐれていたオイラを救ってくれてフラワーカンパニーズ「深夜高速」の歌詞のなかの「生きててよかった」。生きていること自体が当たり前の日常ではなかなか出てこない言葉だ。オイラの「生きててよかった」はもう少し先になりそうだ。
それから妙子や秀一、ヨシ子が教えてくれた食べることの大切さが印象に残った。味覚障害の忍が食べることにこだわるのはすなわち生きることへのこだわりなんだと。嵐皮社長のように食べることでもう少し頑張ってみようかと思い直すことがあるんだと。妙子は近江寮食堂で地元の郷土料理に固執するよりも、食べる人へ想いを込めることの大切さに気が付く。でも妙子も秀一もほんとはそのことはわかっていたんじゃないかな。互いの両親から祝福されない結婚、商いとして失敗が許されないという呪縛とかふたりを目の前のことに集中させないことが散らかっていただけなんじゃないかな。
「焦っても仕方がないよ。目の前のごはんを大事にするんだ。目の前のことに集中するんだ。毎日を大切にすれば、想いのかなう日がきっとやってくる。しっかり生きていくんだ」。ヨシ子の言葉は力強い。
装幀のおにぎりは読み終わったあとに、ずいぶん美味しそうに見えた。