佐々木丸美のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
これを読んで思ったのは、人間にとっての罪の線引きは難しいという事。一見正しいと思ってた事が犯罪だったり、大丈夫だと思ってした事が犯罪の元になってたり…。この本の物語でも、実際軽犯罪にはなるかな…とも思える物もあるので、どこまでを罪とするか本当に至難だ。それにしても、それぞれの想い人にそれを暴かれるとは…。(しかも、館シリーズでお馴染みの男性陣)この4人に共通するのは、名前が似てる事と(姉妹じゃなければ、血縁でもないのに驚)、その想いが実らない事。(相手が妻帯者だったり、他に本命がいたり) ともあれ、彼女達が罪とどう向き合って行くか、その行く末が気になる。
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購入済み
被害者が加害者の罪を誘導する…そんな事ができるだろうか?…数十年前に初めて読んだが、現実にもサブリミナルやマインドコントロールといった事があるのを考えると、充分あり得る事をあたかも予言してたように思った。その一方で館シリーズでは冷徹だった吹原さんの碎けた一面が見れて新鮮。晴れて結婚したようだけど、主人公である助手といい、彼の魔の手(?)に落ちる女性がいるのは相変わらずなようで…。
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『雪の断章』は大学時代の友人だったSさんに借りたんだっけ。
このSさんは、その当人がもう『雪の断章』に出てきそうな儚げな雰囲気なのね。抜けるように白い肌を持ち、色素の薄い茶色の瞳をいつも潤ませているという顔面のお人でした。しかも背が145cmぐらいしかないの。どこの萌えキャラだよお前ぇ。うーん、思い返すとキャラとしては萌えるなぁ。
で、そんな彼女のお悩みはその儚げな外見に惹かれて、街灯に群がる虫のように純朴な男どもが寄って来ることで、「友達と思っていた人がみんな告白してくる…」なんてよく潤んだ瞳で相談されたものでしたが、私は心の中では「それは君の顔が悪い!」とか思ってました。ゴメンナサイ -
Posted by ブクログ
ネタバレ孤児四部作(『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』『風花の里』)の一作目。
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『ビブリア古書堂の事件手帖2-1 扉子と不思議な客人たち』で本書を知った。
登場人物の志田の好きな本が『雪の断章』。
志田は、「面白いって感じるのは同じでも、自分一人で読んでいたい本と、他人に薦めたくなる本の二種類があると思うんだよな。」と言って、『雪の断章』を古書店で見かける度に買って、まだ読んでない人にプレゼントしている。
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孤児が、引き取られた家でこき使われるも、運命的な出会いがあり——と、最初は読みながら少女漫画みたいだなと思った。
初出版が1975年で、使われてる言葉や登場人物の言動に時代 -
Posted by ブクログ
ネタバレ耽美で全編詩のような文体で綴られる
企業戦争に巻き込まれた少女たちの物語です。
いわゆる「孤児シリーズ」。
捨て子の少女が
その境遇から救い出してくれた男性を
密閉された環境の中で愛する―。
というのがこのシリーズの特徴です。
双子のように育った少女のどちらが、
会社社長の忘れ形見なのか。
幼い記憶の底でそれぞれ愛し合った男性は
誰だったのか。
難解な謎解きは、ある意味心理ミステリ。
でも、少女達の愛憎なかばする友情や
どこかひそやかで捻じれた愛を描く方に
力が注がれています。
閉塞した、でも何不自由ない環境は、まるで孤城。
少女たちは蒼白く病んだ姫君たち。
好きな人には、偏愛