佐々木丸美のレビュー一覧

  • 罪灯

    ネタバレ 購入済み

    これを読んで思ったのは、人間にとっての罪の線引きは難しいという事。一見正しいと思ってた事が犯罪だったり、大丈夫だと思ってした事が犯罪の元になってたり…。この本の物語でも、実際軽犯罪にはなるかな…とも思える物もあるので、どこまでを罪とするか本当に至難だ。それにしても、それぞれの想い人にそれを暴かれるとは…。(しかも、館シリーズでお馴染みの男性陣)この4人に共通するのは、名前が似てる事と(姉妹じゃなければ、血縁でもないのに驚)、その想いが実らない事。(相手が妻帯者だったり、他に本命がいたり) ともあれ、彼女達が罪とどう向き合って行くか、その行く末が気になる。

    #切ない #深い #ドロドロ

    0
    2024年02月16日
  • 罪・万華鏡

    購入済み

    被害者が加害者の罪を誘導する…そんな事ができるだろうか?…数十年前に初めて読んだが、現実にもサブリミナルやマインドコントロールといった事があるのを考えると、充分あり得る事をあたかも予言してたように思った。その一方で館シリーズでは冷徹だった吹原さんの碎けた一面が見れて新鮮。晴れて結婚したようだけど、主人公である助手といい、彼の魔の手(?)に落ちる女性がいるのは相変わらずなようで…。

    #怖い #深い #切ない

    0
    2023年03月25日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    「森は生きている」を重奏低音のように.孤児の飛鳥が祐也と出会って生きて行く.無慈悲な権力の権化としての本岡家の存在が,少しご都合主義的ではあるが,祐也の親友史郎の存在や飛鳥の親友順子の関わりが真摯で誠実でとても好ましかった.最後はハッピーエンドだと思いたい.

    1
    2016年05月11日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    映画化された作品なのですね。

    腕時計を買ったり演奏会に行ったり迎えに行った相手は誰だったのか?そこはスルーなんですね~~
    私はそこが気になるんだけど。

    0
    2015年06月09日
  • 花嫁人形

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    美しい四姉妹の影で何も与えられずに生きていく昭菜。彼女の支えはたった1人、壮嗣だけ。彼は彼女の前だけでは優しく、文字を、沢山の事を教えてくれた。彼女の出生の秘密、家同士の、企業間の争い、数々のねじれが昭菜を、そして四姉妹を巻き込んでいく。
    孤児四部作のひとつ。一番可哀想だと聞いていたけど、最後は結局愛する人の側にいれたわけで、四姉妹の行く末の方が可哀想な気がした。特に郁。
    佐々木さんのネーミングセンスが好き。四姉妹の名前、従姉妹三人の名前の由来、なかなか素敵。

    0
    2011年09月11日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    相当古い本なのに古さを感じさせない描写。(”ベーゼ”には若干古さが)
    男性はあまりに美化されている感じがするが、女性の描き方、
    分析の仕方はすごい。特にトキさん。死ぬまで女は女だ。
    一方順子や厚子さん。こういう潔い女性がこの時代にもいたのか・・・

    飛鳥が不幸になるのだけはイヤだったので(彼女は決して好きな
    性格ではないが)最後までハラハラしながら読んだ。

    0
    2011年01月06日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    芯の強い美しさを感じさせられる作品。ややミステリ部分もあるけれど、メインは一人の少女の愛の物語。愛、とはいっても甘ったるくはなく、案外とシビアです。それこそ降りしきる雪のイメージでした。
    ラストの展開は予想はついたけれど、怒涛だなあ。そしてまさかあの人があんな方法を選んでしまうとは! 後味は悪くはないけれど、なんだかやりきれない……。

    0
    2010年04月07日
  • 崖の館

    Posted by ブクログ

    佐々木丸美さん初挑戦。読むまでは、叙情的ミステリテイストサスペンス、だと何かを勘違いしていました。きちんとトリックあり犯人探しありのミステリでしたね。妙な先入観は間違いのもと……。
    とにかく文章が綺麗。情景の描写が繊細で美しい。「崖の館」が目に浮かびます。そしてなんだかひどく淋しげな佇まい、という印象も。物語もなかなかに哀しいものでしたし。後味はすごく尾を引くけれど、悪くはないかなあ。

    0
    2010年01月14日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    むかし、学生の頃読んだ本。
    その時は行間とか読めなくてなんかもどかしく思った。

    今おとなになって読み返してみて
    行間を読めるようになったのかといえば…
    どうなのかなぁ?

    0
    2009年11月29日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    『雪の断章』は大学時代の友人だったSさんに借りたんだっけ。

    このSさんは、その当人がもう『雪の断章』に出てきそうな儚げな雰囲気なのね。抜けるように白い肌を持ち、色素の薄い茶色の瞳をいつも潤ませているという顔面のお人でした。しかも背が145cmぐらいしかないの。どこの萌えキャラだよお前ぇ。うーん、思い返すとキャラとしては萌えるなぁ。


    で、そんな彼女のお悩みはその儚げな外見に惹かれて、街灯に群がる虫のように純朴な男どもが寄って来ることで、「友達と思っていた人がみんな告白してくる…」なんてよく潤んだ瞳で相談されたものでしたが、私は心の中では「それは君の顔が悪い!」とか思ってました。ゴメンナサイ

    0
    2009年10月04日
  • 風花の里

    Posted by ブクログ

    画像は復刻版です。
    講談社文庫で読みました。

    孤児シリーズの第4弾、最終章です。

    「永遠に立脚し刹那に努力すべし」。
    この本に出てきたこの言葉にはずいぶん支えられました。

    佐々木丸美氏のほとんどの作品は、
    作品(の登場人物)同士がどこかでつながっていて、
    大きなひとつの世界を作っています。
    これがまた読者の想像力を駆り立ててくれるのです。

    0
    2009年10月04日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    けなげな主人公の頂点ですね。
    小学生低学年あたりから引き取って育ててくれた親代わりの青年(当時。今は何才だろう…30後半?)に恋をした主人公が、隠して押し込め通してきた想いについて「私はあなたに育ててもらいました。だから言えません」と言う場面がものすごく好き。
    でも好きなのはその青年の親友だったりするマガリです。

    0
    2009年10月04日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    06年マイベスト7位。
    孤児の飛鳥は、青年祐也に助けられ彼の元で育てられる。祐也への愛を密かに募らせていく飛鳥だったが、殺人事件が起こり…。北海道を舞台にしたミステリーとしても恋愛小説としても楽しめる作品。

    0
    2009年10月07日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    シリーズ復刊第一弾です。佐々木丸美さんの本は何度も読み返しているので、すっかりくたびれてしまいました。年季の入ったそれもいいですが、綺麗な単行本が手に入るのはうれしいです。

    0
    2009年10月04日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    孤児四部作(『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』『風花の里』)の一作目。
    ――――
    『ビブリア古書堂の事件手帖2-1 扉子と不思議な客人たち』で本書を知った。
    登場人物の志田の好きな本が『雪の断章』。
    志田は、「面白いって感じるのは同じでも、自分一人で読んでいたい本と、他人に薦めたくなる本の二種類があると思うんだよな。」と言って、『雪の断章』を古書店で見かける度に買って、まだ読んでない人にプレゼントしている。
    ――――

    孤児が、引き取られた家でこき使われるも、運命的な出会いがあり——と、最初は読みながら少女漫画みたいだなと思った。

    初出版が1975年で、使われてる言葉や登場人物の言動に時代

    0
    2025年09月07日
  • 榛家の伝説

    Posted by ブクログ



    『橡家の伝説』の続き。
    謎めいた女主人が、奉公人たちに残した遺産の謎を追う「伝説」シリーズの二作目。

    これが、佐々木丸美最後の作品なので、シリーズ的には未完で残念。

    これだけの医療関係者を館に呼べる叔母さんの財力スゴイ。

    0
    2019年08月10日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    主人公は好きになれないけど、友だちの順子や、厚子、史郎さん、管理人のおじさんなど、周りの人々がとても魅力的でした。「森は生きている」が土台にあるのも良かったです。大好きな人は1月の精。最初から最後まで、切なくも美しい雪景色でした。

    0
    2016年06月15日
  • 雪の断章

    Posted by ブクログ

    佐々木丸美作品初読み。
    映画は見ていたので若かりし頃の斉藤由貴&榎木孝明&世良公則が脳内を疾走(笑)
    名前も違うし、人物設定も多少違っていたり、実は重要な役目の人物が出てこなかったり。
    小説では飛鳥の心の動きが重視されているのに映画はどちらかと言えばミステリーよりの斉藤由貴のプロモーション映画チックな感じが否めない。
    いい男二人に囲まれるヒロインが羨ましいのはどちらも同じだけど(笑)
    しかし、史郎の殺人の動機が理解できないわ。。。。

    0
    2015年07月03日
  • 忘れな草

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    耽美で全編詩のような文体で綴られる
    企業戦争に巻き込まれた少女たちの物語です。

    いわゆる「孤児シリーズ」。

    捨て子の少女が
    その境遇から救い出してくれた男性を
    密閉された環境の中で愛する―。
    というのがこのシリーズの特徴です。

    双子のように育った少女のどちらが、
    会社社長の忘れ形見なのか。

    幼い記憶の底でそれぞれ愛し合った男性は
    誰だったのか。

    難解な謎解きは、ある意味心理ミステリ。

    でも、少女達の愛憎なかばする友情や
    どこかひそやかで捻じれた愛を描く方に
    力が注がれています。

    閉塞した、でも何不自由ない環境は、まるで孤城。
    少女たちは蒼白く病んだ姫君たち。

    好きな人には、偏愛

    0
    2012年06月04日
  • 風花の里

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    孤児四部昨の最後の話。両親の事故死の後、愛猫のとらと幼馴染みの丈と共に時に世間から見放され、時に優しさに触れながら生きていく星玲子。前の三部作と絡んでいるけど、やっぱり複雑すぎてもう一回四部作読み直さないと会社の複雑さはわからないなぁ。
    愛は自己満足。与えられないのに求めてしまうという言葉にぐっときた。

    0
    2011年09月24日