ダニエル・フリードマンのレビュー一覧
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スゴ腕の警官としてかつてブイブイ言わせていたバック・シャッツ。しかし、腕を鳴らしていたのも遠い昔、退職した今は現役時代のような動きのキレもすっかりなく妻と近くに住む孫と余生を過ごす毎日。そんなバックの元にある日、旧友が死の間際に最後の願いを口にします。その依頼とは、かつての大戦の際に収容所で2人を凄惨な目に合わせたナチスの将校の行方を突き止め、大戦終了時に持ち出したという金塊を手に入れて欲しいと言うものでした。最期の依頼を託した旧友はほどなく息を引き取り、バックは弱った足腰に鞭打って、宿敵ともいえる件の人物を追跡を決意します。しかし、お宝の噂をどこから聞きつけたのか、金塊を狙う複数の人間達が現れ、バックの調査はいきなり困難を極めることになりました。
主人公のかつての宿敵に対する因縁と200ポンドの金塊という財宝を追跡するという、ある意味分かりやすい王道のストーリーですが、本書を際立たせている設定は、『加齢』 すなわち、タイトルの「もう年はとれないDon’t Ever Get Old」という年を取る事への恐怖にあります。中年や初老を主役に据えた作品はいくつかありますが、今作の主人公のバックは第2次大戦のナチスの収容所を生き延びた(主人公はユダヤ人、宿敵はナチスの将校という設定)なんと87歳。後期高齢者どころかもうすぐ米寿のお祝いです。老いの恐怖をコミカルに描くという意味では、ジョン・スコルジーのSF「老人と宇宙」と共通する印象がある感じです。
とにかく、いまやすっかり足腰の弱った主人公は事あるごとに身体機能の低下を訴えつつ、ダーティーハリーはクリントイーストウッドばり活躍をする本書は、ユーモラスなミステリーでありながら、バックの老いていく恐怖を説得力を持って表現している点で、本当に楽しくも魅力あるストーリーでした。
惜しむらくは中盤に入ってからの展開。主人公を付け狙う関係者の連続殺人が発生し、こっちの捜査に軸足が移ります。「罪を犯す手段と同期を持っている人間が何人もいるにも関わらず、一人も殺人者として直感的にしっくりこないことだ」のセリフ通り、終盤まで全く予想できないフーダニットとして良い出来ではあるのですが、老いの恐怖という本作の魅力が隠れてしまう感じがして、個人的には微妙なところではあります。 -
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主人公の「バルーク(バック)・シャッツ」は87歳のユダヤ人で、常に強烈な皮肉な言葉を発し、何処かしこで紫煙を燻らすヘビースモーカーの爺さんだ。
「バック」は、第二次世界大戦でノルマンディー上陸作戦に従軍し、ナチの捕虜収容所では生死に係る過酷な経験を経た後、何とか生きて母国のアメリカへ生還したタフな男だ。
捕虜収容所で凄惨なリンチを「バック」に加えたナチ親衛隊の将校「ジーグラー」は、戦後のどさくさに紛れてユダヤ人から強奪した多くの金塊を持って海外へ逃亡したとの噂があった。
この設定が核となって、タフな「バック」の物語が綴られる。
アメリカへ生還後に社会復帰した「バック」は、メンフィス警察殺人課の辣腕刑事として、大いに名を馳せた実績がある逞しい男だったが、今では単に年老いた爺さんになってしまった。
ある日、戦友だった「ウォルス」の臨終直前、「ジーグラー」はアメリカに逃亡後、未だ生存していて金塊をも隠し持っているとの言葉を「バック」に遺す。
その噂を聞いても、「バック」は老いと初期の痴呆症を認識していたこともあり、当初は金塊には無関心だったのだが、孫の「ウィリアム」の力に助けられながら、憎き「ジーグラー」と金塊を追うことになる。 -
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ネタバレスゴ腕の警官としてかつてブイブイ言わせていたバック・シャッツ。しかし、腕を鳴らしていたのも遠い昔、退職した今は現役時代のような動きのキレもすっかりなく妻と近くに住む孫と余生を過ごす毎日。そんなバックの元にある日、旧友が死の間際に最後の願いを口にします。その依頼とは、かつての大戦の際に収容所で2人を凄惨な目に合わせたナチスの将校の行方を突き止め、大戦終了時に持ち出したという金塊を手に入れて欲しいと言うものでした。最期の依頼を託した旧友はほどなく息を引き取り、バックは弱った足腰に鞭打って、宿敵ともいえる件の人物を追跡を決意します。しかし、お宝の噂をどこから聞きつけたのか、金塊を狙う複数の人間達が現れ、バックの調査はいきなり困難を極めることになりました。
主人公のかつての宿敵に対する因縁と200ポンドの金塊という財宝を追跡するという、ある意味分かりやすい王道のストーリーですが、本書を際立たせている設定は、『加齢』 すなわち、タイトルの「もう年はとれないDon’t Ever Get Old」という年を取る事への恐怖にあります。中年や初老を主役に据えた作品はいくつかありますが、今作の主人公のバックは第2次大戦のナチスの収容所を生き延びた(主人公はユダヤ人、宿敵はナチスの将校という設定)なんと87歳。後期高齢者どころかもうすぐ米寿のお祝いです。老いの恐怖をコミカルに描くという意味では、ジョン・スコルジーのSF「老人と宇宙」と共通する印象がある感じです。
とにかく、いまやすっかり足腰の弱った主人公は事あるごとに身体機能の低下を訴えつつ、ダーティーハリーはクリントイーストウッドばり活躍をする本書は、ユーモラスなミステリーでありながら、バックの老いていく恐怖を説得力を持って表現している点で、本当に楽しくも魅力あるストーリーでした。
惜しむらくは中盤に入ってからの展開。主人公を付け狙う関係者の連続殺人が発生し、こっちの捜査に軸足が移ります。「罪を犯す手段と同期を持っている人間が何人もいるにも関わらず、一人も殺人者として直感的にしっくりこないことだ」
のセリフ通り、終盤まで全く予想できないフーダニットとして良い出来ではあるのですが、老いの恐怖という本作の魅力が隠れてしまう感じがして、個人的には微妙なところではあります。 -
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元刑事バック・シャッツのシリーズ2作目。
88歳になったバックをまだ事件はほうっておかない!?
前作の事件でさらに身体は衰え、とうとう妻とともに介護つきのアパートに移ったバック。
若い頃にはダーティ・ハリーばりの力づくで行動するタイプの刑事だった。
前に取り逃がした因縁のある、銀行強盗イライジャが訪ねて来る。こちらももはや78歳だが、何者かに命を狙われているから、助けてほしいというのだ。
何かをたくらんでいると怪しむバックだが‥?
50年前(!)の事件と、現在が交錯。
プロの犯罪者との対決だけでなく、警察組織の闇も描かれます。
ユダヤ系を排斥するような層が、警察の上層部に多かったとは。
とても良い妻だったローズにも、知らないことがあったのですね。
バックもメンフィス署では伝説的だけど、冗談めいて語られるような存在。実際の身近な人間には迷惑がかかることもあっただろう。
幼かった息子に誤解されてしまうのは哀しい。
そのあたりのことが1作目より深みを増して語られ、老いてもまだまだ語りつくせそうにない勢い。
長く生きているのも伊達じゃない!
バックならではの良さと味わいを発揮して欲しいです☆