酒井崇男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレトヨタ生産方式+トヨタ流製品開発のセットで概要がつかめる本。
リーンやアジャイルがトヨタの逆輸入という話は初耳。いまさらながらトヨタと学ばねば!と思った。
著者の主張にキレがあって、そこまで言い切るかという内容もあり、印象強い。
トヨタの開発は、機能別組織であり主査制度(プロマネ)が横串を刺して、全体として機能している。それを支えているのは、①十分な権限付与 ②重量級のタレント性、である。つまるところ、”人の問題”であり、ここに大企業も中小企業もない。
当たり前の帰結だけど、人を育てる仕組みがあるかが長期的強みに左右する。中期的強みは、情報資産の蓄積。
逆説的には、トヨタは、タレントを生 -
Posted by ブクログ
自分がタレントなのか、プロフェッショナルなのか、スペシャリストなのかはたまたただのワーカーなのか、自分の立ち位置を理解した。そういう意味で自分はタレントでは現状ない。ただ、救いとしては、知識のアナリシスとシンセンスがタレントへの道であること。複数の知識のシンセンスが創造的知識をつくることは凡人の自分でもできること。何かを創造するには、ある問題点・改善点に身をおいて初めて、新たな知識が創造される。この話は、スティーブジョブズのconnect dot の考えに通じると思う。
また、定型労働となり下がった税理士業務に縛られない自分の生き方はやはり正しかったのだと自信をもてた。
●キーワード
・アナ -
Posted by ブクログ
タレント・マネジメントの話。モノ不足が解消しもはや供給過剰の現代では、大量生産のための「情報の転写」よりも売れる商品を開発する「設計情報」にこそ企業価値の源泉があり、トヨタの主査制度を引き合いにして、価値を生み出すメカニズムとそれを支えるタレントの重要性を説明しています。トヨタの強みの理由は、真似たら同じ効果が得られやすい「転写」での品質管理システムではなく、グーグルもアップルも参考にしている主査制度によるタレントの活用なのだという点は納得です。また、VCが主査制度に直接金融を直結させたという見方は慧眼です。
全般的に説得力あるのですが、NTTの研究所が巨額の研究費を使って何も新しいものを生み -
Posted by ブクログ
財務諸表に表されない情報資産に焦点をあてたユニークな経営論だなと感じました。
「設計情報転写論」(東大 藤本教授 発)をベースに、有形の製品は図面、無形のサービスはその仕組み・プロセスを創造物である「設計情報」と捉え、それらを媒体に転写する能力で利益を上げるという論です。
中でも重要なのは、源流に位置し創造性が求められる「設計情報」であり、その実現のためには、目的のために、自分の知識や関係者からの情報を統合し創造することのできる「タレント」型の人材が必要であるという。創造的知識労働が、企業に利益をもたらすという主張です。
この書においても、シンセシス(統合)力が重要であるとの一定の結論が得られ -
Posted by ブクログ
人事、組織、製品開発戦略のコンサルタントによる本。時々難しいカタカナ言葉は出てくるが、時に歯に衣着せぬ言い方もありながら「売れるモノを作る」仕組みの本質を、トヨタを例に分かりやすく解説している。
色々参考になる中でも印象に残ったこと。アメリカの自動車メーカーは政治圧力を使って日本メーカーを締め出そうとしたが、かえって日本メーカーは逆境を乗り越えて強さを磨き、アメリカ車は凋落に繋がった。トヨタの「主査」という総合プロデューサーのような役割。優秀なプロフェッショナルたちを適材適所でコントロールしつつ、「売れるモノ」を作り上げていくトヨタの重要ポジション。
トヨタのカンバン方式を解説したりそれを -
Posted by ブクログ
ネタバレトヨタというとトヨタ生産方式が有名だが、この本はトヨタの製品開発に焦点を当てた本
正直文章はわかりずらい
以下キーワード
・1製品に1主査を置く主査制度
・設計者は①商品の価値②利益③実現手段に責任を持つ
・TQM 「どうすると失敗するか」という情報を残す
・ものつくりは人つくり
・3つの情報資産①設計情報②全ビジネスプロセス③人材の頭脳
・3つの情報資産について、うまくいっている状態を管理する
・なんでも文書化し、文書はつくりかえられ続ける
・自社ができることは外に出す、自社でできないことは中でチャレンジ
・うまくいった事例はすぐにヨコテンする
・結局最後は人(タレント)
結論はちょっとが -
Posted by ブクログ
かつては栄光を極めた日本の電気機器業界の失敗と、その間に日本の成功企業を研究し世界のトップ企業へと成長したアップル、サムソンと言った外資系企業を例にとって、人材戦略とハタラキ方について提言している。アップルのスティーブ・ジョブズがソニーをまね、フォードの社員はトヨタを研究し、日本人が成果の出ない莫大な研究費を浪費している間にどのようにグローバル企業に追いつかれていったかということがわかる。売れるサービスありきで、そこからタレントをもった人材によって設計され、有形のものに落とし込まれて初めて稼げる商品が生まれるのであり、設計情報を生み出せる人材を育てる風土を育てるべきだと述べられている。
ここに -
Posted by ブクログ
企業の人材戦略論。「選りすぐりの人が集まる成果の出ない組織」を問題意識として「知識を利益につなげる」ための人材論、組織論である。
話はそれるが、以前テレビで、限りなく真球に近い金属球の製作技術を競うという番組があった。斜面のレール上でどれだけ長い距離を転がすことができるか、ドイツの有名企業に挑む日本の中小企業の技術者たち、といった番組運びだった。
最新の製造装置で製作するドイツ企業に対し、日本の会社は手作りともいえるその卓越した職人技で対抗していく…。
結果。日本の小さな会社はその職人技でドイツの有名企業に勝ったのだった。
そしてこの手の番組のご多分に漏れず、最後は日本の技術力の高さを賛美し -
Posted by ブクログ
労働 人間が頭や身体を使って何らかの処理をすること
仕事 会社のような組織がわから、役割として労働する人に与えられるもの
ハタラキ その労働の結果、期待されている成果を生み出したか否か
労働を通じて無事仕事が行われ成果が生まれた時、ハタラキがあったという
事業部門が閉鎖になった事業部長 高度な知識をもった人材の能力を、売上や利益に結びつけられなかった
企業は、売れる商品、サービスを生み出さなければ個々の人材がいきら優秀だろうと意味がない。
個々の人材がいくら優秀だろうと、日々一生懸命仕事をしていようが、高品質な製品を製造していようが、技術に新規性があろうが、すべてが無駄になる
結果的に、売 -
Posted by ブクログ
サブタイトルは、「世界で勝ち続ける企業の人材戦略論」とあるように、これからの企業にとって必要となる人材をどうやって生かすのかについて書かれている。
「ものづくり敗戦」の正体では、なぜ日本にアップル製品があふれているのか、売れないものを作ることが存在理由になっている企業、その一方でトヨタのように世界で稼いでいる企業が例に挙げられている。
現在において希少価値のあるタレントについて次のように述べている。「広くて深い真の基礎、基礎の知識を持ち、二つか三つの専門分野があり、目的的に、知識獲得をしながらアナリシス・シンセシスを繰り返し、答えを出す人」と言うように、頭が柔らかくてアンテナを