真保裕一のレビュー一覧
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外交官黒田康作シリーズの第3弾。
シリーズではあるが、単独作品としても十分楽しめる。
欧州の小国アンドラにいる日本人女性進藤結香のSOSに黒田が向かったことで、国家間の陰謀に巻き込まれる。
偽名を名乗った女性にも、何やら隠された思惑がありそうで、黒田にも危機が迫る。
テロ組織ETA(バスク祖国と自由)との関与が噂される絵画偽造グループ、その背後にいたと思しき貿易商、息子の養育権を争うために裁判を起こした元妻、偽刑事の存在、情報部員の暗躍。
殺人事件を巡って、フランス、スペイン、アンゴラのそれぞれの警察が国家の威信をかけて、牽制しあう。
さらに、この裏には、自らの手を汚そうとしない政治家や官僚が -
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真保裕一『アンダルシア 外交官シリーズ』講談社文庫。
『外交官シリーズ』の第3弾。
冒頭に黒田康作の辣腕ぶりが描かれ、今回のテーマが日本をも巻き込んだ国際的な紛争であることを匂わせる。しかし、進藤結香が黒田康作を利用した理由などに関する余りにも解りやすい伏線にはまさかと思ったのだが、特に捻りも無くその通りだったことに驚いた。結果的に本作も第1作の『アマルフィ』を超えることはなかったようだ。
欧州の小さな国アンドラで夜中にパスポートと財布を紛失したという女性からの連絡を受けた黒田康作はバルセロナからアンドラに向かい、女性をピックアップし、バルセロナに戻る。その進藤結香という女性は偽名を使い -
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真保裕一『天使の報酬 外交官シリーズ』講談社文庫。
シリーズ第2弾。数年前に文庫化される予定だったのを見送られ、この度やっと文庫化。第3弾の『アンダルシア』が来月文庫化ということで2ヵ月連続の刊行。
第1弾の『アマルフィ』が非常に面白かったので大いに期待したのだが、捻りに捻り過ぎて肩透かしを食ったかの作品だった。
サンフランシスコで日本人女子大生が失踪し、南米のテロリストとの関係も危惧された。外交官の黒田康作はテロリストを追い、日本に帰国すると女子大生との接点のあるフリーの記者が何者かに殺害される。
様々な疑念は女子大生の父親である元官僚へと向かうが……
本体価格920円
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Posted by ブクログ
ネタバレ海外の邦人保護を任務とする外交官・黒田はテロ情報をもとにローマへと派遣されます。
時期を同じくしてイタリアを訪れた日本人の母親と幼い娘。
少女が何者かに誘拐され、黒田は真相を追いかけていきます。
最初から、ただの誘拐事件ではないことを思わせる部分が多々あり、
裏に隠れた真相を見極めようと、1つの言葉も漏らすまいと真剣に読みました。
中盤まではノンストップ状態です。
次第に最初の想像とは異なり、政治的な思想と民族問題が絡んだ展開になります。
やや強引な部分もあったと思いますが、
アマルフィの美しい景色を容易に想像することができ、
最後まで面白く読み終えました。