小池桂一のレビュー一覧
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購入済み
読むドラッグとはよく言ったもの
ずっと気になっていたこの作品を、ついに購入してみました。
初読時は絵の緻密さやコマ割りの奇想天外さに圧倒され、ストーリーよりもその技術的な面にばかり目が奪われてしまったのですが、あらためて再読してストーリー面でも斬新で魅力的な作品だと思いました。
続刊が出ないのが残念でなりません。 -
Posted by ブクログ
これは新たな視点で世界を見るきっかけになった。ものすごい世界観だった。
私の身近では、マクロビオティックやオーガニック、スローライフに視点をおく傾向がある。だけど、そもそも、どうしてそうすることが必要であり、その根源にあるものが一体何かは混沌としていた。
それが、まさかアメリカ・インディアンの人々に関連しているなんて!
私が住んでいる世界は、「都市」であり「土地」という観念はない。しかし、その「土地」は、アイデンティティとみずからの存在の「意味」をも含有するものであるのだ。
ものすごく印象的だったのは、人間における自己定義のメカニズムについて。それは、差異化と同一化の二つ。差異化ばかりを -
Posted by ブクログ
この世にまやかし以外のものがあるってのかよ…
これは……凄いな。絵での表現力では頭一つ抜けた存在感。
こんな作品に時偶巡り会えるからこそ、漫画を読む事を止められない。
80点超えは確実、90点以上も余裕で射程圏内です。
ずっと探し求めていたものの、3巻発売以後品薄になってしまったとかで
何処に行っても売っていなかった物。
「これは読むドラッグだ!」という触れ込みがありましたが、
読後の率直な感想はまさにその通り。夢を視ているような感覚に浸れます。
ただ単に混沌としているだけではない、無茶苦茶な中にも一本筋が
通っているという矛盾を孕んだ、人の見る夢が如きものを
圧倒的な描画力によって -
Posted by ブクログ
書き出しの、未開民族もほぼ携帯電話を持っていて、グローバル化、「人類全てがお互いの存在を知っており、関与しようと思えば関われる状態」にあることは凄いことだと思った。影響を及ぼし合い、ある意味均質化してゆくことは避けられない。
その中で、土地に根ざした民族文化を守ることが喫緊の課題であるという主張は説得力を持つ。
特に、歴史的に見ても数十年の文明社会の維持のために、数千年積み上げられてきた土地の記憶を捨て去ることは、相変わらず土地や風土は存在するだけに、違和感を感じるし、文明が自然に適応するためでなく、頭でっかちにバランスを欠いて進んできた危うさを感じざるを得ない。
インディアンの世界観が、現在