木谷恭介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
83 歳という高齢で断食安楽死を実行しようとした作家の奮闘記(?)ですが、軽い気持ちで読むのはお控えください。
昨今では、生活保護も受けずに孤独&餓死でミイラ姿で発見されたというニュースも聞きますが、作者の場合は生活苦で追い詰められているわけでもなく、自分の意志でという点が大きく違います。息子さんもいて自身も作家としての稼ぎもあり、離婚してからはお手伝いさんにも通ってもらって身の回りの世話も問題なく、あるのは持病の胃潰瘍や心不全ですが、あくまでもこだわるのは己の意志による断食安楽死という死にざまです。その経緯は、自身の宗教観や死生観、戦争体験、社会経験、離婚経験、政治不信、欲望減退などが複合的 -
Posted by ブクログ
平穏死関連の本を何冊か読み、私自身も死ぬなら平穏死で…と思い始めました。でも実際にはできるのか?
83歳の作家が断食による餓死に3度挑んだ記録です。
結果的には途中で胃に痛みが出て「どうやら胃潰瘍らしい」と気づきます。胃潰瘍は放置すれば胃穿孔に進み腹膜炎でのたうちまわることになる、そうなればとても安楽死にはならない。(この本では「厳密には医師がかかわっていないので安楽死ではないが」としながらこの言葉を使っています)
結局、死ぬことが怖いのだ、と気づき、そのストレスで胃がやられてのでは、と気づく。
死と向かい合ったことを赤裸々につづった本です。すごく参考になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名と断食安楽死の記録という見たことない内容に惹かれて。
『人間は寿命に従順であるべきだ』
82歳2ヶ月(!)で「女性とセックスできなくなった」ことを引き金に、
断食安楽死を決意する。
持病である心不全や、
断食の合併症である胃潰瘍からの腹膜炎での死は、
死の無駄遣いだという。だから薬も欠かさない。
変なおじいちゃんであることは明白やろ。
結局失敗に終わるねんけど、
その過程も「人間って可愛らしいなあ」って思わされる。
「飴食べたー!」「コンビニで誘惑に負けたー!」とか
ちょいちょい笑える。
断食実行中に起こった東日本大震災で、
生きたい人が死んでいく様子を見た著者。
一方で死にたいのに死 -
Posted by ブクログ
人はいつ死ぬべきか。自然主義の誤謬が得意(?)な僕としては、人の死のタイミングが気になってしかたないのだけど、この本は、そういうんじゃなくて、もうかなりの年なのに、奥さんに性行為を拒まれて離別し、そして勃たなくなったのを大きなきっかけに死にたい、という…入り口間違えたかな。
何度かの断食死への過程で、救急車を呼んだり、胃が痛くて病院に行く。コンビニで食料を買っちゃったりする。老人が生きてたら迷惑だ、医療費がかかるみたいなことをいいながら、生きながらえるために医者に行く。
なんなんだろ。
息子にも怒られ、医者にもたしなめられる。鳩山由紀夫のようになりたくない、民主党に裏切られたといいながら、オチ