山崎章郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(事実だとしても)あまりにも作為的で読んでいて恥ずかしくなる「息子へ」章を除けば、星5つレベルの名著でした。現役医師が書いた本ですが、とにかく文章が素晴らしい。病院関係者はもちろん、一人でも多くの人に読んでほしい作品です。
さて、本書のメインテーマは末期ガン告知についてです。実態として、多くの医療者も家族も、患者に真実を伝えることがタブーとなっており、たとえ確実に死が近い状況でも、闇雲に励まし、とにかく患者の命を1分1秒でも延ばすことが最優先されています。その弊害は、患者が死を受け入れる為に必要な準備期間を奪い、患者自身の置かれている体の状態と医者の説明とのギャップを埋められない不安や疑問と、そこから派生する医者や家族への不信感が募ることです。その結果、患者は闘病に加えて、得体のしれない別のモノとの闘いも強いられます。
そして、何十人もの患者の死に立ち会った著者はこう考えるようになります。
「明らかに死期の迫った患者への蘇生術は、患者が安らぎの世界に入ることを強引に妨げているだけかもしれない。それら蘇生術のほとんどが医療側の一方的な自己満足だったのではないか。病気に対する最後の抵抗を示すことで、患者へではなく、家族へのせめてもの誠意を見せようとする見せかけの行為なのではないか。主役は死んでいく患者で、それを見守るのは家族や親しい者たちであるべきなのに、医療者は、患者とその家族にとってもっとも厳粛で人間的であるべき最後の別れの場に、三文役者のように我が物顔で登場し、大切な家族の時間の大半を、蘇生術で奪っているのではないか。」
こうした医療関係者の真摯な言葉を聞くと(既に四人に一人ががんで亡くなっている現況下で)、果たしてがん告知をためらうことで、正常な意識のうちに家族と向き合う機会を先送りしたり、意識のない状態での延命処置自体が本当に患者の為になっているのだろうか、という疑問は湧いてくる。
ちなみに、海外での告知問題はどうなっているのだろう?
例えば、訴訟大国アメリカで、逆に真実を告知しないことで奪われる自己決定権という人権侵害の可能性もありそうだし。
結論的には、日頃から家族間でこうした点を率直に話し合って置くべきというあたりに落ち着くのかな。 -
Posted by ブクログ
医師と患者の葛藤(前半)
著者の体験・実践(成功例)
医師と患者の間に、人間としての信頼関係があるならば、やすらかな死を迎えられると思える。
そんな思いが、著者の終末期への考え⇒ホスピスへつながって行くと思える。
雑記
病院で死ぬということ
18
書き方表現方法が、本人の心情はわからないがマイナス。事実のみを記す?著者の心情は表現記載の
32
臨床患者に対する蘇生術。医療者の義務と考えている。救急と末期では違う。死に行く人に対する、優しさも、畏敬の念も、哀悼も無い。延命至上主義の医学教育、人間の尊厳を冒す行為。
38
脅迫
実話なのか?
日野原医師の病理解剖、82%、すごい!
52
解剖⇒移植へ話を変えたか。
66
主治医と患者。痛みに関する、心理の脚色のしbyすぎではないか?家族への影はないなあ。
68
徐痛方法を知らない。時代背景がありそうだ。物語から、麻薬系鎮痛薬、1ショットだろうか?疼痛管理の現状では、知らないということはありえない。また、大学病院で末期、これも無いのではないか?とともに、心理的な影響から、量が減る例は、自身でも聞いたことあり。
82
長期入院では、家族の(心が)疲労する。自分を理解できないという表現は、適切なのだろうか?
84
治療法の問題があったのか、システムに問題があったのか、(家族との)コミュニケーションが問題か、エピソードの意味は理解に苦しむ。(押入れでの死、年金を受取る見舞い)
89
病院での個人の死、医療システムの中に埋没してしまう。
96
死ぬ瞬間
キューブラロス
97
医師は一般人と考えが違う
99
医師の義務とは。蘇生術を行うことなのだ。(当時は)
100
臨終という戦場。
蘇生術。
そして、戦う相手が違うということ。
103
患者の=死への尊厳はあるのか?
112
その人固有の人間としての存在が尊重される。
126
現実にあるかと驚く。意志は生命を輝かせる、気力、根気、つきた。価値ある時間。夫の病状はどうなったかも気になる。
174
臨終間際は入院は、家族のエゴでは無いだろうか?ホスピスの前進と教えた。
206
「息子へ」
家族の信頼、医師と患者の信頼、素晴らしくも、美しくもあり、清く尊いと感じた。妻の看護も献身的であったのだろうが、遺書を渡されたのが娘ということで、16歳、重圧ではなかったのか?と思えた。しかし、それを乗り越えてられた程に、愛があったのだろう。泣けました。
220
宗教観、著者は良く見て、真情を捉えている。ホスピス⇒行き着くところなのか?という想いである。これが病院ではないところの、著者なりの回答なのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ医師が、死を迎えた人に対し、どう対応すべきか、家族はどうすべきか。
できるだけ無駄な延命を行わないこと、穏やかな最後を迎えること。
そのためには、ホスピスを。
ということを事例を交えながら書いてある。
前半の事例は、そうはなりたくない事例。
後半の事例は、参考にしたい例。
事例は、末期がんであった人々であるため、告知が重要なキーになっている。
以前は、告知はして欲しいと思っていた。
告知されると、否が応でも体調を気にしなければいけない。
そう気がついてから、告知はしてくれなくていい。と考えを変えていた。
これを読んだら、さて、どうするかなぁとまた考えることになった。 -
Posted by ブクログ
著者の山崎章郎先生が運営されていたケアタウン小平の在宅医療で母の看取りをしていただき、その後遺族会に入会し、今もケアタウン小平とのお付き合いは続いている。
母はケアタウン小平での在宅医療に切り替えてから2週間余りで他界したが、ちょうどその時山崎先生は大腸がんステージ4の診断を受け、患者数を抑えながら在宅医療を続けられていた時期であったことをこの本を読んで初めてしった。
今振り返ると山崎先生の夜勤は少なく、ほかのA先生とI先生がよく診療に来ていただいた。最後の死亡診断書もA先生に書いていただいた。山崎先生の病状を考えほかの2人の医師が一生懸命フォローしていたのだ。母の場合は希少癌で効果的に効く抗がん剤はない上に、気づいた時はもう治療の施しようがなかったため、最初から緩和ケアを勧められ、母もそれに応じたため、標準的な抗がん剤治療はやらぬまま緩和ケアに入ったが、山崎先生が既存のがん食事療法の組み合わせを考案されたケトン体やクエン酸等の食事療法、少量抗がん剤治療の組み合わせ治療を教えていただければ私も母にその食事を作ってみたかった。
ただ、正直緩和ケア医である山崎先生のような方でもご自分ががんにり患し、ステージ4ともなると標準治療以外の方法に縋り付きたくなるのかということに少なからず衝撃を受けたとともに、標準的な抗がん剤治療の過酷さを思い知らされ、一度はあきらめたがん保険加入検討が再び再浮上してきた。ケアタウン小平を創業された山崎先生は自分の命は自分だけのものではないことを知った。と書かれていたがまさに同感。ケアタウン小平の灯を消さないためにも、ほかの病院に経営母体を移されたのも賢明だし、山崎先生には最後のライフワークとしてステージ4レベルの患者でもがんと共存できる治療法の探求は頑張りつづけて一つの治療法として確立させてほしい。