あおのなちのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いつ戦争に投入されるかも知れない世界を背景にしつつ交流を深めるシーナとミミ
また、前巻ラストで明かされたミミの異形さを思うとシーナとミミの穏やかで優しい日常がどれだけ薄氷の上に成り立っているかが判るね
ただ、シーナにとってミミの存在はやっぱり無邪気なだけじゃないとも伝わってくるのは残酷
頻繁に戦争に駆り出されるミミの姿はシーナにミミの異様さを思い知らせるし、その影で「自分は呼ばれなくて良かった」という暗い安堵が自分の中に広がっていくのも感じられてしまう
これらの感情はただでさえ、学校に馴染めていなかったシーナを蝕むもの
そういった静かな侵略が続くと思っていただけに『友だち』というキーワード -
Posted by ブクログ
戦争に駆り出される少女達が住まう学校が舞台の作品。と言っても第1巻の段階では実戦に投入される場面はなく、どちらかというと自分たちの命がふとした拍子に消費されてしまう現実に納得行かないけれど、逃れようがない現実を生きる少女達の心情がメインとなって描かれている印象
学校の仕組みに納得が行かず、かといって同室の少女の喪失に憤ることもできず
そんなシーナの前に現れたミミは明らかに異端と言える存在。血まみれなのに天真爛漫、誰よりも強いのに無知
シーナとミミは交流を深めていくけど、百合要素は薄めなのかなと思っていたましたよ。あのシーンを見るまでは!
相手の傷を癒やす最良の方法がキスって!あの光景が描か -
Posted by ブクログ
今日もこき使われる、お人好し主人公。
そんな彼の家から、父親が倒れた、との知らせが。
野生に餌付けをしてはいけません。
それは双方にとって、とても不幸な現実が
待ち構えているから。
そして毒舌金持ち息子は、己の楽しみのため
主人公と一緒に飛行機に乗って北海道まで。
ここにくるまでに、道民が聞いたら怒るような
発言をしています。
安定感のある毒舌…w
犯罪者に間違われてみたり、狼を見たり。
ヨウム、という種類の鳥がいるのも初めてしりました。
最後には盲導犬と…毒舌の母親。
びっくり、という現実でしたが、過去を知って
なぜあれほど固執していたのか、に納得。
多少は克服できたのやも、知れません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ佐竹さん2作目。
前作が凄く好みの内容だったので、期待して購入。
柔らかい雰囲気の表紙と、興味をそそられるあらすじタイトル、相変わらず癖の少ない文章で読みやすいです。つるつる~っと素麺のようなのどごしの良さで、最後まで一気読みしました。
受と攻、それぞれに秘密を抱えながらの不思議な同居生活の描写が延々と続きますので、人によっては退屈に思われるかもしれないのですが、私は楽しめました。
秘密の中身もBLとしてはもう使い古された感があるにはありますが、安定した展開と言いますか、先が読める分安心して読める感じです。
ハラハラドキドキこの先どうなるの!? という作品も大好きですが、疲れてる時はこういっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『あなたの世界で終わりたい』に収録されている『僕等の破片』のマイノリティ兄妹の話が入ってるということで購入。前巻に続き短編集で、相変わらず夢と現実がごっちゃになったような抽象的な描き方で読みにくかったけど、前巻よりこっちの方が好きでした。目当ての話以外の『アンの庭』、『雨』『After the Fuchsia』も良かったけど、マイノリティ兄妹の兄・静の話『二人で明けて』が読めて良かった。『僕等の破片』での静はとても苦しそうだったので、誰かに恋をして、その相手も静と同じ気持ちでいてくれたことにほっとした。叶わなかったけど、この後再会して現実で手を繋げる日が来るといいなと思うし、そうなるんじゃない