古橋信孝のレビュー一覧

  • 万葉集 21世紀によむ日本の古典

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    万葉集は学生の頃に習っただけで、初心者な私。
    読み方を知りたくこの本を手に取りました。

    短歌の読み方を知っているだけでは歌の本来の雰囲気や語ろうとしてることがわからないと思っていたので、時代背景やそこに生きていた人々の暮らしも一緒に解説してくれていて初心者にはとてもわかりやすかったです。

    序詞や掛詞は想像力を膨らませなければ気づけないような仕掛けだけれど、気づいた時に歌がぐっと深まるような感覚を覚えました。
    万葉集の楽しさの第一歩を踏み出すことができたように思います。
    また他の解説本や同時代の本も読んで、自力で読める力をだんだんとつけられることが目標です。

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    2021年04月01日
  • 誤読された万葉集

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    万葉仮名はまだ完全には解読されていません。万葉仮名の読み方が確定していないものがかなりあるんです。万葉集をやってる友達からそのことを聞いたときは驚きました。その分、歌の解釈もいくらでもできるってことで、おもしろさと証明の難しさがあります。これはそこを突いた本。

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    2009年10月04日
  • ミステリーで読む平成時代

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    読破した作品が思い返すと皆無な状態で本著にあたるのもどうかと思うが
    適当に著名な作品の解説だけ流し読みすればと、考えていたはずがなんとなく読み通せたのは意外だった。

    ミステリーと呼ぶべき範疇を途中から脱線していたり、著者の主張が表に出過ぎているきらいもあるが、多様な作品のあらましと時代背景との連関を探るという試みについては、国文学者としての下地がその面白さを担保しているかと思う。

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    2024年06月09日
  • ミステリーで読む平成時代

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    ”暗殺史”で書いた文体が固いっていう印象は、本作でも感じたこと。その点で説教ぽく感じられる部分や、主張的に相容れない部分はある。ただ、ミステリの読まれ方は、自身の趣向と相通じるものがあり、作品のチョイスや観点も首肯できるものが多かった。自分も、小手先のトリックや謎解きに興味はなく(著者もそうだ、とは書かれていないけど)、この時代にこの舞台背景だから、という設定にこそ、妙味を感じるから。畢竟、既読作については、印象に残っている者が多かった。となると、未読作も楽しめる可能性が高く、適宜参考にしていきたい。

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    2024年05月13日
  • ミステリーで読む戦後史

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    目次に羅列されたミステリー小説の数々。
    日本推理作家協会賞受賞作や江戸川乱歩省受賞作といった錚々たる作品ばかり。未読もあれば、既読もある。
    ミステリーファンにとっては、どれも魅力的な作品であり、どんなことが綴られているのかとつい手が出てしまう。
    古典文学研究者の著者は、年代別に各作品を取り上げ、社会歴史的にその要旨を論じる。
    いずれの作品もその時代を反映し、社会や時代が抱えている問題を掘り起こしていると、論評する。
    そして、ミステリーで戦後史を振り返る必要性を説く。
    一方で、作品としての出来ばえとか、人間が描けているかどうかと、辛口のコメントも容赦ない。
    ともかく、掲載されている各ミステリー、

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    2019年03月21日
  • 万葉集 21世紀によむ日本の古典

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    全く覚えてなかった万葉集。
    正直和歌って興味無かったけど、初心者にも分かりやすくもっと知りたいと思った。

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    2024年12月07日
  • ミステリーで読む戦後史

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    ネタバレ

    日本のミステリー小説が戦後史をどう捉えてきたのかを読み解いた本。

    1950年代から2010年代までの代表的な日本ミステリー小説を通して、戦後社会やミステリーがどのように変化していったのかが書かれています。

    本書で紹介されている作品はネタバレ付きで解説が書かれています。ネタバレを回避したい方は、本書の目次を見て、自分が読みたい作品がある場合は本書を読むのは後回しにした方がいいと思います。

    本書を読むと、日本ミステリー小説の変遷を一通り知ることができます。

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    2021年04月22日
  • ミステリーで読む戦後史

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    古典文学研究者である筆者が戦後に発行された推理小説からミステリーは戦後社会をどうとらえてきたかを10年ごとに時代を振り返る内容で書いてあり、戦後社会についてミステリーから読み解くという内容が新鮮だった。

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    2020年03月22日
  • ミステリーで読む戦後史

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    敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』『ゼロの焦点』が書かれ、爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代のなかで、『海の牙』や『人喰い』、騒音公害を告発する『動脈列島』などの作品が生み出されていく―。ミステリーは謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなるが、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が鮮明に浮かび上がる。はたして、ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。まったく新しい読み方で、一〇年ごとに時代を振り返る。

    ネタバレに注意。堂場瞬一の「雪虫」の記述には納得。

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    2020年01月13日
  • ミステリーで読む戦後史

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    書名に惹かれて。「はじめに」で表明されている「文学を作家の固有性からみる読み方は古典には通じない。そういう読み方は近代にばって、個人に過剰な価値を与えるようになって以降のことでしかない。」「私は文体と時代、社会の関心を中心に据えることで文学史を考えることが出来るようになった。」「そこで推理小説である。先に述べたように、文学は社会や時代が抱えている問題を掘り起こし、掘り下げようとするものである。なかでも、いわゆるエンターティメント系の小説はその時代、社会を直接反映して書かれている場合が多い。ならば、推理小説から書かれた時代、社会の問題や関心をみることができるはずである。さらに時代順に追っていけば

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    2019年03月14日