古橋信孝のレビュー一覧
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万葉集は学生の頃に習っただけで、初心者な私。
読み方を知りたくこの本を手に取りました。
短歌の読み方を知っているだけでは歌の本来の雰囲気や語ろうとしてることがわからないと思っていたので、時代背景やそこに生きていた人々の暮らしも一緒に解説してくれていて初心者にはとてもわかりやすかったです。
序詞や掛詞は想像力を膨らませなければ気づけないような仕掛けだけれど、気づいた時に歌がぐっと深まるような感覚を覚えました。
万葉集の楽しさの第一歩を踏み出すことができたように思います。
また他の解説本や同時代の本も読んで、自力で読める力をだんだんとつけられることが目標です。 -
Posted by ブクログ
目次に羅列されたミステリー小説の数々。
日本推理作家協会賞受賞作や江戸川乱歩省受賞作といった錚々たる作品ばかり。未読もあれば、既読もある。
ミステリーファンにとっては、どれも魅力的な作品であり、どんなことが綴られているのかとつい手が出てしまう。
古典文学研究者の著者は、年代別に各作品を取り上げ、社会歴史的にその要旨を論じる。
いずれの作品もその時代を反映し、社会や時代が抱えている問題を掘り起こしていると、論評する。
そして、ミステリーで戦後史を振り返る必要性を説く。
一方で、作品としての出来ばえとか、人間が描けているかどうかと、辛口のコメントも容赦ない。
ともかく、掲載されている各ミステリー、 -
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敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』『ゼロの焦点』が書かれ、爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代のなかで、『海の牙』や『人喰い』、騒音公害を告発する『動脈列島』などの作品が生み出されていく―。ミステリーは謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなるが、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が鮮明に浮かび上がる。はたして、ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。まったく新しい読み方で、一〇年ごとに時代を振り返る。
ネタバレに注意。堂場瞬一の「雪虫」の記述には納得。 -
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書名に惹かれて。「はじめに」で表明されている「文学を作家の固有性からみる読み方は古典には通じない。そういう読み方は近代にばって、個人に過剰な価値を与えるようになって以降のことでしかない。」「私は文体と時代、社会の関心を中心に据えることで文学史を考えることが出来るようになった。」「そこで推理小説である。先に述べたように、文学は社会や時代が抱えている問題を掘り起こし、掘り下げようとするものである。なかでも、いわゆるエンターティメント系の小説はその時代、社会を直接反映して書かれている場合が多い。ならば、推理小説から書かれた時代、社会の問題や関心をみることができるはずである。さらに時代順に追っていけば