斎藤英治のレビュー一覧

  • 侍女の物語

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    1985年に刊行されたこの物語の続編が、2019年、34年後に書かれた。
    続編の「誓願」を読んでから、やっと感想を書く気になれた。この、絶望的な物語に対して、この一冊だけで何かを言うことができなかった。恐怖であることはもちろんだが、2025年の今、単なるディストピア小説の域を超えた現実味を帯びている。

    「人種差別者の不安がギレアデの政権奪取の成功を許す感情的な支えのひとつになった」

    あまりにも悲しく、みじめな「女」の独白。

    クーデターによりうまれた独裁国家ギレアデの愚民政策により、女は名前を奪われて、書くこと、読むこと、学ぶこと、産む産まないの自由を奪われた。全てが変わってしまった世界

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    2025年09月19日
  • 侍女の物語

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    「自由」について考えさせられる話。
    自分に「見る自由」があるなら、「見られる自由」もあってしまうということ。好き勝手する・される「自由」から解放して、ほんとうの「自由」を得たつもりになった社会。
    男性が女性に「よかれ」と思って、「女性として生きる喜び」を堪能させる社会。
    現実社会もかすかに似た価値観になりつつある気がする。

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    2025年09月16日
  • 侍女の物語

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    ネタバレ

    ディストピアだが、近いうちに現実に起こり得ないとも思えない。
    前半は世界観の説明が多く、かなり単調で読むのに時間がかかったが、後半に物語が動き出した!と感じてからはサクサク読めた。

    日本では少子化が問題と考えられているが、(あえて「考えられている」という。)少子化対策が極まればこういうことになるのではないかと思ってしまう。

    女性の自由を奪うために、仕事と金をまず奪うというのは恐ろしい。
    やろうと思えば簡単にできてしまいそうで。
    そして、仕事と金を奪われた彼女に対し、ルークが支配的な、安堵のようなものを感じているように思われて恐ろしい。
    簡単に、守られるべきもの、裏を返せば支配を受け入れざる

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    2025年09月12日
  • 侍女の物語

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    女性が管理され、地位ある人の子を産むための道具にされるディストピア小説。

    「この世界はいったいどうなっているの?」というこの世界線の事が少しずつ見えそうで見えない。

    この物語を読んでいる最中は、とても疑心暗鬼になる。

    長い小説なのだが、その間に明かされることがとても少ないように感じる。

    これは『誓願』を読まなくてはいけない。

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    2025年08月21日
  • 侍女の物語

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    アメリカでクーデターが起きた世界で、支配者たちの子どもを生むために集められた侍女が語る物語。

    ディストピア小説とされるが、支配者から見るとユートピア小説か。

    段々とその世界が明かされていく手法と世界観は、どことなく「ザ•ロード」を思い出した。

    これで終わり?と思わされてからの最後の章には驚かされた。

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    2025年07月25日
  • 侍女の物語

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    ネタバレ

    女性が子を出産するための国家資産として管理されるディストピア小説。フェミニズム小説として名高いようだが、本書を読む限り、それは小説を形作る一要素として利用しているだけではないかと思われる。執筆時の国際情勢を鑑みるに、むしろソ連の強権政治やルーマニアの出生政策からの影響のほうが大きく見える。
    ただ、それすらも物語を盛り上げるためのパーツでしかない。著者は、世のなかが評するほどのメッセージ性は込めていないと思う。それは映画版へのラブロマンス的なドラマへの改変をかんたんに了承したことからも窺える。

    本書はどうやら政治的なイシューに関連して語られることが多いようだ。それはそれでよいとして、重要なこと

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    2025年07月08日
  • 侍女の物語

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    正直、半分読むまでなかなか入り込めなかった。
    ディストピア小説といっていいのか?こういった架空の近未来小説といえば、完全に現世とかけ離れた「理想の」世界におけるちょっと異質な主人公が、その世界の「常識」を疑い、一石投じる、といった展開が多いが、抗っているというよりも、流れに身を任せているような。それから、過渡期を扱っているのはあまり読んだことがないかもしれない。

    特定の子宮が国家の所有物となった世界の中。好きとか嫌いとか許す許さない認める認めないじゃないんだな。無機質な世界の中では、暇を持て余す夜よりも愛人契約の方がマシってことか。

    最後の最後に、ああやっぱり自分がこの本を手に取ったのは、

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    2025年07月04日
  • 侍女の物語 グラフィックノベル版

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    小説は読まねばならないリストに入っているが、気分が落ち込むこと必須なので、ぐずぐず読まないでいる。

    グラフィックノベル版なら、何日もその気分を引きずらなくてもいいと思い読んでみた。
    あらすじは、あちこちで見聞きしているので、その通りの展開。絵がなかなかこの小説にマッチしていて、おどろおどろしくもあり、スタイリッシュでもあり、不穏である。

    消滅する市町村が発表されたが、これらの市町村の首長たちは、躍起になって若い女性の囲い込みに奔走しそう。
    アトウッドが描いた世界は、ほんの数ミリしか今の世界とは違わない。すっと、いつのまにかこの小説の世界になってそう。
    そうそう、この小説の世界でもいつのまに

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    2024年05月15日
  • 侍女の物語

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    ディストピア小説だが、現実にも繋がる話  キリスト教原理主義がアメリカ合衆国大統領を暗殺し、議会を襲撃し、クーデターを起こす。

     主人公は一児の母である平凡な女性。クーデターをきっかけに人生が狂い、エリート男性の子種をもらい出産するのが役目の「侍女」という身分になる。

     キリスト教原理主義に限らず、イスラム教、儒教など女性を蔑視する宗教は様々ある。そして蔑視される女性側も、真っ向からそれに対抗する者、自分の居場所を作るために他の女性を抑圧し優位に立とうとする者、恐怖から体制に盲目的に従う者など様々だ。

     作者が描き出したこの物語の状況は、戦争のような大きな恐怖から、いじめのような身近な恐

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    2026年01月18日
  • 侍女の物語 グラフィックノベル版

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     ビジュアル絵物語でかなり本文が省略されて本編よりラクに読める。
     女にしか書けない残酷さ、の原作。
    「産む器官だけが大事」「男のほうが強いから偉い」「文字など覚えないほうが良い、料理家事でいい」「暇があれば手芸でもしとけ」「化粧もいらない」「男を敬い男に尽くせ」「(生殖を許されない)下男は男ではない」そのような〈男感覚〉の圧迫を感じながら女は生きているのだろうか/日本人観光客のケバさが見事、「あなたは幸福ですか」幸福を求めて不幸になるのはあまりによくある/秘密警察なくては強権支配は維持できない、コア支配者は禁欲を守っていない←言論統制社会では

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    2022年07月21日
  • 侍女の物語

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    ありえない世界の話とは言い切れない怖さ。
    次々と思考がかわったり唐突に終わったりするところがリアル。
    後の世界の対談がまた深みがあって面白い。

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    2025年08月27日
  • 侍女の物語

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    海外文学としては読みやすかったが、あまりにも救われなさすぎて、好みではなかった。
    自由があること、選択できることは幸せだと感じた。

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    2025年08月14日
  • 侍女の物語

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    夫と幼い娘とアメリカで暮らしていた主人公は、クーデターを境に自由を失い、子どもを産むための道具として身分の高い既婚者男性の家に派遣された。社会は一変し、女性は男性の所有物とされ、逆らう者は粛清される。かつての生活の記憶を支えにしながら、主人公は日々を生き抜いていた。性とは、自由とは、社会とは何かを考えさせられるディストピア小説。

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    2025年08月12日
  • 侍女の物語

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    女性ディストピア小説。全体的に説明が不足していて分かりづらい事と、最後まで目立った展開が無いので、読み進めるのがやや辛い本書。続編が出ており、そちらは読みやすいとの評価も多く、トライしてみる。

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    2025年08月14日
  • 侍女の物語

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    面白さがわかってくるのは半分くらいから 一応前情報があって読み始めたからまだ良かったものの、正直最初は時間軸が前後するわ、話の文脈は見えないわでかなり読み進めるのが億劫だった。
    ただ、半分くらいを過ぎてから俄然面白さが増し始め、読み終わる頃には世界観にどっぷりと浸ってしまった。
    この小説が書かれたのが50年近く前ということを考えると、当時はセンセーショナル過ぎるほどだったのでは、と思う。

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    2025年12月18日
  • 侍女の物語 グラフィックノベル版

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    一応、アメリカでクーデタが興って、アレした果てに出来たフィクションなのだが、小道具他がその辺にあるものであるためか、「著者の半生」見せられてる感じ。
    変な説得力がある。「然るべき物」しか言へないとか、子作り女性担当の人は「銃までは持たせられない」とか、どっかのカルト教団を取材して書いた感じ。
    「政府」の備品でうさみみがあった。うさみみ。

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    2024年06月24日