岩瀬達哉のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
未だ事件は終わっていない…。
2021年10月読了。
10年程昔に放送され話題を呼んだNHK の「未解決事件」で、本物の子供の音声テープを聞かされて鳥肌が立った時以来、この事件については継続的に関心を持っている。『塩の声』も面白かったがあれはあくまで創作話。とにかく真実が知りたいのである。
本書は新聞書評にて採り上げられていた為、購入。著者が十年近い歳月を掛けて書いたものだけあって、細部まで綿密に調べ上げられていると思った。脅迫された企業側の声が聞けた事が、何よりの収穫だろう。又、滋賀県警本部長の自殺のくだりは涙が出そうになった。
しかし、本書は肝心の犯人像へ迫っている告発本と云う位置付けではなく、あくま -
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小説「罪の声」は以前読んでいて映画も観ていたが、
グリコ森永事件に関しては、当時かなりの割合で新聞でキツネ目の似顔絵を見ていた…の記憶のみ。
紙面をじっくりと読んでなかったのかもしれない。
これは、ジャーナリストが12年もの歳月をかけて取材したもので年表と地図でも詳細に記している。
それだけでも世間をかなり騒がせた事件だとわかる。
そして知らないことも多く、グリコ森永だけではなく、他にも被害にあった企業があったこと。
一般市民が、犯人に拉致されたこと。誤認逮捕されたこと。
そして滋賀県警本部長の悲劇…なんともやるせない気持ちになる。
このような事件は二度と起きてほしくない。
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Posted by ブクログ
松下幸之助の歴史というより、特に戦後の日本の歴史というにふさわしいかも。盛田昭夫もすごいと思ったが、やはりこの人もすごい。やっていることのスケールと次元が違う。野村吉三郎が日本ビクターの社長をやっていたとは知らなかった。しかし、愛人との間に4人も子供がいたとは。。。
「正治さんは、頭はいいが、物づくりの経験や商売の苦労をしていない。人使いも下手。何か問題が発生すると、ただ怒るだけで、しかも居たたまれんぐらい理詰めでやりますからね、重役陣からも事業部長からもいまひとつ信用がなかった。」
<どんなに苦しくても、打つべき手はある。それが発展に結びつくわけです。艱難汝を玉にす、という言葉がありま -
Posted by ブクログ
言うまでもなく、松下幸之助は、日本における不世出の企業家の一人だろう。
しかし、少なくとも前半部分からは、なぜ、松下幸之助が日本を代表する企業を作ることができたのかが理解できなかった。
典型的なワンマン経営者、というよりもほぼ独裁、無茶なことをしては路頭に迷う寸前まで資金繰りに苦しくなる、とても優れた経営者とはいえないエピソードが多い。
おそらく、松下幸之助があれだけの企業に育て上げたのは、幸之助の異常なまでに鋭敏なビジネスに対する嗅覚があるのだということは、本書からはっきりと読み取れた。
やれAIだビッグデータだともてはやされている現在に松下幸之助がいたら何をしただろうかということに -
Posted by ブクログ
ジャック・ウェルチにしてもスティーブ・ジョブズにしてもイーロン・マスクにしても、そして我が国代表、松下幸之助にしても、経営者はカリスマとして語られ賞賛され誹謗され神なき時代の伝説になっていきますが、彼らが神話化されればされるだけ、その後を継ぐ者の矮小さは避けられないのが必然だと思います。この本は偉大な経営者の後を継ぐものたちの権力闘争とも言えないような感情的ないざこざが会社を危険な水域にまで追い込んでいか過程を赤裸々に描いていく情けないレポートです。登場人物はあまりに嫉妬と無責任にまみれたおっさん達ばっかなので会社帰りの居酒屋トークの延長線として楽しめました。そもそもの原因も松下幸之助が家庭の