ピーター・メイのレビュー一覧
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ピーター・メイ『ロックダウン』ハーパーBOOKS。
2005年に余りにも非現実的との批判を浴び、陽の目を見なかったミステリーが緊急刊行。小説の中に描かれる状況が、新型コロナウイルス感染禍の現在の状況と酷似していることから緊急刊行となったようだ。
確かに本作に描かれるパンデミックの状況は今の世界の現状と本当に酷似している。都市封鎖、マスク、仮設病院の突貫工事、医療関係者の相次ぐ感染による医療崩壊に陥る様子はまさに世界の今という感じだ。また、最初はミステリーとしてはイマイチかなと思ったのだが、終盤の怒濤の展開には驚いた。そして、まさか少女の殺人事件が感染症とリンクするとは全くだに予想しなかった -
Posted by ブクログ
警察官フィンが担当中の猟奇殺人と酷似の殺人事件が彼の故郷で起き、18年ぶりに帰郷し捜査をおこなう。
被害者はフィンの幼なじみだったため、その他の古くからの知り合い数人と久々に再会して、つらかった少年時代や苦い過去を思い出す羽目になるが、少しずつ事件の真相に近づき、最後は衝撃の結末が。。。
20年近くたっても手つかずの自然、荒涼とした大地と海。自然の描写が美しく、読んでいる間もどこからともなく風や海の音が聞こえて来そうだ。
しかしその閉鎖された田舎での人間関係はかなり複雑だ。自然のように美しいとは言い難く、人の心の機微を読み取れず、フィンの捜査は難航し、どんどん深みにはまっていくようにも思える。 -
Posted by ブクログ
重かった 表紙の絵の雰囲気からは程遠い どろどろ展開
大学生時代のフィンの行状があまりにもひどい 自分のイケメンに胡坐をかいてるクズ男 クズ過ぎる
女は産んだら100%我が子だけど、男はDNA検査せんとわからんもんね ざまーw でも、このクズ男フィン、転んでもただでは起きない ラストでそうきたか…
乱暴者アンガスが障碍者カルムにまさかのリアルエンジェル対応 それも20年間毎週? いやいや、そんなことしてたらとっくに村中の噂になってるやろ おかしいって モヤモヤ
伝統食文化を外野が抗議する 抗議団体の方々にお聞きしたい ”おめーらは霞でも食って生きてるのか?”
当初はイギリスでは版元が -
Posted by ブクログ
ここはどこだ、なぜ自分は家ではなくここにいる?重度の認知症のケアをする施設に入ったトーモッド。孤独な彼のもとを元刑事フィンが訪れる。フィンはトーモッドの娘の元恋人だった。その頃、泥炭地からは身元不明の遺体が発見されていた。被害者はトーモッドの血縁関係者だという。フィンは事件を調べ始めるが、明らかになったのは、家族も知らないトーモッドの秘密だった…忘れゆく男の記憶と想いをめぐるミステリ。
前作「さよなら、ブラックハウス」も印象に残る作品だったが、今作はそれ以上かもしれない。スコットランドのルイス島の風景描写が今回も良い。そして実に切ない結末。 -
Posted by ブクログ
あのとき自分の気持ちを素直に言葉にできていたら、
失敗したとしても、お互いの思い違いを修正するため、追いかけて、追いすがってでも時間を作っていたら
ありえたはずの未来を、他人の家庭を見守るのではなく
自分の世界にできたはずなのに。
初恋の少女の思い出と面影、ありえたはずの未来。
捨てた故郷と過去、すれ違う馴染みで親友、
若き日に光を浴びる反逆者の挫折、
爪はじきにされた者の真相。
現在の殺人事件の謎解きとして読めば、
途中に散りばめられる仄めかしと、その否定でで、
ありがちな物語だが、本当に芯になるストーリーは
過去の(謎解きではなく)
彼が歩んだ大人になるために費やした時間、代償、
青春の挫