喜安幸夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「喜安幸夫」の長篇時代小説『身代わりの娘~大江戸木戸番始末(十二)~』を読みました。
「喜安幸夫」の作品は半年振りですね… ここのところ時代小説が続いています。
-----story-------------
まだ肌寒い如月。
米沢町の小間物商い、珠洲屋の娘「お珠」は病が治癒したお礼参りに出かけるが、同道の女中「お千」が「お珠」に近づく白い蛇を目撃する。
「白蛇の現われた者は死ぬ」言い伝えに、すわ「お珠」に災難が、と一家は心配するが、それは、珠洲屋を見舞う大騒動の前触れに過ぎなかった。
頼れる木戸番の「杢之助」が町内の平穏を守るために大活躍。
人気シリーズ最新作!
-----------------------
2020年(令和2年)に刊行された、米沢町一丁目の木戸番「杢之助」を主人公とした「大江戸木戸番始末」シリーズの第12作です、、、
半年前に読んだ『狂言潰し~大江戸木戸番始末(四)~』が面白かったので買っちゃいました… 読むのが愉しみなシリーズです!
■従姉妹
■錯綜する背景
■狂言
■策謀
■因果応報
米沢町の小間物商・珠洲屋の娘「お珠」に災難の前兆が… 珠洲屋の乗っ取りを狙う悪党一味の陰謀を、頼れる木戸番の「杢之助」が解決します、、、
今回も、米沢町一丁目の木戸番「杢之助」の推理と活躍が鮮やかで愉しめる展開でしたね… 「お珠」を護ることができなかったは、ちょっと残念でしたが、この辺りは木戸番という立場上、隠れて捜査を進めざるを得ない「杢之助」としてはこれが限界、已む無しというところかな。
因果応報… 懲悪勧善の結末はスッキリしましたけどね、、、
短篇じゃなくて、一冊単位の長篇になっているところも好みですね… 「大江戸番太郎事件帳」シリーズや「大江戸木戸番始末」シリーズの他の作品も読みたいですね。 -
Posted by ブクログ
本書は、日中海戦決戦と一対を成す東シナ海有事をシュミレートしたリベラルアーツである。背景として押さえるべき日本側の事実は、陸上自衛隊の03式中SAM改がアメリカ、ホワイトサンズの試射場で10発中10発命中の好成績収め、2016年の配備により都市防空機能が向上する。ただし、多弾頭に対しての実効については不明。ペイトリオッツミサイルや洋上にあるイージス艦のSAM-3にて飛来するBMDは、確度を高めつつある。一方、ABLについては、米国で試験は成功したものの余りに高価で脆弱な747の作戦行動を危ぶむ声に開発が中止となった。今年、中国の習近平総書記は、台湾の馬英九総裁と戦後初のトップ会談を行なったその後の台湾の反響は小説の通りとなっている。習近平は、就任当初は、米国に太平洋2分割統治を持ちかけるなど、伸びゆく経済と軍備の拡張を背景に、隠すことなく東シナ海と南シナ海更には太平洋へと覇権の手を、伸ばしている。しかし、ここにきて中国経済の破綻により計算の修正を余儀なくされているようで、日本との外交窓口を復活させる動きもあるように見える。しかし、他国へのリスペクトがない中南海の基本姿勢は、小説のままであり、時宣を得て覇権主義が顔を覗かすのは目に見えており、予断を許さない。
この小説では、日中の限定的な戦闘がベトナム、インドネシア、チベット、ウイグルそして台湾と環中国の国々に伝播して、また、退役軍人の恩給問題でも追い込まれた中国政府が台湾奪取に動き、台湾人がそれに反撃することで共産党の一党支配が崩壊する構図が描かれる。
この物語に登場しない国が一つだけある。韓国である。語るに当たらないというところであろうか。 -
Posted by ブクログ
2006年上梓。2006年当時の中国で起こったこと、オリンピック開催前の用地取得、新幹線事故の隠蔽、上海で顕著に見られた地盤沈下などを巧みに取り込んで日本と中国が日中境界線で睨み合う中で不測の事態から戦闘行為が起こったことを想定してフィクションを紡いだ。安倍政権下で成し得なかった憲法改正は2025年現在未だに大願成就とはいかないが、中国での不動産バブル崩壊以降の経済低迷と米中の経済戦争により中国自体が内政にフォーカスせざるを得ない状況と欧米日の企業が脱兎の如く生産拠点をアジアに移したことから太平洋を米中で二分しようなどという軍部の法螺も聞こえなくなってきた。しかし、一帯一路をはじめシーパワー国に変貌したい中国の野望が潰えたわけではないので引き続き注意が必要であることに論をまたない。さて、本編では軍民一体となって中国の地方が蜂起し、中国が連邦国家のような状況となっていく。いわゆる、漢民族の支配体制の崩壊であるが、現時点移民政策により漢民族は地方に入り込んでおりなかなか難しい筋なんだろうと思われた。
-
Posted by ブクログ
「喜安幸夫」の長篇時代小説『狂言潰し~大江戸木戸番始末(四)~』を読みました。
ここのところ時代小説が続いています。
-----story-------------
薬研堀の煙草問屋・肥前屋の番頭「庄助」の様子がおかしい。
まじめ一本で商売熱心だった店のあるじの「壱右衛門」が、商売を顧みず柳原堤の女を囲ったことを気に病んでいるという。
「杢之助」は意外な色恋沙汰に驚くが、そんなとき、堀に「庄助」の溺死体が揚がった。
色恋沙汰を利用し肥前屋を狙う一味の魔の手が、米沢町に伸びるのを感じ取る「杢之助」だが――。
シリーズ第四弾。
-----------------------
米沢町一丁目の木戸番「杢之助」を主人公とした「大江戸木戸番始末」シリーズの第4作です、、、
ロングセラーとなった「大江戸番太郎事件帳」シリーズ(全33巻)の続篇… 「杢之助」は、四ツ谷左門町の木戸番から離れて、小田原城下に暮らし、わずか三カ月で江戸に戻り、両国広小路に近い米沢町の木戸番に就いたという展開のようですね。
■木戸番人の目
■悪のうごめき
■狂言押込み
■追跡と待伏せ
米沢町三丁目の煙草問屋・肥前屋の真面目一本で商売熱心な主「壱右衛門」が妾をつくり散財を… それを止めようとした番頭「庄助」が溺死体として発見される、、、
柳原堤の矢場の矢取り女の「お駒」を使って、薬研堀の煙草問屋・肥前屋を乗っ取ろうとする柳原堤の店頭「鎌五郎」の悪だくみを、米沢町一丁目の木戸番「杢之助」は阻止できるか!? 人に言えない過去を持つ「杢之助」が、町に波風を起こさないように、役人に知られないうちに、難事件を密かに解決に導く展開が愉しめましたね。
よぼよぼの木戸番の爺さんと見せかけて、足音をたてずに歩き、足技で相手の骨を砕く… 見事ですよねー 懲悪勧善の展開も好きですね、、、
「大江戸番太郎事件帳」シリーズや「大江戸木戸番始末」シリーズの他の作品… 機会があれば読んでみたいですね。 -
Posted by ブクログ
アジアでの有事をテーマに描かれる小説は、意外に多い。例えば、夏見正隆氏は、東シナ海有事に、取り組んだ日本人作家として佳作を残している。本作では、中国を完全に敵性国家として描いており、正邪が明確なアメリカンノベルのような読み物となっている。これを日本で出版したことが驚きである。さて、物語は東シナ海で領海問題で日中間に緊張が漂う中、中国海軍に5万排水トンの新鋭空母が進水。中国版イージス艦を従えた空母群を形成して東シナ海を遊弋している最中、空母から発進した偵察ドローンが奄美諸島に墜落、回収を企図したキロ級潜水艦から中国軍水兵が無断で日本の国土へ上陸、その後潜水艦からのミサイル攻撃により破壊に至る。日本はその一部始終を撮影していたが、時の政権が中国との関係を気にする余り、国民への情報公開が遅れてしまう。この、潜水艦の浮上時にインドネシア、ベトナム、日本の友好海洋プロジェクトの古代船が転覆し、死傷者が出る事故となったにも関わらず中国船からは救助がなされず、国際的な反中国のウネリが起こりつつあった。一方、中国では軍の効率化による縮小に伴い、退役軍人が禄に恩給ももらえず、政府に対して抗議が拡がっていた。まさに内憂外患の状態である。中国政府がこのようなガス抜きに歴史的に日本バッシングを行ってきたことは、周知の通りである。近年、軍備を拡充して自信を深めた中国は、先島諸島から琉球列島は、琉球王朝のものであり、日本から解放するという現実社会でも最近よく聞く、沖縄は中国領土というテーマであった。対する日本は、外交オンチの民主いや民衆党から民自党へスイッチして若干、超法規の解釈を加えながら事にあたる。戦闘の場面では、BMD用の新兵器も飛び出してややティル・ブラウンの作風になっているが、ギリギリ小説としての品格を保っていて、やや今日が覚めてしまう向きもあるかもしれないが、これも小説としてのご愛嬌である。日本の知識層がこの物語をあり得るケースとして受け止めることが大切のように思う。習近平の政権になって、中国は自らを大国としてアメリカとさえ渡りをつければ、何をしてもよいと奢り高ぶっているように思える。太平洋の半分まで自らの覇権が及ぶという考えまで飛び出しているやに聞く。このような中国の振る舞いに現政権は、よく対応していると思える。中国が南シナ海や東シナ海でさらなる攻撃的な行動に出ないとも限らない。頭の中の訓練にはなかなかよくできている。