R・L・スティーヴンソンのレビュー一覧
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前回のロビンソン・クルーソーに続き福音館書文庫 古典童話シリーズの坂井晴彦 訳で読む。
岩波少年文庫の海保眞夫 訳、どちらも絶妙な訳でした。わかりやすいけど、時代に合った少し芝居がかった言い回しが良い。
挿絵もどちらも捨てがたく。
文句の付けようのないワクワク感に溢れたストーリーがお見事。
この本は、スティーブンソンの再婚相手の連れ子である息子のロイドが描いた、一枚の島の地図から始まったということ。
その絵に色を付け、文字を書き込み「宝島」と記し、スティーブンソンが作った物語を息子のロイドに聞かせたことが始まりでした。
毎日少しずつ息子に話して聞かせるうちになんとスティーブンソンの父親まで -
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ハワイ島に住んでいる男、話の中ではケアウエと呼ばれる水夫の世にも不思議で力強い物語。
彼はサンフランシスコで、美しいお屋敷に住む男から一ぴきの小鬼が入っている瓶を買った。その瓶は、寿命を延ばす以外は持ち主の願い事をなんでも叶えてくれるという。ただ一つの欠点は、瓶を売る前に持ち主が死ぬと永遠に地獄の炎で焼かれるということである。しかも、自分が買った時より安くしなければ売ることが出来ない。
瓶のおかげで、ケアウエは、ハワイに庭付きの立派な家を持ち、その後、瓶を水夫仲間のロパカに売って、幸せに暮らしていた。ある日、ケアウエは友人宅からの帰り、浜辺で美しい娘コクアと出会い、二人は恋に落ち、結婚する約束 -
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159年前の1850年11月13日、スコットランドはエジンバラに生まれたロバート・ルイス・スティーヴンソンの名前は、私たち8人にとって2つの名作『宝島』と『ジキルとハイド』によって、生涯忘れられない小説家として存在しています。
あの、わくわくドキドキして物語の世界に没頭していた至福の時、読んだ感想を読書仲間と大はしゃぎしてお喋りした至福の頃、もうあんな読書体験は二度と味わえない稀有なものだと思います。
そういう体験を、ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』や『海底二万里』、ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』やブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』、ジョナサン・スウィフトの『 -
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ネタバレ何でも願いを叶えてくれるけれど、
奇妙な決まりのあるびん…。
貧しいが勇気と行動力をもつ男、ケアウエ。
彼はある日サンフランシスコの港町を散歩しているととある老人に出会う。老人は立派な家に住んでいるのに大きなため息をついていた。その理由を問うと、何とか小さなびんを所有していることが原因だという。
実はそのびん、奇妙で厄介なルールがあり、色々な人の手を渡ってきたものだった。
そのルールとは…
ーこのびんは必ず、買った値段より安い値段でしか売ることができない。買ったときと同じ値段で売ったら、もとの持ち主のところへ戻ってくる。
そしてびんを売る前に持ち主が死んでしまうと、その人は永遠に地獄の炎で -
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はらはらしながら読み進められて楽しかった。所要時間1時間半ほど。
読んだ直後は「あーよかった」だけだったが、最後の訳者あとがきでこの物語の奥の深さに気づくことができた。
宝くじを当てて人生が狂う人と同じように、主人公もおかしくなるかと思ったが人への愛情のためにそうはならなかった。これは自己犠牲、隣人愛の精神によって地獄行きから免れることができるということなのだろうか。
話の途中、咳をしている老人との売買契約の際に、老人の願い事によって小鬼の呪いが消えたのではないかとも考えたがどうだったのだろう。またびんを手にして願い事をかなえ、びんをうまく手放した人たちはその後どうなったのだろう。幸せになった -
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ネタバレ19世紀末、船の時代に南太平洋の島々を舞台に書かれた話。ハワイはまだ独立国家でした。そのハワイにケアウエ(仮名)という男がいた。彼は船乗りで、サンフランシスコに立ち寄った際に美しい瓶を50ドルで買った。その瓶には悪魔が入って降り、持ち主の言うことは何でも叶えてくれるという。ただし、欠点がある。瓶の持ち主は瓶を売る前に死ぬと永遠に地獄の炎で焼かれるという。そして、瓶は自分が買うより安く売らねばならない。売り買いは硬貨でしなくてはならない。売るときには瓶のルールを説明しなくてはならない。
びんの悪魔をめぐる物語。なんでも願いが叶うからといって、幸せになれるものなのか。
「宝島」でおなじみのステ -
- カート
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試し読み
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本邦初訳! 前作『新アラビア夜話』の続きの物語ですが、この本から読み始めたとしても問題ないように、冒頭に押さえておくべきポイントとして「注意書き」が作者からのメッセージとして入っているのが親切ですねw
今回のストーリーは、前作の主役だったフロリゼル王子は脇役に引っ込み、金はないが暇を持て余ししてる三人の若い紳士を中心に物語が展開される。思わぬところから「爆弾魔」と因縁を持つことになる三人が、ボンクラながらがむしゃらに突き抜けていく感じがコメディ風味もあり面白かった。
前作「新アラビア夜話」は同じ翻訳者さんで光文社古典新訳文庫から出ています。そちらも陰謀活劇もので面白いのでオススメ。 -
Posted by ブクログ
ハワイに住むある男が、船乗りになって生活していたが、ある時、こんな素敵な家に住めたらなぁ。と思うような立派な家の窓に、沈みきった顔の主人を見る。それが、運命の始まりだった。
家の主人は、小さなびんがどんな願いも叶えてくれ、この家もこの豊かな暮らしも手に入れることが出来たのだという。しかし、びんの中には悪魔が入っていて、このびんの持ち主のまま死ねば、天国へは行けず、地獄で火あぶりにされてしまうという。このびんを手放すには、買った値段よりも安く売らなくてはならない。勿論、どんどん値は安くなり、次に売れないほど少額になってしまう。どこかへ置いてこようとしてもすぐに戻って来てしまい、叩き割ろうとしても