天野頌子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「じいちゃん、これどのくらい読んだの?」
「ほとんど読んだよ」
「まじか、すごいな」
漫画以外の本をまったく読まない瞬太は、感嘆と驚愕のまじった声をあげた。
「もしかして祥明も?」
「ヨシアキも子供の頃から、よくここにこもって本を読んでいたけど、せいぜい半分か三分の一だね」
「子供の頃から?」
「普通の男の子がやるような、サッカーやキャッチボールはあんまり好きじゃなくてね。雨の日はもちろん、晴れた日にも一人で本を読んでいたよ」
だから陰陽屋なんて妙な商売をはじめる大人になったのか、と、瞬太は納得する。
「そういえば、最近、ヨシアキの様子はどうかな?」
「あいかわらずだよ。面倒くさがりだし、子 -
Posted by ブクログ
“「あ、そうだ。おれ、どうせ授業中も寝てばっかりだし、高校やめちゃうっていうのはどうかな?」
「「絶対だめ!」」
みどりと吾郎は同時に言った。
「えー……いいと思ったんだけど……」
「あたりまえでしょ!せっかく奇跡的に都立に合格したのよ」
「陰陽屋さんに就職するっていうならまだしも、一日二、三時間のアルバイトのために高校をやめてどうするんだ。ちゃんと将来のことも考えなさい」
「うん……」
両親に異口同音で反対され、高校中退案はひっこめざるをえなかった。
「それに、高校をやめたら、もう三井さんにも会えなくなるわよ。いいの?三井さんと一緒の高校に通いたくて、飛鳥高校を受験したんでしょ?」
「か、母