秋山虔のレビュー一覧
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『源氏物語』の物語世界の構造についての解説がおこなわれるとともに、それを生み出した紫式部が、王朝時代の女性たちの生きかたに対して向けていた批評的なまなざしとのかかわりのなかで解釈をおこなっている本です。
前半では、『源氏物語』のストーリーが「紫上」系と「玉鬘」系の二つの系列から成るという研究成果にもとづきつつ、それぞれの物語の構造の解説がなされています。
帝の寵愛を受けた桐壺更衣の息子として、たぐいまれな資質をもって生まれた光源氏が、亡き母のおもかげを求めて藤壺更衣との禁断の恋に落ち、また弘徽殿女御を中心とする派閥との対立のなかで進展していきます。著者はこうしたストーリーの展開において彼が -
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「源氏物語」成立論は、まるで推理小説のように面白い。
「源氏物語」は、どのように書かれたのか?
紫式部がスラスラと書いたように思っていたら大間違い。
本書は、世間ではほとんど知られていない「源氏物語」の発生史の面白さ、未だに残る謎を教えてくれて、目から鱗がボロボロと落ちまくる。
1. 紫式部は何人いたか?
大体、研究者たちは「紫式部は何人いたか?」などと議論しているのだ。
この問自体が驚きではないか。
しかし、その問の根源を確認していくと、それも当然だと思えてくる。
あれだけの大作を、それも時代を経るにつれて深化してゆく複雑な小説をたった一人で書くことなど出来ない、という思いがその問いの根元 -
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円仁。最澄の弟子。念仏を唐から持ち帰る。847 平安初期。
空也(903-972)。京都の市中で浄土教を広める。市聖いちのひじり。平安中期
極楽浄土にいって生まれ変わる。その方法には色々ある。その中でも念仏を私は勧める。他のやり方を否定はしない。ただ男女貴賎はさまざまで、念仏以外の方法を十分に行えるわけではない。字の読めない多くの貧民。念仏であれば横になっていても座っていてもできるし、時や場所も選ばない。難しくない。人が死を迎える直前に、極楽浄土にいって生まれ変わりたいと望むとき、念仏に及ぶものはない。▼九品くほん。浄土は9つのランクに分かれている。どこに往生できるかは生前の行いで決まる。 -
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源氏物語の復習のために読む.
源氏物語のあらすじを知るためにこの本はたぶん向いていない.一度通読した人向け.この本で読む源氏物語は著者の内部でより劇的に増幅されているような印象を受けた.ときどき引用される原文には訳が全くついていないので,私には意味がほとんど分からない.難しい.このように難しめなので,専門的な入門書といった位置づけが適切かもしれない.
紫式部がこの物語を執筆した背景や,物語にこめたメッセージの読み解きがあって,素人の私にもそれなりに興味深い.
1968年初版.時代を反映してか不必要に難しい言い回しがあったり,読めない漢字があったりする.解説のない専門用語も散見.こういう本は