船曳建夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
学問」とは――
から始まって、学問するためのいろんなアプローチの仕方を、カタログみたいに編集した本。要するに、「おっちゃんたちの仕事をよく見とけ!」って感じでダダーッとその道のプロが出たり引っ込んだりする中で、「ははあ、なるほど、学問てこんな感じなんスね」と、なんとな〜く(?)わかったような気分にさせてくれる本です。
東大の教科書っぽく、あまり堅苦しくなく、マドンナのヌードとかそんなとこから論が始まったりします。
続編の『知の論理』『知の倫理』も、「知」を単なる自分の考えで終わらせることなく、より深めるにはどうすればよいのか、よく考えさせられる内容です。(特に『知の論理』は、自分の物の考え方がどんだけ幼稚なのか思い知らされた) -
Posted by ブクログ
面白かった。
自分は理系の人間で、はっきり言って文系の学問の有用性を見出すことが出来ていませんでした。
(失礼ですみません。)
中身としてはかなり古いので、今の時代には即さないのですが、あー、文系の学問ってこんなだったのか、これならやってみても良いかも。と思いました。やはり第一人者の方が執筆なさると、学問の深みが伝わってくるのですね。
所々分からない所もありましたが、自然を研究するのは理科系の学問がBest、人間の何たるかを知ろうと思うと科学では割り切れない、文系的な研究が必要、という感じがしました。
少々読み終えるのに力(りき)が要りますが、講座に分かれているのでつまみ読でも全然問題ありません。
現代版が出れば間違いなく星5つです。 -
Posted by ブクログ
大学の時に読みたかった。様々な考え方を知れるという点では今でも価値がある。
はじめに
第Ⅰ部 学問の行為論ー誰のための真理か 小林康夫
第Ⅱ部 認識の技術ーアクチュアリティと多様なアプローチ
[現場のダイナミクス]
フィールドワークーここから世界を読み始める 中村雄祐
史料ー日本的反逆と正当化の理論 義江彰夫
アンケートー基礎演習を自己検証する 丹野義彦
[言語の論理]
翻訳ー作品の声を聞く 柴田元幸
解釈ー漱石テクストの多様な読解可能性 小森陽一
検索ーコンコーダンスが開く言葉の冒険旅行 高田康成
構造ードラゴン・クエストから言語の本質へ 山中桂一
[イメージと情報]
レトリックーMadonnaの発見、そしてその彼方 松浦寿輝
統計ー数字を通して「不況」を読む 松原望
モデルージャンケンを通して見る意思決定の戦略 高橋伸夫
コンピューティングー選挙のアルゴリズム 山口和紀
[複数の視点]
比較ー日本人は猿に見えるか 大澤吉博
アクチュアリティー「難民」報道の落し穴 古田元夫
関係ー「地域」を超えて「世界」へ 山影進
第Ⅲ部 表現の技術ー他社理解から自己表現へ
0.表現するに足る議論とは何か 船曳建夫
1.論文を書くとはどのようなことか 門脇俊介
2.論文の作法 門脇俊介
3.口頭発表の作法と技法 長谷川寿一
4.テクノロジーの利用 長谷川寿一
5.調査の方法 長谷川寿一
結びー「うなずきあい」の18年と訣れて 船曳建夫 -
Posted by ブクログ
序、第一章が議論の意義および下地となる基礎的な条件の確認。
第二、三章が肝となるモデルの解説で、第二章で「国際日本」「大日本」「小日本」という三つの日本国家モデル、第三章で地政学的位置にある日本にとっての三つの主要勢力が扱われる。
第四、五章は第二次大戦後から第一次イラク戦争までの日本の歩みを、国家モデル(の指向)と三勢力との関わりから読み解く。
第六章では三勢力の一つであり、戦後、特別な関係にあり続けてきたアメリカとの関係をとくに憲法第九条と集団的自衛権に焦点化して論じる。
第七章は、三つの国家モデルいずれをも主軸としない、しかしながらいずれをも使い回し補完しあいながら体制を定めるという「中庸国家日本」としての戦略を示す。
歴史的にも、日本は三つの国家モデルのいずれかのみを選択し他を一切排除してきたわけではなく、ときに戦略的に相対する主要勢力によって使い分け、ときに意図せずあるモデルをとってきた。
著者自身があとがきで書いている通り、右翼や左翼、保守や革新といったレッテルが意味を成さないばかりか、そうしたレッテル貼りこそが議論を混乱させる主要因と思えるなかで、三つの国家モデルは分析のための装置として(少なくとも旧来のレッテルより)有効に機能するのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
学校の「探究」という授業で多く参考にさせてもらっている(生徒それぞれが中1から自分の好きな「疑問」に対し、オリジナルの仮説を考えて考究していく課外的授業)。研究活動や手法の「入り口」「ケーススタディー」を示している書。さまざまな研究分野の先生が執筆されているので、バランスもある程度取れている。勿論中高生には難解な部分もあるが、身につけて欲しい研究的スタンスはこの書籍に満載されている。『知の技法』以外にも「続編」が出ている。「自分が疑問に思った内容に対して、よりよい接近方法(解決方法)は何か」―――掲載されている研究手法や課題に対する接近方法など、勉強していきたいと感じさせてくれる一冊。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か―。
左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。
著者は、過去五百年の歴史をふまえ、「国際日本」「大日本」「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝。
さらに、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方が、日本の命運を握ってきた、と考察する。
そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議への対応策を導き出す。
地政学的発想から描いた独創的な日本国家論。
[ 目次 ]
序 なぜ、いま「国家論」なのか
第1章 右であれ左であれ、あなたの日本
第2章 国際日本・大日本・小日本―室町から戦前までの日本の国家モデル
第3章 中国・ロシア・西洋という脅威―三つの主勢力による東アジアの地政学的環境
第4章 戦後日本の夢と現実―敗戦から第一次イラク戦争まで
第5章 右も左も傷ついた「戦後・後」の日本―冷戦終結・バブル崩壊・第一次イラク戦争
第6章 戦争をしない方法、勝つ方法―集団的自衛権・憲法第九条の問題
第7章 「中庸国家」という日本の針路―世界とどう向き合うか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]