森下典子のレビュー一覧
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京都市北区の喫茶店 鑑真和上の弟子 ポルトガル枢機卿すうききょう 欲情に塗れて享楽的な人生を送ったから 早世そうせい 夭逝ようせい 護摩火の前で ポルト銘酒ポートワインの本場 さいゆう彩釉テラコッタ 男色文化 カストラート去勢歌手 バチカン礼拝堂合唱団に実在した デジデリオ(欲望) 教会のせんとう尖塔や鐘楼しょうろう 古典の造詣ぞうけい深く きゃしゃ華奢な男がダイナミックな作品を作ったり 博識奔放 長身頑健の美男子 冷たい鑿のみ打ちの音が響いていた しょうふく妾腹の子という生まれに対する劣等感の裏返しであった そうした善悪の彼岸ある愛を せいちゃく正嫡 梅毒に罹った者は デスマスクを元に 情感や陰影を表現できる天才だった 再生(ルネサンス)の讃歌 弟の瞼を指でそっと閉じさせ 滂沱の涙を流しながら 弔いの鐘が鳴った いとうせいこう 人類の持つ知能それ自体の快楽原則がそこにはある 現実を侵す力があるからこそ存在価値がある 二重性を二重性のままに甘受させる力を持っていなければならないのだ
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前作が本当に楽しかったので、喜び勇んで読んだ。「いとしいたべもの」ほどの共感を持たなかったのは多分私と森下さんの、ティーンの頃の生活経験が違うためで、面白かったけれど、サラリと読んだ。
横川の釜飯は、私には小学生の頃、車で東京から軽井沢へ向かい、家族で別荘に着く前に頂く、腹ごしらえの味であり、焼きビーフンは、土曜のおいしいお昼ごはんだった。ワッフルはかつての恋人が、ここのは美味しいんだよと銀座で焼きたてを買ってくれて、車の中で頂いた味。
経験が味の共感をつくるのだなということを教えてくれる一書であった。
ともあれ。
この方の視線のやわらかさ、落ち着いた筆致は、さすがで、読んでいる間、お煎茶やほうじ茶などあたたかいお茶を淹れて、ゆったり読ませて頂いた。