仲村清司のレビュー一覧
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著者は大阪生まれ・大阪育ちのウチナンチュ2世で、今は沖縄に移住しているというプロフィールの持ち主。
そういう生い立ちを持つ筆者ならではの視点で、ときには沖縄の内側から、ときには外側から、沖縄が抱える問題、否、日本が抱える沖縄問題を真正面から論じる。基本的には沖縄に寄り添いつつも、沖縄人にありがちな、ナイチャーを受け入れない排他的な態度を批判する。
沖縄問題の何が本当に問題なのか、「構造的差別」とは何なのか。国民的な問題意識の不在という沖縄問題の本質を見落としている「現実主義者」を自称する人にこそ読んでほしい。沖縄問題を「しょうがない、どうせ解決しない」とニヒルになっている沖縄県民にもぜひ。 -
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<目次>
第1章 嘘~京の茶漬けとイケズとテーゲーと
第2章 歩~散歩と渡来人と多様性と
第3章 郷~カウンターと郷土愛とお笑いと
第4章 道~昆布と富山の薬売りと始末と
第5章 飯~チャンポンとピネライスと弁証法と
第6章 甘~向田邦子と松風とまちかじと
第7章 書~読書家と檸檬と検定と
第8章 魔~シーサーと鍾馗さんと魔物の正体と
第9章 戦~空襲と京都の塔と原爆と
第10章 絆~念仏踊とエイサーと三条大橋と
<内容>
沖縄生まれ京都育ち(というか在住の)著者による、京都と沖縄の分析本。両地域はよく似ているという。その分析なのだが、確かにと思った。シーサーと鍾馗さんの -
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沖縄の基地問題はかつての鳩山首相の「最低でも県外」という言葉以降、よりクローズアップされるようになった。県土の多くを外国軍隊の基地が占め、時に不良兵士による事件が起こる。沖縄が最重要問題として解決に努力するのは当然だ。
しかし、沖縄、特に現在の知事の対応を見ていると、もうちょっとうまいやり方があるのではと、思ってしまう。反政府発言ばかりじゃなく、政府をおだてて、補助金をもらい、それを県民の福祉や教育、就業率向上に充てるとか。原発やゴミ処理施設の誘致と同じように考えることもアリなのでは。そんな考えは本土の失礼極まりない勝手な妄想なのだろうか。
本書の著者は本土で生まれ育った後、1996年より -
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最近、沖縄についての本を読む機会が多い。でも読めば読むほど問題の複雑さ、解決の難しさを感じてしまう。
この本も沖縄に移住した沖縄2世の著者が、これまでの沖縄の歴史と現在の状況を踏まえ、日本本土と問題の認識の違いを考察している。
沖縄と言えば、毎度のように基地問題が取り上げられる。これまで日本政府は基地問題の解決を口にするが、未だに解決の糸口も無い。それは、沖縄の地勢的な観点で、周辺国との国境に位置しているため、軍事戦略的に重要な場所に位置しており、歴史的に他国からの干渉を受けやすかったことに起因している。それにより
日本を含めた他国の侵略を受け、差別されるという歴史にもなっている。大阪に住んで -
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普天間の米軍基地の辺野古移転については、マスコミでよく見るし、沖縄が戦後68年をへてもいまだに多くの問題を抱えていることは知っていたが、本書は、その詳細な現状について報告している。
本書で読む多くの米軍基地を抱える「沖縄」の現状は凄まじい。
「米軍基地から派生する事件・事故は1545件(1972~2010年)・・・犯罪検挙件数と交通事故数のすべてを合わせると9838件に上り月平均にすると約23件になる」。ひどいものである。
「軍用地料」や「基地関連収入」などの経済問題も「観光」ともからみ多くの問題を抱えていることがよくわかる。
しかし、本書は「沖縄問題」のみをあつかっているが、それの