中田浩資のレビュー一覧
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下川裕治が仏教に関心があるとは知らなかったが、三蔵法師こと玄奘がたどったとされる行路を鉄道、バス、乗合タクシーなどを使って、相変わらずの貧乏旅行をした旅行記。
玄奘の時代も旅のリスクは大きかっただろうが、現代も国境問題があってアフガニスタンに入れず一部行程を断念したり、中国のウイグル地区では中国政府によるやたらと厳しい検問や外国人のホテル利用制限に苦労したりした。特に、新疆ウイグル自治区におけるウイグル族への監視は、最近も世界各国から批判されているが、相当厳しく抑圧的であったようで、著者も「魔王がいる」かのようだと言っている。
それに比べると、キルギスやウズベクあたりはかなり自由な感じらしい。 -
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夏の北アルプス、吹雪の日本海、里山の無人駅―超ローカル線の車窓をぼーっと眺め、昭和の名残漂う駅前旅館に泊まる旅。JR地方交通線「身延線・大糸線」「水郡線・只見線」「日田彦山線・久大本線・豊肥本線・肥薩線」「鳴門線・牟岐線・徳島線・予土線・内子線」「陸羽東線・陸羽西線・五能線・津軽線」「留萌本線・宗谷本線」のほか、台湾・韓国のローカル線と駅前宿の旅コラムも収録。(表紙裏)
海外紀行作家・下川祐治さんの、珍しい日本紀行文。
シリーズのように読んでいた貧乏旅行と違い、制約があまりないので、いつもの七転八倒するような面白さは薄い。
じゃあ何が良いんだっていうと、ローカル線を乗り継いでご当地の旅館(駅 -
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ネタバレアジア格安旅行でお馴染の、下川さんの、国内旅行の本。
出版は新しく、ごく最近である。
…にもかかわらず漂う、昭和のかほり。
この本の旅のこだわりは、まずは各駅停車の旅。
特急や、リゾート列車などの、オサレなものには乗らない。
宿泊は、作者が思う、いわゆる『駅前旅館』に限る。
“温泉旅館”や、“ビジネスホテル”は対象外なのだ。
映画の寅さんが利用するような宿。
その時代の行商の人などが(唐草模様の風呂敷背負って?)利用するような宿。
そういう宿を探すのにも苦労したらしい。
まず一つには、ホームページが無いから。
だいたいが、老女一人で運営しているから、サイトなどは作れない。
中には、もう食事の -
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野湯というものの存在は知っている。
沢谷を遡っていったところ、自然に湧いている温泉のことだ。
16年前に塩原の甘湯新湯なる野湯までサイクリング同期に連れていかれ、入浴写真を掲示板に貼られたいい思い出。
この時に思った。
「やっぱり温泉はお金払ってシャンプーボディソープがあるところに入りたいなぁ」と。
時は過ぎて三、四年前。
これは別のサイクリング同期と、台北くんだりまで登山に行った時のこと。
陽明山の最高峰、七星山に登った後(大変な悪天候だった)、新北投温泉の公衆浴場へ向かった。
そこで見たのは、めっちゃ人多っ!
台湾人も温泉好きなのである。
さて、本書は台湾の温泉を全