紀野一義のレビュー一覧
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日蓮について最初に読む本であるとは思わないが、独自な視点がいくつかあり、必読文献である。
紀野一義は日蓮の人物像と信仰の本質を突く。
紀野に比べて、全体的にオーソドックスな梅原猛だが、日蓮の歴史哲学について触れる部分は独自性がある。日蓮は陰がないという指摘も意義深い。
昭和44年の著作なので、事実関係はいくつか修正が必要な本。
・中世の祖師の蒸発時代の存在
・日蓮の意識の中で神々の存在は大きい
・日蓮は生涯の大事のとき、いつもひとりになろうとした
・「死して候はば、必ず各々をもたすけたてまつるべし」
・千日尼という名前は日蓮の命名
・「日本一のえせもの」 -
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なんとなしに¥108だったから…だれかれとなく、仏教というものに触れてみたい、そんな気がしたからだった気がする。
お題目のように唱えられたり、写経されているこの般若心経。それを無駄とは言わないが、この般若心経は一種仏陀という男の境地であるから、実践以上のなにものからも、その境地は得られない。書いたり唱えたりすることだけで得られるのなら、誰も苦労しない。しかし、きわめて当たり前のこと。こんな当たり前のことをわざわざ書かなくても、存在するということそのものが、般若波羅蜜多なのだから。おそらく、哲学の境地というのは、一周まわってみたとき、当たり前が当たり前であると驚ける、そこにあるのだといつも思う。 -
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紀野一義著「生きるのが下手な人たちへ」PHP文庫(2003)
*明日新でも悔いがないように、今日を生き切らねばならない。今日を良い加減に生きておいては、明日死ぬとき死んでも死に切れないのである。今日を最高に生きているかどうかは再三再四問わねばならぬことである。
*「澄む」ということは大切である。妻だから、子供だから、という甘ったれた根性を捨ててしまうことである。わが子に限ってとか、夫に限ってとかいった、思い上がった独りよがりな人間臭い捉われを、どこかで放り出して、謙虚に生かされているという思いを深くすることである。
*目に見えるものより、目に見えないものをしっかりと見つめて生きる。その生 -
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紀野一義著「マンガ 仏教入門」サンマーク文庫(2003)
*八正道
①正見・・・とらわれの心を捨てて物事をありのままに正しく見ること
②正思唯・・・ものごとを正しく考え判断すること
③正語・・・正しい言葉を話すこと
④正業・・・正しい行いをすること
⑤正命・・・規則正しい生活をすること
⑥正精進・・・正しい努力をすること
⑦正念・・・正しい思いと目標をもつこと
⑧正定・・・心を正しく安定させ常に心を安らかにすること
*相違相関性を持っている縁起であるから独立した個として存在することは不可能である。
*あらゆるものが変化することを諸行無常といい相違相関性の空的存在を諸方無我といい、今の涅槃寂静(