貴田庄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西洋の書物の歴史を、読みながら改めて整理する。
どんなものでもそうだけれど、そのものがその形になるには
必ず、意味と、そのかたちに至った段階的な経緯がある。
私は本に興味があるので、本の発展の経緯をみることで
本以外のものにも共通する、もののかたちの発展の仕方の本質のようなものを感じることができるように思う。
今回新たに認識したのは、ヨーロッパにおける製紙技術の発展が
地域によってだいぶ時間的な開きがあったのだということ。
父がスペインで紙を買ってきてくれたときに、スペインにこんな紙文化があったのかということに驚いたが
他の地域に比べるとスペインでは100年も製紙術が伝わるのが早かったそう -
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Posted by ブクログ
「貴田庄」の紀行エッセイ『原節子 あるがままに生きて』を読みました。
原節子 あるがままに生きて
最近、長篇ミステリが続いていたので、ちょっとミステリはひと休みです。
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「原節子」が新聞・雑誌に残した言葉から、引退までの半生をたどる。
経済的な事情から女学校を中退した「原節子」は、十四歳で女優の道を歩きはじめた。
デビューのいきさつ、「黒澤明」に怒鳴られ、大根女優と叩かれ落ち込む繊細さ、その反面の終戦直後にモンペ姿で一人で買出しに出かけるたくましさ、煙草やお酒、麻雀が好きという意外な一面など、「永遠の処女」の知られざる素顔に迫る書きおろし。
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Posted by ブクログ
パピルスと今の紙の間に、どんな素材があったのか。本の綴じ方は。そもそもどこからどこまでが「本」なのか。このところ俗にいう電子書籍をよく買うけれど、資料として持っておくにはよいが読みにくいし読みたいという欲求がわかない。そんなわけで両方買うなどの愚行(?)につながったりする。
本書に登場するような技術はみな電子書籍には不要なものだ(逆に、電子書籍の技術は、書物づくりにはもちろんほとんど不要だ)。本には、何が書いてあるかということ以外にもたくさんの要素があって出来上がっている。電子書籍には、その要素のほとんどがない、ということも。技術が重なって物として残る、ということに、人は(もちろん僕も)それな