松野正子のレビュー一覧

  • 思い出のマーニー 下

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    マーニーが見えているときは、マーニーからも杏奈は孤独で好かれていないような言い方をされていた。だけど、マーニーの存在の意味に目をむけるようになると同時にマーニーから離れていく(現れなくなってくる)。すると周りに目が向くようになり、周りの反応を肯定的に見えるようになり、周りからより好かれるようになる。その好循環が目の前で起きてるように鮮明に描かれたようだった。
    杏奈は実はみんなから愛されてる。読者にも、私たちもそうだよと間接的に伝えてくれてるのかも。

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    2026年07月28日
  • 思い出のマーニー 下

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    久しぶりに児童文学で泣く。
    ジブリでも私はマーニーが一番好きです。
    内側と外側のこと。
    アンナの心の中がたった1人であることと対照的に、その目に映るものの美しさが際立ちます。
    孤独と寂しさのリアリティにきゅっとなります。どんなことに出会ってもお腹が空いているような。
    それでもやっぱり儚くて美しい。
    善良な大人の一貫した愛情にも胸を打たれます。大人が読むべき児童書だと感じます。
    失われたものは、本当に失ったのではないのだろうな。

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    2026年07月09日
  • 思い出のマーニー 下

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    ネタバレ

    面白かった!!
    終盤でさまざまな出来事や伏線が回収されていき、それを受けて改めて序盤からのやり取りや言葉を思い返すと、まったく違った印象で見えてくる作品だった。
    観る前はシンプルな少女の成長物語なのかと思っていたが、実際には多くのテーマを内包しているように感じた。
    自分が愛されていたことに気づく物語でもあり、本当の友達とは何かを問いかける物語でもある。また、孤独だと思い込んでいたアンナが、さまざまな人との出会いを通して少しずつ変化していく物語でもあった。
    特に印象的だったのは、アンナが救われるのが「特別な力」や「劇的な出来事」によってではなく、自分を取り巻いていた人たちとのつながりや、自分が受け取ってきた愛情に気づくことによってだった点だ。
    マーニーとの出会いは不思議な体験として描かれているが、その先にあったのは、過去と現在、家族の記憶と今を生きる人々とのつながりを見つめ直すことだったように思う。
    観終わったあとには、「自分は一人だと思っていても、本当は多くの人とのつながりの中で生きているのかもしれない」という静かな感覚が残る作品だった。
    誰かが残した記憶や物語に触れることで、自分自身の見え方が変わっていく。その意味では、家族の歴史や写真を通して自分を見つめ直す営みにも通じる作品だと感じた。

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    2026年06月02日
  • 思い出のマーニー 下

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    アンナはマーニーを通じて他の人と心を通じ合うようになり友達ができて成長する。
    また彼女自身のバックグランドについて詳しく知り自分を好きになっていく
    こんな良いお話に出会わせてくれたスタジオジブリにもお礼を言いたい

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    2025年06月23日
  • 思い出のマーニー 下

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    1980年の出版である。原題はWhen Marnie Was There?
    1967である。書かれてから13年もたって翻訳された。もっと早く翻訳されていれば子ども時代にも読んで記憶があったであろうが、初めて読んだ気がする。
     あとがきで著者から直接家の写真ももらったと書かれている。
     100分で名著では1回で結末まで説明されたが、話が急展開するのは下巻である。
     小学生が今読んでも面白いと思われる。

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    2024年03月22日
  • 思い出のマーニー 下

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    ネタバレ

    下巻を読んでみた。上巻の「よくわからない」を取り消したいくらい面白かった。
    マーニーがいなくなって、それが幻だとアンナが気が付く。
    しめっち屋敷の新しい住人『リンゼー家』の人々との交流が下巻のメイン。


    アニメはマーニーとアンナの交流がメインで、マーニーが実は祖母だったという事までは分かったけど、『寂しい少女が見た幻』という認識しか持てず、バタバタと終わってしまった印象だった。見終わっても「だから、何?」と思ってしまった。

    原作はマーニーとの交流の上巻。それと比較して下巻は『リンゼー家の人々』との交流がメインで、単なる『寂しい少女が見た幻』というだけではない事が分かってよかった。

    アニメでは『自分が普通ではないと思っているアンナ』という描かれ方だったけど、原作は『自分は外側にいて、内側には入れないアンナ』が描かれている。
    アニメはエンタメだからわかりやすく『普通』という単語を持ってきたのかなとも思うけど、私は『外側』という言葉の方がしっくり来た。

    自分と外の世界との繋がりの物語。
    「普通という誰かが作った枠」ではなくて、「自分が作ってしまった『内側』と『外側』」が原作の物語。

    マーニーは『内側』の物語として語られていて、最終的に「マーニーが祖母で、祖母が元々しめっち屋敷に住んでいた」という繋がりが『外側』であるリンゼー家の人々と繋がっていく。この繋がりに読んでいて、震えてしまった。アニメではそこがなかった。



    アニメではしめっ地屋敷の新しい住人「彩香」という少女が日記を見つけて、アンナに見せてくれる。それを見て、アンナはマーニーの存在に疑問を持つ……となっていたけど、原作ではマーニーとの出会いが終わってから、しめっち屋敷の新しい住人達との交流が始まる。だから、アンナは最後までマーニーの存在は疑っていない。二度と会えなくなるまでは。

    新しい住人たちは『5人の子供たち』と『その母親+父親』で、彼らを通してアンナは「心をすり減らさずに人と接する事」を学んでいく。
    日記を見せてくれたのは「プリシラ」という変わった少女。彼女の他に4人の兄弟たちがいる。どの子たちも魅力的に書かれている。人数が多いので若干うるさくも感じるけど、それもまた「一人きりのマーニー」との対比のような気がする。


    リンゼー家の人々はすごく優しくて気さくで、アンナが「ボートの小さな錨」を黙って持ち帰っても怒ったりしなかった。何か理由があると考えてくれる思慮深い人たち。アンナは後からちゃんと謝って、錨が実は「マーニーのもの」と確定した時点でそれはアンナが所有してもおかしくないものとして、「キレイに塗り直す」ことまで提案してくれる。

    リンゼー家の人々の優しさが、アンナの心を解いていくのが読んでいてわかる。そして、「おばちゃん」も彼女たちに会って、アンナに真実を話そうと決心する。実は「アンナはマリアンナという名前だという事」を。

    この辺りはアニメでは一切なかった。(お金の話はあったけど)名前が実は変えられていたなんて……日本版で名前を変えるのは無理だろうけど。おばちゃんはアンナを「自分の子供にしてしまいたくて、元の名前の半分を消した」と。正直、それはないだろとは思うけど、そのありえない事をしてしまうくらいに「アンナが欲しかった」という気持ちは分かる。

    アニメはなんだか、「アンナの自力と運」だけで「祖母の事を知って自分も頑張ろうと思った」と言う風に見えたけど、原作は「たくさんの人と関わる事で変わっていくアンナ」が描かれている。

    最終的には「みんな自分が外側の気分になる事もある」という事にアンナ自身が気が付いてる。
    「自分は一人ではなかった」という着地点ではなくて、「みんなそう思っている」「人と繋がれる瞬間はある」「そして、一人きりの気分の時もある」というのが原作だった。

    私はこっちの方が好きだ。
    安易な「みんな繋がっていて、一人ではない」というものよりも、「一人きりの気分(外側)のときもあるけど、繋がっている(内側)の時もある」のほうが感覚として分かる。でも、エンタメとしてはそんな中途半端な作りにしたら、売れないのかな……とは思うので、アニメはアニメで刺さる人には刺さるのだろうとは思う。私は無理だっただけで。



    アニメにモヤんとした人は、原作読んで。特に下巻。マーニーと別れた後が本当に面白いし、アンナが成長していくから。とお勧めしたい。

    素敵な物語、ごちそうさまでした。

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    2024年03月10日
  • 思い出のマーニー 下

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    ネタバレ

    p199が印象的だった。
    映画を見たときはまだ経験が少なくて、あまり心に響かなかったけど、いま大人になって本を読んだら感動できた。目から汗が出た。p206らへん。

    アンナは血のつながった家族を早くに亡くしてしまったけど、優しいひとが周りにたくさんいて、周りに恵まれていたことを自覚できてよかったなと思う。

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    2023年11月08日
  • 思い出のマーニー 下

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    ネタバレ

    とっても悲しいけれども、心温まるお話でした。

    そう、気づくでしょうけれども
    マーニーはあるとても悲しい経験をしていました。
    なぜ風車小屋を怖がったのか…

    それと最後に思わぬ事実が突き付けられます。
    大事な言葉がいっぱいあるので
    大人でも突き刺さる要素は多いはずです。

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    2023年06月21日
  • 思い出のマーニー 上

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    ネタバレ

    今更のごとく読んでるとか言わない。

    出会えてよかったけど…胸の痛む本だな。
    私そのものを見ているようでちとつらい。
    (ただしアンナがそうなったいきさつは違います)

    そんな彼女が不思議な子に出会ったとき
    運命は変わります。
    まるで水が流れるかのように
    彼女は動き始めるのです。

    だけれども、どうやら秘密がありそうで…

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    2023年06月12日
  • 思い出のマーニー 下

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    下巻では、マーニーとの別れと新たなる出会いの話。

    新たなる出会いの方でアンナの心もどんどん回復していきます。

    新たなる出会いの家族がとてもいい家族で。

    そしてマーニーの正体も明らかに。

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    2023年06月05日
  • 思い出のマーニー 上

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    ジブリの映画から原作を読んでみました。

    映画では北海道になっていましたが、舞台はイギリスなのですね。

    上巻では、療養に来ていたアンナが不思議な少女、マーニーに出会うまでと出会って仲良くなっていく様子が書かれています。

    はたして、マーニーの正体は?

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    2023年06月05日
  • 思い出のマーニー 下

    購入済み

    真実を知るのが楽しみな本

    後半の真実が明かされる部分は一気に読んでしまいたくなるし、その方が臨場感が味わえると思います。

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    2022年04月03日
  • 思い出のマーニー 上

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    子供の頃のお気に入りの作品。アンナに強く感情移入して、幻想的でサスペンスの様な雰囲気の物語に夢中になって読んだ。マーニーとのすれ違いの友情に号泣した。読書体験の思い出が大切過ぎて映像作品は観れない…。

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    2021年02月20日
  • 思い出のマーニー 下

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    物心ついた時から、夕方という時間帯は怖かった。明るくもなければ暗くもなくて、あの薄暗さが不気味で大嫌いだった。緊迫感、焦燥感、迫りくる何かへの言いようのない不安な気持ち。夕方になると、部屋の明かりは必ずつけていないと落ち着かない。
    まさかその夕方に、わたしの中で懐かしいという感情が芽生えるなんて、あのころは思いもしなかった。

    街がオレンジ色に染まると、気分がどうしようもなく塞ぐ。ただただ悲しくて、気がついたら声も立てずにぼろぼろ涙が溢れてきていることも度々あったし、計り知れない絶望感のようなものが押し寄せてくることもあった。
    どうしようもない孤独感、終わりゆく一日を悟っての虚無感、襲いかかる自己嫌悪。そして、毎日がそれの繰り返し。

    小学校高学年のころ、この本に出会った。スタジオジブリによって映画化されるとの告知があり、内容がうろ覚えだったので、もう一度読んでおこうと、去年の春ごろに再び手にとった。

    まるで目の前に浮かび上がってくるように描かれた情景描写。夕方の海の満ち干が、繊細に美しく書かれていて、その場面だけはあの当時から今でも、くっきりと鮮明に頭の中に焼きついているのだ。
    この本を読んで以降、わたしの夕方への感情はガラリと変わった。切なくて寂しくて、それだけが襲いかかってくる夕方。黄金色の夕陽が、目にしみるほど迫ってくる。あまりにも美しすぎて、怖いくらいだった。逢魔時、なんて言葉があるけれど、この時間帯は本当に未知で何か、別の次元に引き込まれ連れ去られてしまうような……そんな不思議な何かがある。

    西陽が傾きはじめ、オレンジの光が街に降りそそぐ。そんな時ふと、今やもうない失くしてしまった何かを思い出しては、この夕方のベールのどこかに、わたしの探している場所があるのではないかと思ってしまう。
    夕方が怖いのは、もう戻れないことを心のどこかでは知っているから。わたしを待つ人などいないと分かっているから。もう帰れないと気づいているから。そうしてわたしは、そういう大事な感情を消えてゆく夕闇の狭間に置いてけぼりにして、忘れてゆくのだろう。

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    2015年03月11日
  • 思い出のマーニー 下

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    イギリス児童文学でもあり、以前から読んでみようと思っていた作品の一つであったことを、ジブリの最新作の特集(月刊MOE)で思い出し、ようやく手にした。題名も『思い出のマーニー』でしたが(笑)原作タイトルは“WHEN MARNIE WAS THERE”
     岩波少年文庫では、上下巻に分かれているので、感想は、こちら下巻の方に。

     物語は、養父母の元を離れて、ひとり転地先に向かうアンナの列車旅から始まる。ここで、心を閉ざした感のある孤独なアンナの思いといきさつが少し語られ、後書きで訳者の松野正子さんが、この出だしがとっつきにくいのでは案じていらしたが、心象的にも深みのある作品らしいと感じた。

     アンナは、常々、他の人たちが興じたりする物事の“内側”の輪に入れない“外側”の、いわば疎外感を持っていたが、周りの大人からは、“やってみようともしないこと”(意欲のなさ?)など問題視されており、喘息を起こした後の転地であった。

     行先は、養母の友人夫婦が住むノーフォーク州、海辺の村。アンナは、その入り江の湿地に佇む古い屋敷の裏で、誰も知らない金髪のマーニーという不思議な少女と出会い、友だちになるのだが…。

     この物語のクライマックスとなる風車小屋での出来事からの後半、下巻に入って、物語は一気呵成に面白くなる。マーニーに置き去りにされたと思ったアンナが、その後、だんだん現実の生活感と人々にもなじみ、物語の伏線から謎ときの形で、マーニーの秘密を知り、やがて気がついてみれば、身丈だけでなく、心的にも大きく成長し、自身も、周りの世界の感じ方も変わっていたのだった。

     私も、気がつけば、あっというまに読みおわり、イギリスの風土に根ざした素晴らしい物語を味わえた。

     ちなみに、岩波少年文庫の挿絵のペン画は、パディントンでもおなじみのペギー・フォートナム。

    ジブリのマーニーも素適な出来上がりだったそうですが(家族談)、やはり、活字=原作を読むのが好きな私です(笑)

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    2014年09月15日
  • 思い出のマーニー 上

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    児童書ですが、思春期の女の子の繊細な心象が描写されていて、大切にしてきた本です。
    ジブリで映画化されると聞き、驚きましたが、映画も悪くなかったです。

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    2014年08月31日
  • 思い出のマーニー 下

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    とある出来事から心を閉ざしがちになった少女の成長の物語。

    とても面白かった!

    上巻を読んだ時に、表現面(情景、心理描写など)がいいと思っていた。
    しかし、最後まで読んでみて、ストーリーの質も高いことが解った。
    大人であっても十分楽しめるものになっている。
    (逆に言えば、児童文学としては、若干難しいかもしれない。)


    このような素晴らしい作品を読めたことは、原作者はもちろん、翻訳者の力量によるところも大きい。
    ありがとうございました!


    映画を見る予定がある人は、映画の後に読んでみるといいかも知れない。
    映画とはひと味違った角度から、再び思い出のマーニーを楽しめると思う。

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    2014年07月29日
  • 思い出のマーニー 上

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    とても面白い!

    ある出来事から、心を閉ざすようになってしまった少女が、自分と近い感性の少女との出会いを通して成長していく物語。
    ジブリで言えば、「魔女の宅急便」や「耳をすませば」に少し近い雰囲気を持っている。

    児童文学ということもあってか、情景描写がとても丁寧である。
    おかげで、イギリスを舞台としているにもかかわらず、ノイズを感じることなく読み進められる。
    これは原作者はもちろんだが、翻訳者の力量によるところも大きいのだろう。

    また感情の表現も多彩であり、かつ感情をもろに書くだけではなく、その表出としての行動を書く感情チラリズムも多く、大人でも十分楽しめる。

    解るように書くということはとても重要だと思う。
    この本を読んでいると、谷崎潤一郎が言っていた、白楽天(白居易)の話を思い出す。
    それは、白楽天は自分の作った詩を発表する前に、近くにいるおじさんおばさんに読んで聞かせて、わからない言葉があった場合には躊躇なく平易な言葉に置き換えたというエピソードである。
    解りよいからと言って陳腐な作品とは限らないのである。

    まだ上巻しか読んでいないため、それに限ったレビューとなるが、早く下巻を読みたい。

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    2014年07月28日
  • 思い出のマーニー 上

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    映画になるまで原作を知らなかったのですが、こんな名作だったとは! 岩波少年文庫だし、もっと前に児童文学の定番になっていてもよかった作品です。内向的な女の子の内面を、すごくうまく書いています。
    訳もかなりいいです。

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    2014年07月16日
  • 思い出のマーニー 上

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    「この世には目に見えない魔法がある」

    "魔法"と言っても、心躍るような
    キラキラした魔法とは少し違う
    切ない霧が立ち込める不思議の中を
    漂うようなアンナとマーニーの世界。

    茶色のビロードのような耕した畑、
    ずーっと続くキャベツ畑の青、
    生垣の間には真っ赤なけしの花。

    明るい光の象徴のような、みつばちが飛び交い
    お花でいっぱいの小さな庭のあるお家と、対照的に
    美しくも悲しく静かな夢のような入り江に面して建つ、
    小さな青い窓のたくさんある四角いお家。

    この本に詰まった花、海、風の音と匂いが
    ジブリでこの夏映像化されるのがとても楽しみ。

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    2014年04月25日