ジョーン・G・ロビンソンのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻を読んでみた。上巻の「よくわからない」を取り消したいくらい面白かった。
マーニーがいなくなって、それが幻だとアンナが気が付く。
しめっち屋敷の新しい住人『リンゼー家』の人々との交流が下巻のメイン。
アニメはマーニーとアンナの交流がメインで、マーニーが実は祖母だったという事までは分かったけど、『寂しい少女が見た幻』という認識しか持てず、バタバタと終わってしまった印象だった。見終わっても「だから、何?」と思ってしまった。
原作はマーニーとの交流の上巻。それと比較して下巻は『リンゼー家の人々』との交流がメインで、単なる『寂しい少女が見た幻』というだけではない事が分かってよかった。
アニメ -
-
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
物心ついた時から、夕方という時間帯は怖かった。明るくもなければ暗くもなくて、あの薄暗さが不気味で大嫌いだった。緊迫感、焦燥感、迫りくる何かへの言いようのない不安な気持ち。夕方になると、部屋の明かりは必ずつけていないと落ち着かない。
まさかその夕方に、わたしの中で懐かしいという感情が芽生えるなんて、あのころは思いもしなかった。
街がオレンジ色に染まると、気分がどうしようもなく塞ぐ。ただただ悲しくて、気がついたら声も立てずにぼろぼろ涙が溢れてきていることも度々あったし、計り知れない絶望感のようなものが押し寄せてくることもあった。
どうしようもない孤独感、終わりゆく一日を悟っての虚無感、襲いかかる -
Posted by ブクログ
イギリス児童文学でもあり、以前から読んでみようと思っていた作品の一つであったことを、ジブリの最新作の特集(月刊MOE)で思い出し、ようやく手にした。題名も『思い出のマーニー』でしたが(笑)原作タイトルは“WHEN MARNIE WAS THERE”
岩波少年文庫では、上下巻に分かれているので、感想は、こちら下巻の方に。
物語は、養父母の元を離れて、ひとり転地先に向かうアンナの列車旅から始まる。ここで、心を閉ざした感のある孤独なアンナの思いといきさつが少し語られ、後書きで訳者の松野正子さんが、この出だしがとっつきにくいのでは案じていらしたが、心象的にも深みのある作品らしいと感じた。
ア -
-
Posted by ブクログ
とある出来事から心を閉ざしがちになった少女の成長の物語。
とても面白かった!
上巻を読んだ時に、表現面(情景、心理描写など)がいいと思っていた。
しかし、最後まで読んでみて、ストーリーの質も高いことが解った。
大人であっても十分楽しめるものになっている。
(逆に言えば、児童文学としては、若干難しいかもしれない。)
このような素晴らしい作品を読めたことは、原作者はもちろん、翻訳者の力量によるところも大きい。
ありがとうございました!
映画を見る予定がある人は、映画の後に読んでみるといいかも知れない。
映画とはひと味違った角度から、再び思い出のマーニーを楽しめると思う。 -
Posted by ブクログ
とても面白い!
ある出来事から、心を閉ざすようになってしまった少女が、自分と近い感性の少女との出会いを通して成長していく物語。
ジブリで言えば、「魔女の宅急便」や「耳をすませば」に少し近い雰囲気を持っている。
児童文学ということもあってか、情景描写がとても丁寧である。
おかげで、イギリスを舞台としているにもかかわらず、ノイズを感じることなく読み進められる。
これは原作者はもちろんだが、翻訳者の力量によるところも大きいのだろう。
また感情の表現も多彩であり、かつ感情をもろに書くだけではなく、その表出としての行動を書く感情チラリズムも多く、大人でも十分楽しめる。
解るように書くということは -
-
Posted by ブクログ
10年ぶりに再読。
ちょっと内向的でヒネた主人公アンナと不思議な少女マーニーとの心の交流を描いた上巻、そしてマーニーの謎をするする紐解きながらアンナが変わっていく下巻。ストーリー性も描写力も文句なし、大満足の作品でした。
児童向けの作品なので、ストレートでわかりやすい表現が多いです。でも扱われている内容は、子どもからの脱皮を経験した大人だからこそ分かることも多いので、おそらく子供目線と大人目線で感じ方が変わるのではないでしょうか。私は10年前と今回とでは明らかに感じ方が違いました。20年前にも読んでいたら、きっともっと違いを感じたと思います。
今夏上映のスタジオジブリ映画も期待しています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ子供のための物語であるから、子供の時に読みたかった。子供の時にはきっと、ずっと共感できただろうと思うから。しかしこれは大人にとっても、救いの物語だった。とてもよかった。
この物語の、なにが、こんなにも心に残るのだろうと考えると、やはりアンナの心をきりとって文字にもってくる、感性だと思う。
こどもの心は混沌だ(混沌だったと思う)。うれしさ、悲しさ、悔しさ、希望、どれも鮮明すぎて、ありのままとらえることはとっても難しい(と思う)。しかし小説の中でアンナの気持ちを、いっときも作者は見失わない。アンナ、ひとりぼっちで繊細な、孤児の少女は、鮮明に存在し続ける。
マーニーのせかいとアンナのせかいが異なるこ -
-