フレデリック・フォーサイスのレビュー一覧
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1970年初頭、動乱のアフリカ大陸を舞台にした傑作傭兵譚。過酷な独裁者が治める失敗国家ザンガロ。資源も出ない筈だったこの小国に、膨大なプラチナの鉱脈があることを突き止めた英国の採掘企業はその強欲さを剥き出しにし、狂信的な独裁者を実力で排除して傀儡の後釜を据え採掘権の独占を図るべく、手練の傭兵シャノンにクーデター計画を持ちかける。「銀行や現金輸送車を襲うのはただの強盗だが、一国をひっくり返すのはまた別のものだ」と嘯くマンソン卿。本編の9割を埋める緻密な計画と準備、湧き上がるイレギュラーに淡々と対処していく傭兵達。そして赤土のアフリカに流れ続ける血と涙、理不尽と服従の歴史を見つめ続けて来た傭兵シャ
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ネタバレ<上下巻を通してのレビュー>
プラチナ採掘権独占を企むマンソン社の会長ジェームズ卿は、新興国ザンガロの独裁大統領を廃すべく、五人の「戦争のプロ」を送り込んだ。消えゆく外人部隊のロマンを謳いあげる雄渾の巨編!
傭兵を取り上げた一作です。
100日間で準備からすべてを含めて、独裁者が恐怖政治を行っている国を乗っ取るのです。
華々しい部分はほんの1割で、その他は綿密な計画や準備などに費やすプロの傭兵の仕事ぶりが伝わってきます。
殺し屋とは決して違う傭兵たち。リーダーのシャノンがまたカッコいいのです。
徹底した調査と準備と、そして仲間に対する絶対的な信頼。
その傭兵をうまく使おうとして、裏をかか -
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”オデッサ”とは、ナチス親衛隊(SS)のメンバーの救済を目的とする秘密組織のことである。
ルポライター、ペーター・ミラーをオデッサと結びつけたのは、老ユダヤ人が遺した一冊の日記だった。それによればリガの殺人鬼と異名をとったナチ収容所長、ロシュマンは、今もドイツに生きているという。
日記のある箇所がミラーの注意を惹いた。彼は憑かれたようにロシュマンの追跡を始めた。だが、それはタブーへの挑戦であり、組織の手はしだいにミラーの身辺に及び始めた…。
奥が深くて、必ずしもラストに読者をスッキリさせる類の本ではないのですが、ペーター・ミラーを通して、SSのメンバーを追い詰めていくストーリーです。
ヒト -
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ケネディ暗殺のニュースから始まって、ユダヤ系ドイツ人の老人の自殺、その日記のあたりでかなり凹んでしばらく放置してたけど、面白い。60年代が舞台で70年代初めに書かれた小説らしいけど、テンポがよくてさすが名作と言われる社会派ミステリー。実話や実際の人物も多くて、どこからどこまでが本当なのか、よくわからないが、ドイツの抱えていた戦後問題がかなりよくわかる。社会問題、差別問題、戦争、狂気、世界的に見て結局は同じような問題がまた起こるし、起こっているし、力のある者が生き永らえ、民がそのツケを払わされる、と言う矛盾に気付く者は、ことが終わってもどこの国でも少ないのかなあ、と感じた。
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数あるフォーサイスの作品の中で、個人的にはトップクラスに好きなもののひとつである。ドキュメンタリー的な迫力では「ジャッカルの日」に及ばず、スケールの大きさでは「悪魔の選択」 にはかなわない。現代的なトピックスとしてなら「神の拳」等が上だろうし、作品としての余韻ならむしろ短編を勧めたい。
もちろん、ナチスドイツの戦争犯罪の話は、今読んでも褪せることのない迫力で迫ってくる。冒頭の日記は胸がしめつけられるようだし、途中明らかになってくるさまざまな「事実」には事実ならではの説得力があり、怒りで胸が苦しくなる。ラストに近い主人公と敵役の言葉による対決シーンは、単なる小説の世界を超えた力を持つ名シーンだ -
Posted by ブクログ
1972年の世界である・・フォーサイスの視点、執筆は何処までが事実でどこからがフィクションか混然となっていることは重要なキーポイント。
当時、アルツハイマーになって行った亡き父が「こんな面白い小説はない」と絶賛しており、20歳台で読んだ記憶がある・・がちんぷんかんぷんで私の孫綱頭では分析、玩味不可だった痛い記憶がある。
今、読み返し「今年最高の読んだ本」になかにランク☆
ページターナーと化した。
21Cに入り、化学的分析も加わり、ナチス追及の手は再び鋭くなっているとか・・出版も相次いでいる。
作品内の文に在るように「SSという特定の存在は独国民全体有罪論の陰に身を隠している。RSHA内の2