フレデリック・フォーサイスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一人の青年ルポライターが戦後のナチスドイツの親衛隊の救済組織に鋭く迫っていく。モサドやユダヤ人側の訴追組織の思惑が複雑に絡む中、中核へと一歩一歩近づく程に高まるスリルは本書の醍醐味である。
後年のフォーサイスの作品と比較するとプロットの緻密さにおいてはやや欠けるが補って余りあるテーマの深みがある。
1972年当時、本書に記載・言及されている内容は、後日、事実として報道されたことが多い。この小説が当時の事実を超える真実を多く語っていると当時の読者が感じたことは想像に難くなく、このジャンルでの卓越した作者の才には感服する。
主題となるナチスドイツの親衛隊は、血の団結力を誇り、優秀な人材を取り -
Posted by ブクログ
ゲームの分類で言えば「ロールプレイング」ではなく「シミュレーション」のような小説。
イギリス情報機関は、首相公認で特殊な能力を持ったアスペルガー症候群の若者を使い、本人に罪の意識のないまま、難攻不落のセキュリティにハッキングして、敵対する勢力を攻撃することを計画し、実行する。
敵対するのは“ロシア”の「頭領」(名前はでないが、今の大統領)、実名で北朝鮮のあの人、イランのあの人、名は伏せられているがアメリカ元大統領のあの人も登場する。
「民主主義国家は勝利し、正義は守られた!」
その為にこの子は一生損害を被った相手から怨まれることになるのでは……。
これは“拍手喝采”していいことなのか?