田村次朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
交渉プロセスは、相手の機嫌を損ね、雰囲気を壊すこともあるものである
■読みながら考えたこと
交渉相手の表面的な態度に惑わされず、冷静に、相手の言っていることや主張に注目せよ、という意見は分かる。正しいが、感情的にそこまで整理できないときもあるなぁと思う。「社会的役割、所有物、専門知識、個人的魅力」で交渉を進めようとすることを本書では「パワープレー」と呼ぶ。私の仕事の顧客の中にはこのようなパワープレー人間がいて、大変しんどい思いをしている。そのような人間とはそもそも会いたくも話したくもない。交渉が難しいのは、皆人間であり、合理的には動けず、摩擦がしんどく、感情的に辛い思いをするからである。ウェットで双方の思惑や主張が混ざり合う現場では、情的に、「そもそも話したくない」「早く終わらせたい」という気持ちが先に勝つ。
本書は、そういうアンガーマネジメント手法を解説する本では無い。
■交渉の目的
自分の利益を最大化する
■読みながら気になったフレーズ
・交渉のゴールは相手との合意を形成すること
・最初から相手の意見に迎合するのは、対話ではない
・交渉はストレスである
交渉前は誰もが不安である
交渉は相手にとって嫌な気持ちを与えることもあるし、雰囲気が悪くなることもある
→雰囲気を壊したくないからといって、安易に譲歩してはいけない
相手の機嫌はとらなくてよい
・交渉は準備が大事。何を話すか、何に対してどう反論するか、どこまでは譲れて、どこからが譲れないかを定めておく
・相手が建設できない嫌味を言ってくるときには、まともに取り合わないようにする
・合意しやすいところから話始める
・簡単に譲歩したり、前言を撤回したりしない
・合意形成のテクニック
→人ではなく、ホワイトボードを攻撃させる
・対決する勇気を持つ
「グローバルな交渉では、相手からの理不尽な批判や、事実に反する説明に対しては、矛盾を追求し反論するのが常識です。これに大して、その程度のことで反論するのは「大人げない」と考えてしまう姿勢では、一方的に不利な状況に陥ります。相手がそのような批判をやめるまで反論し続ける、対決する勇気が必要な場合も出てくる
■読みながら、考えたこと
・営業職の専門スキルは「交渉」なのではないか
・価格交渉、顧客からの無茶な要求のはねのけ、前提のすり合わせ
・交渉でパワープレーを使うと、弊害がある
→パワープレーを使って、合意を獲得しても、それ以降、相手から復讐を狙われる
・交渉と対話は違う。普段の人と人とのコミュニケーションが会話であるのに対し、交渉は対話である
→交渉のコミュニケーションは、通常の会話の常識と異なる論理で進むのが当然である -
Posted by ブクログ
この本が役に立たないという訳ではないが、この本を読んでもすぐに交渉力はついてこない。
そもそも交渉場面は毎回状況や条件が違うわけで、場数を踏んでこそ実力として積み上げられるものだと思うから。
とくに難しいと感じたのは、「ドア・イン・ザ・フェイス」のような交渉の小手先テクニックと、それに対する交渉戦術の使いどころ。
交渉戦術を知らない人からみると同じように見えてしまうため、冷静な交渉戦術であっても小手先テクニックを使われていると思われかねない。
また、こちらがかなり利益の高い合意着地を果たせたとしても、そのプロセスに運要素が強ければ、交渉能力が高いとはいえないし、逆も然り。
交渉相手が「双方の最大限の利益を目指して」いる相手(自分と同じ志)か、そうでない相手かによっても大きく変わってくる。
交渉の手法も進め方も目指すべき着地点もケースバイケースで共通する最適解を実感しづらい。
自分は交渉となると、その場限りの雰囲気や立場関係に絶対に流されてしまうから、まず相手の要望や交渉が目指す本質を見極めようとする姿勢を身につけることがなによりも先決だと思った。
内容としては、交渉における手法だけではなく、商材販売・物販や営業のテクニックとしてイメージの付きやすい内容も多かった(主に、惑わされないように事前に知っておくべき心理戦術など)。
「交渉」というとやはり難易度高く感じられるが、「商材販売」の一貫と思うとイメージしやすく、実際に交渉する立場になった時にも知識に裏付けられた自信につなげられそう。
ただ論理的な説明がほとんどだったので、もっと具体的なケースに沿っての説明があると、想像しやすく活かしやすくなってたかも。
また、そうした方がいいことはわかってるけど現実なかなか難しいよーって内容もわりとあった。
●理想の交渉とは…
「相手が自ら納得して提案を撤回するか、修正提案といった形で譲歩してくれる(p.69)」ようにすることだと思った。
●交渉力とは…
①対立にあわてず、適切に事故種し、相手の価値を理解する努力を継続する
②表面的な態度屋、脅し、ごまかしに惑わされず、真意を見抜き、毅然と対応する
③交渉相手の圧力に屈して安易に譲歩せず、時には意見の対立を恐れず議論し続ける
④どれほど対立的な状況が深刻化したとしても、最後まで対話による問題解決をあきらめない
●無理な提案をされたとき、こちらの提案を受け付けてもらえない時など、とにかく使える!
「もう少し詳しく、説明していただけますか」
めちゃくちゃ誤字が多かったのが意外と気になったかな…