田村次朗のレビュー一覧
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【メモ】
・交渉の本来の目的は、相互が受け入れることができる諸条件を導き出し、それに合意すること
→交渉の結果として、お互いが利得を得る関係(win-win)が成立しなければならない
・交渉の基本原則
①人と問題の分離
②立場から利害へ
・交渉学が推奨する交渉スタイル
①論理的に交渉すること
②効果的で効率的な事前準備を行うこと
③問題の創造的解決を目指すこと
・二分法の罠:二分法を使って相手の選択肢の幅を狭めてしまうこと
・合意バイアス:合意することだけに着目してしまうこと
・事前準備の5ステップ
①状況を把握する
②ミッションを考える
③目標を設定する
④創造的選択肢を考える
⑤BATNA(合意できなかったらどうするかを考える)
・交渉戦術
-アンカリング
-good cop bad cop戦術
-おねだり戦術
-ドア・イン・ザ・フェイス戦術:ハードルの高い要求を最初に提示して、その後に要求のハードルを下げて合意させるテクニック
-フット・イン・ザ・ドア戦術:小さな同意を引き出した後、徐々に大きな要求へエスカレートさせる
・コンフリクトへの対応
①競争
②回避
③譲歩
④分配
⑤協調(問題共有) -
Posted by ブクログ
著者は田村次朗氏と隅田祐司氏。
感想。今年読んだ本で最も満足度が高い本。
備忘録。
•交渉の結果「賢明な合意」ができているかが重要。
•賢明な合意→当事者双方の正当な要望を可能な限り満足させ、対立する利害を公平に調整し、時間が経っても効力を失わず、また社会全体の利益を考慮に入れた解決。
•交渉は、相手の表面的な態度ではなく.相手の発言に注目すると良い。
•交渉は自分の正しさを証明してもしょうがない。
•アンカリング →根拠なく相手の提示した数値を規定値にして、それに基づいて交渉が進んでしまうこと。
•二文法のわな→YesNo質問で根拠なく駆け引きに持ち込まれること。唐突な10%の値引き要求とか。根拠を聞きなければ拒否するか、「いや、ご冗談を」とか言って話題を変える。
•根拠として、○○が難しい、○○は厳しいとか形容詞で説明してきたら、具体的な「程度」の説明を求める。
•無知を晒すことを恐れない。知ったかぶりは致命傷になりうる。
•無視することも交渉のうち。
•パワープレーヤー→立場の違いを背景に、一方的に強硬に自分の主張を押し通しに来る交渉相手。パワープレーには譲歩せず、しかし敵対はせずにまずは相手の主張を理解する。効果的なのは「あなたの提案を受け入れた場合、最終的にどのような合意になるのか教えてください」といった質問。
•事前準備の方法。
①状況把握→利害関係者の状況と外部環境を整理
②ミッション整理→何の為に交渉して最終的にどんな問題を解決したいのか。
③自分の強みを探す→よくわからなかった
④ターゲティング→幅を持たせる
⑤BATANA
•協議事項は主導的に提案。相手に協議事項を決めさせない。
•協議事項は合意し易いところから話し合う。
•立場の違いは解消出来ない。利害の一致する点、共通の利益を見つけて、それを掘り下げるのが賢明。
•good cop bad cop戦略。
•ドア イン ザ フェイス戦術→高めの球投げて、すぐ引っ込めて譲歩案を提示。
•フット イン ザ ドア戦術→小さな要求から入り徐々にその要求を引き上げる。
•最後通牒戦略。
•戦略を使わず、相手が使って来た時の対処法を理解しておくべし。
•社会的手抜き→大勢の人が課題に取り組んでいると、そのうちのかなりの人が手を抜く減少。大人数の会議はこの懸念あり。
•悪魔の代理人→合意案を敢えて否定的に見て検証すること。
•正論だけでは解決しない。合意には双方の利益が必要。
•交渉中の感情を自己認識しよう。相手に対する感情を押し殺そうとすると、その感情がやがて確信に変わり、最終的に偏見に変わる。 -
Posted by ブクログ
とても良い内容だった。
色んな大学で採用してほしいなと感じた
第1章
誤解その1ー交渉は勝ち負けという誤解
賢明な合意という基準
「落としどころ」に注意
誤解その2ー準備は無駄、という誤解
とりあえずは良くない
誤解その3ーWin-Win交渉を目指すのが交渉学だ、という誤解
第一の原則ー大事なところは、論理的に
第二の原則ー交渉の前の下ごしらえ(事前準備の方法論)
第三の原則ー利益に焦点を合わせる
相手の利益にも配慮した交渉の選択肢を準備する必要がある
第2章
相手の主張の根拠や背景事情は必ず聞くべき
対処法その1ーすぐに答えないこと
対処法その2ー話題の転換
論理的な交渉には3つの習慣
①主張、根拠、データの3点セット
②質問力
法律用語は必ず確認、形容詞には要注意、「もう少し詳しく、説明していただけますか」は効果的。「なぜ」はあまり良くない
③記述無し
第3章
パワープレイに対抗しないやり方
ポイントその1ーパワープレイには譲歩せず
①自分たちの主張や要求の内容と、②なぜ、その提案が合理的なのか、という理由、そして、③この提案によってお互いの合意がどのように変化するのか、特に交渉相手にどのようなメリットがあるのか、という3点セットでアプローチ
ポイントその2ー相手を理解するためのポイント
ポイントその3ー交渉相手に考えさせる
交渉相手に対する噂や評価は、無視したほうがいい
発言内容に合理性があるかに焦点を絞る
第4章
ファイブ・ステップ・アプローチ
完璧でなくても良い
階段その1ー状況の把握
①利害関係者をリストアップ
②交渉を取り巻く外部環境(社会情勢や経済状況)
③交渉を図式化
階段その2ーミッション
「何のために交渉をして、交渉して合意することによって、最終的にどんな問題を解決したいのか」ということです。
・会社の経営理念を確認
・会社の事業戦略を確認
・交渉の契機となったものは何か、確認
・交渉に対する社内の期待や考え方を確認
・交渉が仮に合意した場合、将来期待されているものを考える
・交渉に対する自分の期待や考え方を確認
階段その3ー自分の強みを探す
相対的な小さな強みをたくさん集める
階段その4ーターゲティング
①交渉で話題になる協議事項を特定する、②協議事項に関して、相手に対する提示条件(金額)について決定する、③自分が譲歩できる最低ライン(金額の場合は、これを留保価格(Reservation Price)と呼びます)を決める
階段その5ー合意できなかったらどうするかを考えておく
BATNAを用意する
交渉学の最大の発明
第一ステップ
決裂後の状況を分析、損害の予測
第二ステップ
代替的取引先の探索、ビジネスモデル変更の可能性を検討、他の人に考えてもらう
第三ステップ
短期的利益か長期的利益かを検討
第5章
協議事項のマネジメント
クリティカルな協議事項を見つける
まずはもれなく協議事項を書き出す
協議事項は最初に提案、積極的に提案する、主導権を確保する
合意しやすいところから話し合う
脱線には協議事項を意識させる
利益に焦点を合わせる
交渉戦術への対応策
「今後のおつきあい」に惑わされない
よい警官・悪い警官戦術、日本人はこれに弱い
ドア・イン・ザ・フェイス戦術、法外な提案
フット・イン・ザ・ドア戦術、小さな要求(無料)から受け入れてもらう方法
最後通牒戦術、タイム・プレッシャー、対処法は間に受けない
おねだり戦術、追加条件をのませる方法、対処法は一度質問して即答をさける
物語に注意
約束のマネジメント
三つの手法
・約束に留保をつける
・中身ではなく、プロセスについて約束する
・なんでも持ち帰らない、持ち帰る時は明確な理由を述べる
第6章
賢明な合意もしくは「三方よし」
上を向いて交渉する
オプションの作り方
自分の負担を最小にしたオプションを提示
相手へのメリットを強調する
自分の負担が大きいオプションは切り札として最後までとっておく
交渉相手の背後を意識する
交換条件の基本原則
等価値かどうか
相手に譲歩を要求する場面の説得技法
特別なオファーを求める
オプションから攻める
提案は自信を持って
組織内交渉
「外からどう見えるか」という視点が大事
話し合いの人数の理想は3,4人
「基本方針から対策へ」という流れが重要
「悪魔の代理人」という考え方があるが、ホワイトボードに書き出して、それに対して反論とかがオススメ、これが難しい場合は、反論がなければ決議しないやり方も良い
第7章
コンフリクト・マネジメント
合意(和解)のチャンスを逃さない
利益にフォーカスできるか
フレーミングで今にフォーカス
感情マップで感情をコントロール
コンフリクトは氷山なので全体像を見誤らない
人間の革新的欲求への配慮
交渉相手に対する期待値を下げる
交渉力とは、まず、①対立にあわてず、適切に自己主張し、相手の価値を理解する努力を継続すること、そして、②表面的な態度や、脅し、ごまかしに惑わされず、真意を見抜き、穀然と対応すること、③交渉相手の圧力に屈して安易に譲歩せず、時には、意見の対立を恐れず議論し続けることができること、最後に、④どれほど対立的な状況が深刻化したとしても、最後まで対話による問題解決をあきらめないこと、という四つの交渉姿勢をあらゆる状況下で維持することかできる能力を意味します。
慶應義塾大学では2012年から法学部で交渉学が正式な授業になった
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ハーバードでロジャー・フィッシャー教授が創設した「交渉学」を学んだ筆者が、慶応に戻って研究実績を積み上げてきた集大成。数量を提示したことでその数字を上げ下げが交渉ポイントに矮小化されるアンカー効果、複雑な論点を理論的に解きほぐすための暴力装置デビル・アドボケイト、合意できない場合の代替案BATNA(Better Alternative to Not Agreed)など、弁論部マニュアルといってもよいほどわかりやすくまとめられているが、心理学的なアプローチを期待したかったところ。その意味では、人と論点を分離するため、交渉ではあえてホワイトボードを使ってお互い論点を注視し、相手と相対しないというポイントは秀逸だと思う。交渉上起こるトラブルは、交渉を進める全体像からみれば回避してはいけないポイントであり、リスクマネジメントがリスクの解消を第一義とするのに対して、トラブルは必ず解決しなければならない人と人の対立であり、①ポジティブフレーミングを用いて円滑な意思疎通を図る、②解決を急がない、③論理性をもつはずだといった暗黙の条件に頼らず相手に期待しない、④逃げ道を用意しておく という4原則があると説く。言われてみればその通りであるが、このことにより、トラブルは「交渉上のリスクではない」という結論が導かれるが、トラブルは「リスク解決上のリスク」というメタ概念か?。
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【評価】
内容 :★★★★☆
読みやすさ:★★★☆☆
難易度 :★★★☆☆
ボリューム:★★☆☆☆
【所感】
交渉学という学問をベースに主にビジネスシーンにおける相手との交渉におけるテクニックや留意事項がまとめられた一冊。自分自身長く営業として相手と折衝・交渉してきた身ではあるので納得することが多かったし、実践している内容も多かった。「一方で会話と対話の違い」や、「こちらに不利な提案についてはそれを採用した際の行く先を相手に説明させて公正さの欠如に気づかせるテクニック」、「三人寄れば文殊の知恵は個人が独自に決定した内容を持ち寄ったときに有効」など、想像していたよりも多くの新たな学びや気づきがあった。営業以外もビジネスマン全般に薦めたい良書。