あらすじ
「もめ事を解決する」「相手より優位に立つ」「駆け引きする」「相手と自分にWin-Win の解決策を探す」など、「ハーバード流交渉学」に、心理学などの新しい知見を加え、日本のビジネス社会の実情に合わせて解説。
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Posted by ブクログ
日経文庫。何より、新書サイズで読みやすくって良い。そして、お硬い表紙から想像できないからくらい、専門的ではなく、読み易い文章。交渉とは、勝つ。か負ける。かではない。あと、心理な影響など、とてもわかり易い文章で、すっとはいるのがいい。おすすめ。
Posted by ブクログ
かなり実践的な交渉学の本。交渉学は比較的概念的な話が多い印象だが、この本は例えば、相手が不快な対応をとってきた時の対処法など対策が散りばめられている。
Posted by ブクログ
戦術を知ることによって相手からのディフェンスに繋がるということにはなっとく。彼を知り己を知れば百戦殆うからずという言葉があるが敵を知った気になっている可能性がおおいにあるなとおもった。交渉を行う際に徹底した準備と先入観にとらわれず相手の発言を正確に捉えることに重きをおくことが大切だと気づかされた。
Posted by ブクログ
交渉=対立や勝負ではなく、「互いに賢明な合意を目指すための価値創造」と捉える視点は目から鱗だった。一方で、利益の最大化:Great for meを忘れがちなのが人間(特に日本人)。Good for you, Great for meの精神を忘れずにいたい。
Posted by ブクログ
どんなに時代が変わっても、大切であろう交渉力。
はじめは断られたら心が折れそうになるが、交渉力を鍛えておけば、いずれそれも軽減する。
交渉力は、不可能を可能にすることもあると思う。
本番の前の準備の仕方で、結果は決まる。
入門に最適である。
Posted by ブクログ
交渉学の基本は一通り網羅されてると思います。
相手の出方に惑わされないためには、感情を切り離すこと、そして事前の予習で譲れないライン、妥協できる幅を明確にしておくのが大事だと感じました。
Posted by ブクログ
これは面白い本でした。交渉のありようについては、常々、あれこれ考えてきたのですが、科学的に分析し、実践していこうということですね。もっと勉強しないといけないですね。
Posted by ブクログ
著者は田村次朗氏と隅田祐司氏。
感想。今年読んだ本で最も満足度が高い本。
備忘録。
•交渉の結果「賢明な合意」ができているかが重要。
•賢明な合意→当事者双方の正当な要望を可能な限り満足させ、対立する利害を公平に調整し、時間が経っても効力を失わず、また社会全体の利益を考慮に入れた解決。
•交渉は、相手の表面的な態度ではなく.相手の発言に注目すると良い。
•交渉は自分の正しさを証明してもしょうがない。
•アンカリング →根拠なく相手の提示した数値を規定値にして、それに基づいて交渉が進んでしまうこと。
•二文法のわな→YesNo質問で根拠なく駆け引きに持ち込まれること。唐突な10%の値引き要求とか。根拠を聞きなければ拒否するか、「いや、ご冗談を」とか言って話題を変える。
•根拠として、○○が難しい、○○は厳しいとか形容詞で説明してきたら、具体的な「程度」の説明を求める。
•無知を晒すことを恐れない。知ったかぶりは致命傷になりうる。
•無視することも交渉のうち。
•パワープレーヤー→立場の違いを背景に、一方的に強硬に自分の主張を押し通しに来る交渉相手。パワープレーには譲歩せず、しかし敵対はせずにまずは相手の主張を理解する。効果的なのは「あなたの提案を受け入れた場合、最終的にどのような合意になるのか教えてください」といった質問。
•事前準備の方法。
①状況把握→利害関係者の状況と外部環境を整理
②ミッション整理→何の為に交渉して最終的にどんな問題を解決したいのか。
③自分の強みを探す→よくわからなかった
④ターゲティング→幅を持たせる
⑤BATANA
•協議事項は主導的に提案。相手に協議事項を決めさせない。
•協議事項は合意し易いところから話し合う。
•立場の違いは解消出来ない。利害の一致する点、共通の利益を見つけて、それを掘り下げるのが賢明。
•good cop bad cop戦略。
•ドア イン ザ フェイス戦術→高めの球投げて、すぐ引っ込めて譲歩案を提示。
•フット イン ザ ドア戦術→小さな要求から入り徐々にその要求を引き上げる。
•最後通牒戦略。
•戦略を使わず、相手が使って来た時の対処法を理解しておくべし。
•社会的手抜き→大勢の人が課題に取り組んでいると、そのうちのかなりの人が手を抜く減少。大人数の会議はこの懸念あり。
•悪魔の代理人→合意案を敢えて否定的に見て検証すること。
•正論だけでは解決しない。合意には双方の利益が必要。
•交渉中の感情を自己認識しよう。相手に対する感情を押し殺そうとすると、その感情がやがて確信に変わり、最終的に偏見に変わる。
Posted by ブクログ
とても良い内容だった。
色んな大学で採用してほしいなと感じた
第1章
誤解その1ー交渉は勝ち負けという誤解
賢明な合意という基準
「落としどころ」に注意
誤解その2ー準備は無駄、という誤解
とりあえずは良くない
誤解その3ーWin-Win交渉を目指すのが交渉学だ、という誤解
第一の原則ー大事なところは、論理的に
第二の原則ー交渉の前の下ごしらえ(事前準備の方法論)
第三の原則ー利益に焦点を合わせる
相手の利益にも配慮した交渉の選択肢を準備する必要がある
第2章
相手の主張の根拠や背景事情は必ず聞くべき
対処法その1ーすぐに答えないこと
対処法その2ー話題の転換
論理的な交渉には3つの習慣
①主張、根拠、データの3点セット
②質問力
法律用語は必ず確認、形容詞には要注意、「もう少し詳しく、説明していただけますか」は効果的。「なぜ」はあまり良くない
③記述無し
第3章
パワープレイに対抗しないやり方
ポイントその1ーパワープレイには譲歩せず
①自分たちの主張や要求の内容と、②なぜ、その提案が合理的なのか、という理由、そして、③この提案によってお互いの合意がどのように変化するのか、特に交渉相手にどのようなメリットがあるのか、という3点セットでアプローチ
ポイントその2ー相手を理解するためのポイント
ポイントその3ー交渉相手に考えさせる
交渉相手に対する噂や評価は、無視したほうがいい
発言内容に合理性があるかに焦点を絞る
第4章
ファイブ・ステップ・アプローチ
完璧でなくても良い
階段その1ー状況の把握
①利害関係者をリストアップ
②交渉を取り巻く外部環境(社会情勢や経済状況)
③交渉を図式化
階段その2ーミッション
「何のために交渉をして、交渉して合意することによって、最終的にどんな問題を解決したいのか」ということです。
・会社の経営理念を確認
・会社の事業戦略を確認
・交渉の契機となったものは何か、確認
・交渉に対する社内の期待や考え方を確認
・交渉が仮に合意した場合、将来期待されているものを考える
・交渉に対する自分の期待や考え方を確認
階段その3ー自分の強みを探す
相対的な小さな強みをたくさん集める
階段その4ーターゲティング
①交渉で話題になる協議事項を特定する、②協議事項に関して、相手に対する提示条件(金額)について決定する、③自分が譲歩できる最低ライン(金額の場合は、これを留保価格(Reservation Price)と呼びます)を決める
階段その5ー合意できなかったらどうするかを考えておく
BATNAを用意する
交渉学の最大の発明
第一ステップ
決裂後の状況を分析、損害の予測
第二ステップ
代替的取引先の探索、ビジネスモデル変更の可能性を検討、他の人に考えてもらう
第三ステップ
短期的利益か長期的利益かを検討
第5章
協議事項のマネジメント
クリティカルな協議事項を見つける
まずはもれなく協議事項を書き出す
協議事項は最初に提案、積極的に提案する、主導権を確保する
合意しやすいところから話し合う
脱線には協議事項を意識させる
利益に焦点を合わせる
交渉戦術への対応策
「今後のおつきあい」に惑わされない
よい警官・悪い警官戦術、日本人はこれに弱い
ドア・イン・ザ・フェイス戦術、法外な提案
フット・イン・ザ・ドア戦術、小さな要求(無料)から受け入れてもらう方法
最後通牒戦術、タイム・プレッシャー、対処法は間に受けない
おねだり戦術、追加条件をのませる方法、対処法は一度質問して即答をさける
物語に注意
約束のマネジメント
三つの手法
・約束に留保をつける
・中身ではなく、プロセスについて約束する
・なんでも持ち帰らない、持ち帰る時は明確な理由を述べる
第6章
賢明な合意もしくは「三方よし」
上を向いて交渉する
オプションの作り方
自分の負担を最小にしたオプションを提示
相手へのメリットを強調する
自分の負担が大きいオプションは切り札として最後までとっておく
交渉相手の背後を意識する
交換条件の基本原則
等価値かどうか
相手に譲歩を要求する場面の説得技法
特別なオファーを求める
オプションから攻める
提案は自信を持って
組織内交渉
「外からどう見えるか」という視点が大事
話し合いの人数の理想は3,4人
「基本方針から対策へ」という流れが重要
「悪魔の代理人」という考え方があるが、ホワイトボードに書き出して、それに対して反論とかがオススメ、これが難しい場合は、反論がなければ決議しないやり方も良い
第7章
コンフリクト・マネジメント
合意(和解)のチャンスを逃さない
利益にフォーカスできるか
フレーミングで今にフォーカス
感情マップで感情をコントロール
コンフリクトは氷山なので全体像を見誤らない
人間の革新的欲求への配慮
交渉相手に対する期待値を下げる
交渉力とは、まず、①対立にあわてず、適切に自己主張し、相手の価値を理解する努力を継続すること、そして、②表面的な態度や、脅し、ごまかしに惑わされず、真意を見抜き、穀然と対応すること、③交渉相手の圧力に屈して安易に譲歩せず、時には、意見の対立を恐れず議論し続けることができること、最後に、④どれほど対立的な状況が深刻化したとしても、最後まで対話による問題解決をあきらめないこと、という四つの交渉姿勢をあらゆる状況下で維持することかできる能力を意味します。
慶應義塾大学では2012年から法学部で交渉学が正式な授業になった
Posted by ブクログ
ハーバード·ロースクールで研究されてきた交渉学をベースに日本人にとって役立つように内容を発展させた実践的な入門書。
学問としての交渉を合理性という軸で整理し、準備、マネジメント、進め方、コンフリクトといった内容について具体的に述べられています。心理バイアスの部分は『影響力の武器』などの書籍からの引用もあり、個人的にはわかりやすかったです。
Posted by ブクログ
【評価】
内容 :★★★★☆
読みやすさ:★★★☆☆
難易度 :★★★☆☆
ボリューム:★★☆☆☆
【所感】
交渉学という学問をベースに主にビジネスシーンにおける相手との交渉におけるテクニックや留意事項がまとめられた一冊。自分自身長く営業として相手と折衝・交渉してきた身ではあるので納得することが多かったし、実践している内容も多かった。「一方で会話と対話の違い」や、「こちらに不利な提案についてはそれを採用した際の行く先を相手に説明させて公正さの欠如に気づかせるテクニック」、「三人寄れば文殊の知恵は個人が独自に決定した内容を持ち寄ったときに有効」など、想像していたよりも多くの新たな学びや気づきがあった。営業以外もビジネスマン全般に薦めたい良書。
Posted by ブクログ
交渉学についての本は一切読んだことなかったこともあり、非常に勉強になった。
仕事において契約交渉をする人でなくとも、社会人であれば一読しておくべき内容。
Posted by ブクログ
交渉における前準備の重要性、目指すべき方針(ミッション)、陥りがちな状況、心境、対応が具体的な事例とともに体系的にまとめられている良書。ビジネス上の交渉でも、日常のやりとり(ただし、会話でなく対話の場面)でも、すぐに実践できることが多く書かれている。
Posted by ブクログ
交渉プロセスは、相手の機嫌を損ね、雰囲気を壊すこともあるものである
■読みながら考えたこと
交渉相手の表面的な態度に惑わされず、冷静に、相手の言っていることや主張に注目せよ、という意見は分かる。正しいが、感情的にそこまで整理できないときもあるなぁと思う。「社会的役割、所有物、専門知識、個人的魅力」で交渉を進めようとすることを本書では「パワープレー」と呼ぶ。私の仕事の顧客の中にはこのようなパワープレー人間がいて、大変しんどい思いをしている。そのような人間とはそもそも会いたくも話したくもない。交渉が難しいのは、皆人間であり、合理的には動けず、摩擦がしんどく、感情的に辛い思いをするからである。ウェットで双方の思惑や主張が混ざり合う現場では、情的に、「そもそも話したくない」「早く終わらせたい」という気持ちが先に勝つ。
本書は、そういうアンガーマネジメント手法を解説する本では無い。
■交渉の目的
自分の利益を最大化する
■読みながら気になったフレーズ
・交渉のゴールは相手との合意を形成すること
・最初から相手の意見に迎合するのは、対話ではない
・交渉はストレスである
交渉前は誰もが不安である
交渉は相手にとって嫌な気持ちを与えることもあるし、雰囲気が悪くなることもある
→雰囲気を壊したくないからといって、安易に譲歩してはいけない
相手の機嫌はとらなくてよい
・交渉は準備が大事。何を話すか、何に対してどう反論するか、どこまでは譲れて、どこからが譲れないかを定めておく
・相手が建設できない嫌味を言ってくるときには、まともに取り合わないようにする
・合意しやすいところから話始める
・簡単に譲歩したり、前言を撤回したりしない
・合意形成のテクニック
→人ではなく、ホワイトボードを攻撃させる
・対決する勇気を持つ
「グローバルな交渉では、相手からの理不尽な批判や、事実に反する説明に対しては、矛盾を追求し反論するのが常識です。これに大して、その程度のことで反論するのは「大人げない」と考えてしまう姿勢では、一方的に不利な状況に陥ります。相手がそのような批判をやめるまで反論し続ける、対決する勇気が必要な場合も出てくる
■読みながら、考えたこと
・営業職の専門スキルは「交渉」なのではないか
・価格交渉、顧客からの無茶な要求のはねのけ、前提のすり合わせ
・交渉でパワープレーを使うと、弊害がある
→パワープレーを使って、合意を獲得しても、それ以降、相手から復讐を狙われる
・交渉と対話は違う。普段の人と人とのコミュニケーションが会話であるのに対し、交渉は対話である
→交渉のコミュニケーションは、通常の会話の常識と異なる論理で進むのが当然である
Posted by ブクログ
営業からキャリアが始まらなかったからか、意外と勉強してこなかった交渉関係。
会社ではなく個人としてキャリアを重ねるならいずれにせよ必要だなということでまずはこのシンプルそうなものを。
分かりやすくまとまっていた。特に準備部分をまずは模倣してみる。
Posted by ブクログ
何事をなす上で、必ずやらなければいけない交渉への知識向上を目指して一読。
ハーバード ロースクール出身の著者による交渉学の概要、実際のプロセス、心理的な戦術や自身が留意すべき事項など、交渉学全般について理解が進む入門的な内容でした。
日経文庫にもう一つある交渉に関する書籍よりも、かなり洗練された内容かと思います。
あとがきで著者が述べている、交渉学とは品格のある対話力を身につけるための教養の一つである、という文言を受けて、常に自分に素直に向き合いながら、実社会で実践していきたいという前向きな気持ちをもらいました。
Posted by ブクログ
この本が役に立たないという訳ではないが、この本を読んでもすぐに交渉力はついてこない。
そもそも交渉場面は毎回状況や条件が違うわけで、場数を踏んでこそ実力として積み上げられるものだと思うから。
とくに難しいと感じたのは、「ドア・イン・ザ・フェイス」のような交渉の小手先テクニックと、それに対する交渉戦術の使いどころ。
交渉戦術を知らない人からみると同じように見えてしまうため、冷静な交渉戦術であっても小手先テクニックを使われていると思われかねない。
また、こちらがかなり利益の高い合意着地を果たせたとしても、そのプロセスに運要素が強ければ、交渉能力が高いとはいえないし、逆も然り。
交渉相手が「双方の最大限の利益を目指して」いる相手(自分と同じ志)か、そうでない相手かによっても大きく変わってくる。
交渉の手法も進め方も目指すべき着地点もケースバイケースで共通する最適解を実感しづらい。
自分は交渉となると、その場限りの雰囲気や立場関係に絶対に流されてしまうから、まず相手の要望や交渉が目指す本質を見極めようとする姿勢を身につけることがなによりも先決だと思った。
内容としては、交渉における手法だけではなく、商材販売・物販や営業のテクニックとしてイメージの付きやすい内容も多かった(主に、惑わされないように事前に知っておくべき心理戦術など)。
「交渉」というとやはり難易度高く感じられるが、「商材販売」の一貫と思うとイメージしやすく、実際に交渉する立場になった時にも知識に裏付けられた自信につなげられそう。
ただ論理的な説明がほとんどだったので、もっと具体的なケースに沿っての説明があると、想像しやすく活かしやすくなってたかも。
また、そうした方がいいことはわかってるけど現実なかなか難しいよーって内容もわりとあった。
●理想の交渉とは…
「相手が自ら納得して提案を撤回するか、修正提案といった形で譲歩してくれる(p.69)」ようにすることだと思った。
●交渉力とは…
①対立にあわてず、適切に事故種し、相手の価値を理解する努力を継続する
②表面的な態度屋、脅し、ごまかしに惑わされず、真意を見抜き、毅然と対応する
③交渉相手の圧力に屈して安易に譲歩せず、時には意見の対立を恐れず議論し続ける
④どれほど対立的な状況が深刻化したとしても、最後まで対話による問題解決をあきらめない
●無理な提案をされたとき、こちらの提案を受け付けてもらえない時など、とにかく使える!
「もう少し詳しく、説明していただけますか」
めちゃくちゃ誤字が多かったのが意外と気になったかな…