青山拓央のレビュー一覧
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分析哲学も、一般の読書人向けの入門書が乏しい分野だという印象があります。大庭健の『はじめての分析哲学』(産業図書)や、冨田恭彦の小説形式の本はたしかに読みやすいのですが、とりあげられているテーマに偏りがあって、分析哲学全般の入門書とは言いがたいところがあります。とくに可能世界意味論の登場以降の動向も踏まえた入門書というと、本当にかぎられてくるように思いますが、本書はその貴重な一冊です。八木沢敬の『分析哲学入門』三部作(講談社選書メチエ)に比べるとかなり読みやすいのですが、それでもクリプキの「本質」理解の検討をおこなっている第7講の議論は相当に難しく感じました。
第6講では、言語ゲームの実践に -
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ネタバレ当たり前に思っていた「過去」「今」「未来」が地続きであるということが、この現代の学術をもってしても未だ不確かなものであるということに驚いた。
責任の章では、未来志向的と過去志向的という事柄についての話があった。印象的だったのが、過去志向的な認識は虚偽を含んでいたとしても人間の存続や拡大に対して未来志向的な効果をもちうるという点である。虚偽を含むと言われると、それは良くないのではないか直感的に思ってしまう。しかし、実際そうであるからといって「あの時とか考えたってそうなるしかなかったんだ」(未来志向的)と考えるより、実際はあの時は存在しないけど「あの時もしこうしてたら違う結果があったかもしれない -
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ネタバレ評価を3にしてしまったが、本が悪いのではなく、僕の読解力が追いつかず全然理解できなかったことが理由である。難しかった…
割と自分は内省的な性格で、なぜ生きるのかみたいな問いを考えるのが好きな方だと思っていたが、哲学者の考える哲学は全然次元が違った。正直、そんな現実離れした問いを難しくこねくり回して考えて何になるのか、現実を素直に生きればいいのでは?と本を読みながら何度も思った。が、確かに時間って何だろう?と疑問が生まれ、当たり前を当たり前とせずに考察を重ねることは人生の豊かさに繋がるような気もした。
最近なぜ生きるのかを考え直すことが多く、本書を手に取ったのもそんなことがきっかけでもあったかも -
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最初の分岐問題から気持ち悪い
哲学系で卒論から、というので、研究が浅いのは仕方ないかもしれない
それこそ、物理学への理解として、カール・ポパーやブリゴジンの知見は咀嚼できていない
量子力学的な重ね合わせの現在であったりにも対応できないと思う
議論もまるでスコラ哲学か?と思うくらい安易に感じる
矛盾律を用いて議論を進められるほど包括的な検討ができてるとも思えない
悪い意味ですごく「哲学的」な域にいると感じた。
最後まで読めばそうは思わないのかもしれないが、1章を読む間に感じるストレスが大き過ぎてちょっと最後まで付き合いきれないな、と思った
物理学だけでなく、意識の脳科学的な理解もたり -
Posted by ブクログ
テーマは興味深いが「時間とは何か」の前にそもそも「心とは何か」が私にとっては問題なのだけれど、そこは共通認識がある前提で書かれている…のかな?一通り読んでも「心」の定義(著者がどう定義して書いているのか、そもそも定義しているのか)がわからない。
「心」というよりは「意識」や「脳」に近いような気がした。確かに近いものではあるように思うが、イコールではないと私は捉えている。サブテーマを見る限り「意識」とも違うのだろうけれど、その辺りが何とも言えず、モヤっとした。
あとは、分かりやすい本ではないが難解な内容というより読みにくい文章だと感じた。まぁ慣れなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
まず真っ先に指摘したいのはこの本の章立ての独特さだ。もちろん意欲的な試みだとは思うのだが、扱っている題材の重さと新書というメディアからするとやっぱり複雑すぎると思う。奇数章で時間の認識論及び存在論、偶数論で理論の現実世界への適用のあり方を扱うというのはいいとして、これをさらに前半と後半で2分割する必要があるのだろうか。結果として議論がぶつ切りになってしまい、僕には一つの統一した書籍として処理することができなかった。仕方なく本書を断章の集積としてエッセイ的に読んだのだが、やはりフラストレーションは否めない。ただ各章の内容それ自体は極めて示唆に富んでおり、興味深く読めるのは間違いない。
有名 -
Posted by ブクログ
日々の予定と重なって、そうスラスラとは読み進ませてくれない本書に皮肉にも「時間」をかけた。
個人的に最近ハマっているテーマである。
構成はよく練られていて面白いのに、時間がかかったのは文章の相性が悪かったとしか言えない。
具体例は入ってくるのに、それをまとめる言葉の繋がりが見えにくく、全体として把握出来たとは言えない。なので、このレビューは役に立たない。
知覚と時間の関係性。
私たちが意志と見なしているものより前に脳が反応を示しているとすれば、自由意志とは何か。
記憶と時間の関係性。
私が今ここに存在することは、複数の記憶から成り立っていると言える。
ただし、私は生まれてこの時点に至るま