松元崇のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最近ふと思うのは、今日本は「戦時下」にあるんじゃないかと。
また日本は再度、無謀な「戦争」へと突入しているのではないかと。
以前の戦争は「敵]がいましたが、今回の戦争は、「敵」がいません。
今の「戦時下」という状況は、以前と様相がかなり違います。
以前は、ABCD包囲網より、物資がありませんでしたが、
今は、外国に依存しながら、物資があります。
しかし、多くの人が「何か」が足りないと感じています。
以前は、みんな貧しく、国から好き嫌い関わらず、
団結するように強制されましたが、
今は、国民間で経済的かつ心理面での2極化が急速に進み、
もう互いに助け合うことも、繋がることも、団結することもで -
Posted by ブクログ
有識者5人により日中戦争について書かれた本。3部10章から成り、5人で各章を担当している。特に、戸部先生と庄司氏の内容が素晴らしく、勉強になった。
「(日中専門家による共同研究)太平洋戦争の勃発によって中国は、世界大の「反ファシズム統一戦線」の重要局面である中国戦線を一手に担い、日本軍を消耗させたがゆえに、連合国の「世界反ファシズム戦争」の勝利も実現した、という第二次世界大戦像は動かしがたいことを確認することになった。中国以外の連合国が抗日戦争の勝利に貢献したという側面が入る余地は少ないのである。以上のような傾向は、現在の習近平政権になって、さらに強まりつつある」p5
「(リットン報告書)報 -
Posted by ブクログ
戦前、何度も首相候補と目されながらついに首相になれなかった宇垣一成陸軍大将の回想に・・・
『その当時(1936年2・26事件頃)の日本の勢というものは産業も着々と興り、貿易では世界を圧倒する。英国をはじめ合衆国ですら悲鳴をあげている。この調子をもう5年か8年か続けて行ったならば日本は名実共に世界第一等国になれる。だから今下手に戦などを始めてはいかぬ』状況だった、とある・・・
そんなに好調だった日本経済は・・・
2・26事件の翌年の、盧溝橋事件以降、日中全面戦争の泥沼にハマリ、次第に行き詰っていった・・・
そして・・・
持たざる国、日本は・・・
持ってる国々、英米などにブロック経済でジワジワと追 -
Posted by ブクログ
最初は「失敗の本質」のような戦略面からの日本の失敗を書いたものかと思いましたが、日本という立場だけでなく、アメリカやイギリス、そして中国から見た太平洋戦争と言うのが興味深かったです。
先進的なアメリカでも、海軍や陸軍で利益が異なり、一枚岩てなかったと言うのも始めてしりました。ヨーロッパと太平洋の2面同時に動けるのはアメリカぐらいかもしれませんが。ドイツこそが本丸と言うのも、納得出来ます。
中国もまた終戦間際に、日本からの和平を持ち込まれたりとした話もあったのですね。
今の政治家と、戦中の政治家は、そんなに変わらないのかなと想います。他人事のようですからね。 -
Posted by ブクログ
・南京事件
南京陥落前後に生起した日本軍による南京事件は、現在でも活発な議論がなされているが、外務省のウェブサイトの「歴史問題Q&A」では、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があった事は否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定する事は困難であると考えています」と記されている。以下、事件の概要を示す。
①性格
中国では、その組織性や計画性が強調され、さらに、Iris Changの著書The Rape of Nanking:The Forgotten Holocaust of World War Ⅱ(1997)のタイトルが -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜ日本は無謀とも言えるあの戦争に向かって行ったのか。軍事面、外交面ではなく経済の観点からの研究は珍しい。
1930年代、高橋是清による経済再建に成功した日本は、NY株式大暴落の余波に苦しむ欧米諸国よりも遥かに繁栄し、植民地への輸出額は英国を抜いて世界一に達していたという。したがって「持たざる国」を欧米が追い込んだ結果の戦争、という考察には不自然さがある。むしろ「強い元老と弱い首相」を規定していた明治憲法下の政府が、元老の引退やテロによる殺害に依って無力化し、軍部の暴走を押さえられなくなったこと、そして軍部の主導で拡大した中国戦線が日本の好調だった経済をも食いつぶしていったことが望まぬ対米開戦