古澤明のレビュー一覧
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ようやく巡り会えた、何かちょとはわかった気にさせてくれる本。
同一著者でブルーバックスから3冊出ている。 最新刊の「シュレーディンガーの猫のパラドックスが解けた!」は、前2冊の読者を前提としており、途中で挫折。だったら最初からと挑んだ「量子テレポーテーション」は、話が飛んでいて置いて行かれて挫折。
この「量子もつれとは何か」は、そもそもの前提となる量子エンタングルメント(もつれ)について、何とか理解してもらいたいという著者の切なる願いが込められている。そもそも難解な量子物理の世界。たとえ話に逃げて解かった気にさせる、という形式に堕することなく、順を追って丹念に説明しようとしている。あちこち参照 -
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量子テレポーテーションの章以降が難解。が、不思議と面白い。
【感想】
知人が量子コンピューター関連の企業で働いているため、「量子コンピューター」自体に興味があった。産業・メディアも盛り上がりを見せているため、手に取った。結果、読んでよかった。量子コンピューターの何がすごいのか、どう便利なのか、なぜ開発が難しいのかが分かった。加えて、巷でよく効く「量子アニーリング方式」と「量子ゲート方式」の違いもざっくりと分かった。本曰く、量子アニーリング方式は、組み合わせ最適化問題を解くことが中心であり、いわゆる汎用コンピューターのような役割は果たすことができないのである。つまり、量子アニーリング方式のマ -
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著者ら日本チームが進めているのは、他の方式とは異なる光の量子効果を用いた量子コンピューターである。いくつかある候補の中でも著者は最も実現性が高いと評価している。
量子コンピューターは、セールスマン巡回問題や暗号でも使われている素因数分解など特定の得意な領域においてはけ桁違いの計算能力を発揮すると言われて、注目を集めている。
著者らは、量子コンピューターのメリットを計算能力だけではなく、圧倒的な低消費電力が既存のコンピューターに対する最大のアドバンテージになると考えている。今のデータセンターが場所よりもまず電力の確保やそのための空調能力によって制限されていることを考えると、そのメリットは非常に -
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ロケのせいで半月以上間をあけてしまったこともあって、その後に読んだ部分はわからなくなったまま読み終わったけども、光子1つの状態と、光子1つの状態と0の状態を重ね合わせたものでは、異なるものになるっていうだけでドキドキした なんだそれ凄過ぎる どんな哲学でもそれは言えてないだろう
量子力学的な世界の捉え方は、僕たちにはもうどう捉えていいのかわかりません、っていうところがすごい
そこから想像もしなかった方法がたくさん出てくる
1や0+1と、0と1の重ね合わせ状態は異なるんですよ
ウィトゲンシュタインだってそんなの言わないよ
人間が作り出した、人間の形をしていないものの最初なんじゃないかと思う
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量子力学の基本的な学習を終えた者が対象読者。
「シュレーディンガーの猫」の通俗的な意味でなく、光子が0個と1個を組み合わせた直交状態の重ね合わせがありうる、というのが実験的に実証されている、ということか。ここを理解するためには、シュレディンガー描像だけではなく、ハイゼンベルグ描像を理解しておく必要がある。これが基本を勉強した者が対象と言った訳だ。
また、テレポテーション、量子コンピュータの箇所では調和振動子で出てくる生成、消滅の演算子も理解しておく必要がある。
以上のことをふまえたら、量子エンタングルメントの理屈や、スクイーズド状態は面白く読めた。そこから、シュレーディンガーの猫を実現す