西水美恵子のレビュー一覧
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世界銀行副総裁をご経験された西水美恵子さんのエッセイです。
『国をつくるという仕事』を読んで、大いに心を動かされた記憶があり、本書も手に取りました。印象に残ったものがあります。
「島の陽気なお寿司屋さん」
英国領バージン諸島で、起業した島に唯一できたお寿司屋さん。週に1日開店するこのお店で働くみなさんのチームの素晴らしさをグループで働く場合と比較して際立たせていたエッセイです。
グループは強いリーダーに率いられるが、チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う
グループは個人が責任を負うが、チームは誰の間違いでも全員が共同責任を快く負う
という感じの対比がずらりと続くのです。
巻末の解説は、藤沢久美さんが寄せています。 -
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西水さん2冊目。2冊ともに共通するのが、西水さんご自身の本気度。そして覚悟。そんな西水さんが見た世界や出会った人びとから学んだことは、本書を通して確実にその想いとととに胸の中にスッと浸透してくる。
パワー・スピーチの技法
・始めは単刀直入に力強く。冒頭の一分はプライム・タイムで視聴率最高。挨拶などの無駄使いで落とすと、絶対元に戻らない。
・声量を下げる。耳はうるさい声を避け、静かな声に聞き入る。
・専門用語は絶対禁止。わかる人も、わからない人も、感心などしてくれない。伝えたいのは内容だから、使う言葉は簡素に限る。
・沈黙も語彙の内。スピーチの段落や、協調したい言葉、訴えたい主旨は、聴衆に見えにくい。前後に沈黙を入れると、見える。
・言葉で絵を描く。人間の脳は物語や、実例、色などに正反応して、覚えがよくなる。
・無テーマの演説は、退屈な演説。テーマは簡素明瞭に、ひとつに限る。複雑なテーマや複数のものは、テーマなしと同じこと。
・終わりは感情を込めて。感情なしに感動はない。
(以上、p45〜p46)
あと、「チーム」についても、そのよさを挙げておられたが、そこを読んでいて先日参議院で1議席を得た「チーム未来」のことがふと頭に浮かんだ。
本当に賢い人は、本質がきちんと見えているということやろなとしみじみ。彼らが政治をドラスティックに変えてくれることに大いに期待をしてやまない。 -
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○人の命に関わること
世界各国が直面する開発問題への解答は、「何をすべき」ではなく
「すべきことをどう捉えるか」に在る
○おねしょのおしえ
こどもがおねしょする部下の相談に、小学生を母親の仕事場に誘ったことで、
いつも家にいない親の仕事に意味を理解し、子供が誇りを持った。
以来、人事のすべてにおいて、職員のみを対象とする思考を捨てた。
家庭を対象に入れ、人間としての幸せを考えるようになった。
○就職した姪への祝い言葉
信用は、銀行家の命。お金に目が眩むと、その命を失う。
失ったら最後、取り戻すのは、不可能に近い。
お金のむこうを見るように。
お金が助ける物づくりや人づくりを、いつも頭に置くように。
○切り絵のビジョン
皆の夢にピッタリ合う切り絵のモザイク画をつくって
発表会では、皆の夢が共有できた。
人間は、感動なしでは、本気で動かない。
本気で動かぬ人間の組織に、ビジョンを追求し続ける改革は、在り得ない。
○本質を見極めるチームの性格
1.指導権に固執せず、状況に応じリーダーシップを分かち合おう
2.個人に責任はなくても、チームの共同体責任を快く負う
3.自発性に優れ、チームの目標を自分たちで設定して行動に移す。
4.正直な会話を好み、幅広く開放的な議論で問題を解決する
5.仲間との仕事を楽しみ、よく笑い、チームの集いを待ち遠しく思う
○国づくりは人づくり
義母危篤の知らせを受けて、旅券切れに気づいてワシントンの日本大使館に
行ったが、冷たくあしらえわれた。
英国大使館に行った際の、会ったこともないない一等書記官の言葉
「エリザベス女王陛下の政府にとって、英国人を夫にもつあなたは
陛下の臣民と違わないのです」
急遽、特別ビザの発行と英国航空の空座席を秘書に指示してくれた。
わが国の政治は、このような国づくりをしているのだろうか。。。 -
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"心を揺さぶられる名著。西水美恵子さんが世界銀行副総裁時代に取り組んだ貧困との闘いを綴ったエッセイ。アジア各国のリーダーとの対話の中から、真の指導者・リーダーとは何なのかを突き付けてくる。
著者と同じように、ともに成長させてもらった気持にもなる。
何度も涙で活字がかすみながら、読み進めた。地図を眺めながら読んでほしい。
本書は本当に多くの人に読んでもらいたい本。今度インドへ赴任する技術者にも必読本として勧めてみようと考えている。
最後の「あとがきにかえて」で田坂広志さんが、この本の本質を独特のリズムで見事に伝えてくれている。ここでもまた涙が自然とあふれてきた。" -
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まるでヒーローものを読んでいるようだった。悪政を敷いている為政者に、志ある人たちを支援して国をつくりあげてきたエピソードを紹介している。このような知性と情熱と行動力を持つ人が日本人にいたということが本当に誇らしいと思った。
また、アジアに素晴らしいリーダーが少なからずいることも大いに感激した。特にブータンの龍雷王4世はすばらしい人物であることが伺えた。小学生の問いにふと考え込む龍雷王4世の写真が非常に印象的だ。それに引き換え日本の政治家はなんとレベルが低いのだろう。
最後に、田坂氏の「真のリーダーの抱く夢 解説に代えて」も素晴らしかった。以前読んだ「マネジメントがなぜ壁に突き当たるのか」は全くよくなかったが、この解説で述べているリーダー像は、まさに言い得て妙だ。 -
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うわぁ!日本にもこんなスゴい人がいたんだ!
新聞のコラムか、なんかで、彼女が、世界銀行の組織改革に取り組んだときに、ピーター・センゲにあって、感動したみたいな話しを読んでから、気になっていた。
で、センゲの「最強組織の法則」の2nd editionの原書をパラパラ眺めていたら、西水さんの名前が出てくるではないか!
ということで、検索して、見つけたのがこの本というわけ。
残念ながら、この本は、私が知りたかった西水さんが世界銀行で行った組織変革やそれに対する西水さんのリーダーシップの話しではない。
西水さんが、仕事を通じて、知り合う事ができたアジア各国の有名・無名のリーダーたちの感動的な物語だ。
世界には、こんなにすごい人たちがたくさんいたんだ!
と、何度も、胸が熱くなった。
そして、それらの人々を支援する西水さんの熱いこと。
ここに、いわゆるサーバント・リーダーシップの生きた姿を見た。
それにしても、こんなに善意で、渾身的なリーダーが沢山いても、あまり改善しているとは思えないアジア諸国の汚職や貧困の状況。
と考えると、ちょっと暗い気持ちになる。
でも、それでも、なすべきことをなしつづける人々。
自伝ではなく、エッセイ形式で、いろいろな人の思い出を述べたこの本は、西水さん的な、謙虚さの現れかな、とも思うが、もう一度、時系列、テーマごとにまとめ直しつつ、世界銀行の改革の話しもいれて、自伝として語り直していただきたいものだ。
具体的な内容については、書きたくない。すべての人に読んでほしい。 -
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ネタバレ西水美恵子さんは、元世界銀行副総裁。
一度、講演を聞かせてもらったことがあるが、
淡々とした語り口の中にすごくエネルギーを感じる
人生の師である。
エネルギーのもとになっているのは、
あまりにもリアルで非情な途上国の現状を
目の当たりにして奮闘してこられた
彼女の経験そのものであると思う。
詳しくは、「国をつくるという仕事」参照。
毎日新聞に連載されたコラム「時代の風」に
書かれたコラムであり、とても読みやすかった。
内容は、
東日本大震災の復興支援の現場で芽生えるリーダーシップからはじまり
組織改革、少子高齢化社会や女性雇用促進まで幅広い。
私がこの本における学びを一言にすると以下。
組織や社会に感じる問題意識に対して、
あなた自身が一歩行動することが変革の始まりであり、
あなたがそこにおけるリーダーであり、
その行動がリーダーシップなのだよ、ということ。
まさに悩む時間があるのなら動けと言わんばかりに
背中を押してもらえる1冊。
西水さんの名言「動きなはれ」というメッセージは、
ガンジーの名言「君みずからが世の望む変化になれ("You should be the change that you want to see in the world.")」であり、
長年応援しているNPOテラルネッサンス、創設者鬼丸昌也さんの
「私たちは微力であるが、無力ではない」
に繋がっていると思える。
最後にフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんが以下のように締めくくっている。
「わが国は2050年には高齢者が人口の4割を占める超高齢化社会を迎える。
(中略)
持続可能かどうか、答えはない
なぜなら、我々が人類で初めて、こうした超高齢社会を迎えるからだ。
昔であれば欧米に視察に行けば知り得た答え。しかし官僚も政治家も、どうすればいいかの答えは持っていない。この社会に生きる、我々が答えを出すしかない。そう、あなたが、あなたの持ち場でリーダーとなって、1ミリでもこの国をよくさせなければならないのだ。」
まさに「なんとかしなきゃ」と思っている人すべてに読んでほしい本。