西水美恵子のレビュー一覧
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前半部分は前作「国をつくるという仕事」の内容と同じような感じがした。
だが、所々出てくる「頭とハートを直結する」という言葉に惹かれた。頭でいくら合理的に考えても答えが出ないなら、ハート重視で行動すればいい。ハートを納得させるためには頭で考えればいい。頭とハート、お互いがいい意味で作用しあっているのが必要だと感じた。
そして、最後に最近の若者に対する考え方として、彼らは「人の心」にハングリーだという描写があった。今の大人たちが若い頃には物やお金が無かったから物質にハングリーだった。でも、今は物がありふれている。
だから、僕たちは目に見えない「人の心」にハングリーなるのだと深く共感した。 -
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元世界銀行副総裁 西水美恵子 「 国をつくるという仕事 」
印象に残ったのは 世界銀行の使命、アジアの悪政と貧困、バングラデシュのNGO(BRAC)、サーバントリーダー論
解説で ビジネス啓蒙書みたいになったのは 残念だが、中身は とても 面白かった
世銀の使命=貧困のない世界を作ること
*政治力のない貧民のため 正しいことを正しく行う
*勇気あるリーダーたちの味方になる
*貧困解消への道→何をすべきか ではなく、すべきことをどう捉えるか〜国づくりは 人づくり
サーバントリーダーシップ
*千人の頭(かしら)になる人物は 千人に頭(こうべ)を垂れる人物
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速読。世銀の副総裁の西水さんの本。この前読んだ「あなたの中のリーダーへ」よりも先に出版されてる。読後感が犬養道子さんの本と似ているなとやはり思う。
話のスケールが大きいから、本当にすごいなと思う。ただ、この人にとってみれば、与えられた職務を真面目に取り組んだ結果を書いているだけ、ということなんだろうけど。こういう本を読んでてつくづく思うのは、思ってること考えていることを世界で発信するためには、最低限、英語を操ることができなければ無力だということ。犬養さんもこの方も10代から外に出てるし、そのくらいの経歴じゃないとこういう仕事は務まらないのだろうな。 -
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西水氏は厳しさと優しさを持つ人である、というのを改めて。開発業界って政治的な世界であり、援助機関は権力者と近づきやすい。だからこそ外圧者として大きな役割を担っている以上、政治的なマクロの目線と草の根的なミクロの目線も忘れてはいけない。
田坂氏の解説がまた素晴らしい。この本はまさにリーダーシップの本に他ならない。信念をもつリーダーの第一歩は共感力というのも納得。権力強化のための表面的な共感ではない。憐憫と同情とは違う真の共感力を手にするのは難しいかもしれないが、意識すれば誰でもできるかも。
残念ながら原体験といえるものはないが、日本に生まれてこなかったら…という原点に立ち返り、自分自身の人生を導 -
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今となっては男女比はほぼ半々、あらゆる国籍かつ様々な出自の人々が活躍する世界銀行も、かつては先進国のエリート(男)社会であった。
その牙城をひとつひとつ崩していった、元世界銀行副総裁西水美恵子氏のリーダー論。
業界紙への連載記事を纏めているので、ところどころ記載内容の重複はあり読みにくさはあるが、一貫した想いとして書かれているのは、自分の心にある『本気のスイッチ』を入れること。
組織にとってそれは理念であり情熱。そしてそれは必ずしも顧客や取引先など外向きに対してだけでなく、社員やその家族など内向きに対しても追求されるべきもの。いや、むしろ社員の幸せを追求することで、結果としていいビジネスサイ -
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ネタバレ016
僕は普段パーっと流し読みをするように本を読むタイプなのだが、これは本当に時間をかけて読んだし、それが正解だと思う本。
この本で繰り返し使われている「貧民も世銀の株主」という言葉にすごく胸をうたれた。そして財務諸表だけなく、リーダーの器量を評価して融資を決行する世銀の仕事や、草の根を軽視する団体の中、国民のこころを知ろうと努める西水さんの純粋なこころがとても憧れる。
また、職業柄か、多文化に関する知識も半端ないものを感じる。国際機関で働く人というのは、かくも深い知識をもっているものなのかと関心した。
そして思うのは西水氏はとても謙虚だということ。世銀の副総裁にして、数々の非難に対して -
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ネタバレ♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。゜♥。゚♡゚・。
声明は、目的と手段を混同してはいけないと説く。経済成長自体が国家目標であってはならない。目標はただひとつ、国民の幸せに尽きる。成長は幸せを求めるためにあるひとつの重要な手段なのだと。
故に政治と行政は「社会経済発展に関するすべての努力の中心に人間を置くべき」と位置づけ、富の増加は幸福に直結しないと諭す。「幸せへの鍵は、人間が必要とするある程度の消費満足と、非物的満足感、特に情緒や、感情、精神的な満足にある」から、経済開発戦略は、物的な次元と非物的な次元のバランスを保つ中道にあるべきだと主張する。幸福を可能 -
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世界銀行という名前は聞いていたが、どんな仕事をしているのか具体的には全く知らなかったが、著者は世界銀行の副総裁という経緯のある人。
世界銀行設立の経緯から、自分たちが世界銀行の株主になっているということも知らなかったので、驚いた。
それほどの立場お人だから、具体的なことは部下が実質的に取り仕切って、最後にトップ会談的な感じで儀式的な場面にしか出てこないのかと思ったが、全く違って、「世界の貧困をなくす」という世界銀行の目的のために、援助する国の、援助を求める貧しい人の家にステイして、現実を体感するなど、地に足のついた行動をしている。
勿論、国のトップとも親密な関係を築く努力をしており、本書で