戦地から焼野原の東京へと戻ってきた黒田門松が、偶然、以前の班長だった川島と出会い、共に戦争体験を思い出しつつ闇市でスープ屋を開業する。
しかし門松はパンパン嬢となっていたお吉と偶然出会ったことから、赤線屋の用心棒の仕事へと転職する。
一方川島は復員船で知り合った金子に頼まれ、戦死した金子の弟の許
...続きを読む嫁の菊子を探しに行く。しかし菊子は多額の借金を背負い、パンパン嬢として米兵を相手に仕事をしていた。金子は借金を肩代わりして菊子を身請けする。
赤線店の用心棒をしていた門松は、そこの女たちと次々にまぐわっていく。女たちにとって門松は、女たちの共通の男であり、門松の話をすることで絆が生まれるのだ。ところが、門松が外の女郎屋で遊んできたことを知ると、浮気したと追い出してしまう。
再び行動を共にした川島と門松。しかし仲良くなった子供が缶詰爆弾で死んだのをみて、川島は卒倒してしまう。
戦争の話を書いたマンガは山ほどあるが、戦争直後を描いたマンガはあまりなかったような気がする。パンパン嬢になったお吉の「でも言いたいこともやりたいことも我慢して、空襲におびえて暮らした戦争中よりずっとましだわ」という言葉は、この時代を生きた人の本音をきれいに捉えられていると感じた。