宮本紀子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江戸日本橋で小間物屋を商う大店「丸藤」。その家に姉娘里久が、戻って来た。幼い頃身体が弱かったことから、品川の叔母の家に預けられていたのだ。だが自然の中でのびのびと育った里久は、大店のお嬢さんとしての暮らしは慣れなくて、窮屈なものだった。受け入れる家族である父母も妹娘の桃も野良育ちのような里久に戸惑うばかり。だが、明るく人なつこい里久が、店や周りの人達を少しずつ変えていき、里久自身も変わっていく。
読むに従って、里久の明るさ、逞しさに好感が持てる。もちろん、母や桃の戸惑いも分かるけど。始めはよそよそしかった姉妹がだんだんと仲良くなって、それぞれの恋模様もあり、読み応えもある。続編があったら読みた