蘇部健一のレビュー一覧
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本格、イヤミス、叙述トリック、倒叙ミステリー、サスペンス、日常の謎など色々とミステリーはカテゴライズされているけれど、本書は「バカミス」と呼ばれている。もちろんおバカなミステリーのこと。なんならバカミス界のバイブルとまで言われている一冊。
いや〜笑った。最高の連作短編集。14本も入ってる。
主人公は保険調査員の小野。保険調査員であり、事件が起こると自分の会社が保険金を払わなければいけなくなるので、色々調べることになる。
ファイル1では、富豪の一人息子が誘拐される。
身代金の要求は五千万円で、なんと富豪は小野の会社の誘拐保険に入っていた。
脅迫電話から相手の身元を特定しようと、電話の解析を -
Posted by ブクログ
第三回メェフィスト賞受賞作というので、相性良いかなという気楽さで読む。
久々の肩肘張らないただ読書を楽しめる作品であった。
バカミスとか呼称されているようだが、ある程度謎の筋は通ってるしミステリーが崩壊しているわけじゃない。このテイストで次々アイデア出してくくるのは単純にすごい。
現代のお笑いにも通じる肩透かし感だなとも思う。大爆笑ではなくても、頭を捻ってクスリと笑わされる。昔の本格派が出張ってる時代より結構最近の方が受容されるんじゃないかな。今は自己啓発とか純文学とか受け付けるメンタルじゃないけど文字は読みたいという人、読んでみてはいかがでしょう。 -
購入済み
何なんだよこれ!
これはミステリーなのか?それともギャグなのか?
馬鹿馬鹿しくお下品なお話に、真面目に取り組むから面白味が生まれるのだろうか?
もちろん内容は人を選ぶ……各話のタイトルを見れば、どういう路線なのかが分かるだろう。
きちんとしたミステリーを読みたい人には到底合わないだろうが、
おちゃらけた話にゲラゲラと笑いたい人にはピッタリだ。 -
購入済み
こういう面もある
バカミスでデビューした作者だが、それだけの作家ではないと読者を瞠目させた(笑)短編集。
と言っても、難しい顔をしなくてもいいのです。読後大笑いして本を閉じましょう。
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ネタバレ 購入済み
素晴らしい!
全編、余計な説明抜きで、最後のイラストで見事に解決します。特に表題作は、半下石が譜面を読めるというのが伏線になっています。犯人は誰か、名前は書いてませんが、分かりますよね?
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購入済み
馬鹿馬鹿しいにも程がある(笑)
ミステリのトリックをとことん追求すればこんな作品になると言う見本のような短編集。かなり以前、石原さとみさんが主演したミステリドラマ「パズル」みたいな感じ、と言えば分かりやすいかな?
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Posted by ブクログ
小説よんで爆笑したのなんて初体験。人生に疲れたあなたは必読の書。伝説のバカミス! 通称『6とん』
(あらすじの要約すらしたくないんですが、一応)
保険会社に勤める主人公が、事実調査のため様々な事件の真相を探索するストーリー。短編よりも短いエピソード集となっており、全編にわたって、いちいち真面目にアホ。
賛否両論ある作品でしょうが、私は大好きですっ!
ミステリーを使って、本気で笑わせに来る作品は初めてですし、各所に見えるパロディーから作者の本格ミステリーへの愛がひしひしと伝わってきます。単にふざけるのではなく、ちゃんとミステリーの形を形成していますし、笑いどころの組み合わせは見事だと思いま -
Posted by ブクログ
ネタバレ「アホバカトリック」とか「とんでもミステリー」とか言われてるが、正直思っていたほどアホでもバカでもなく、"普通ではない"面白さを求めていたが、意外と普通に面白かった。
特に面白かったものを挙げると、
『音の気がかり』
バカバカしい聞き間違いだが、面白い。(自分が聞き間違い系トリックがなぜか好き、というのはあるかも)
『しおかぜ⑰号49分の壁』
抱腹絶倒。倉知淳さんの『シュークリームパニック』を思い出した。これが鮎川さんが選んだ本格推理に載ったってのはなんというか...
『6枚のとんかつ』
この短編集の中で頭一つ抜けている。
自分が偏愛している『占星術殺人事件』のトリッ -
Posted by ブクログ
恋愛小説の短編集。ミステリー作家ならではな群集劇。
全てが全てに繋がる、という面白い構造になっている一冊。ただ、部分的に見ていくと、エピソードが玉石混交で、蛇足というか、無駄を感じる記述も目立ち、読み終えると、ああ良かったと思うものの、それまでの過程がどうも疲れさせてしまう。始めから半ばにかけてをもう少し削いでくれた方が読みやすくて楽しかっただろうな、と思い、残念に思う。
残念だと感じたのはそこだけで、展開や終わり方や、転がり方は、少しドタバタ騒がしくあるけれど、これはこれで一つの魅力。
でも、「まだ恋ははじまらない…」の方がやっぱり好きかな。