蘇部健一のレビュー一覧
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大傑作と駄作が織りなす小宇宙。大笑いしたりズッコケたり壁に投げつけたり…誰だ本作を勧めた確信犯は?
「音の気がかり」ガッツ石松のくだり。これは笑えるユーモアミステリだ!!ここまでふざけてくれるとは…面白いぞ!!
「桂男爵の舞踏会」
散々推理した挙句の結末にきょとん。バカすぎて好きですよはい。
「黄金」
主人公小野の人間性が如実に出ていて、古藤のやりとりも笑える。真相は…どうでもいいかな…
「オナニー連盟」
本作で一番のおすすめ。こういう作品ばかり並べてくれれば…
「鏡の向こう側」
まるごとバナナしか覚えてない。
「消えた黒いドレスの女」
次点。見え見えだけど、死因には笑ったです。
「エースの -
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保険調査員の主人公が保険金殺人の証拠を集め
真犯人の犯行を暴くのは
あくまで、不正受取を阻止し、支払いを防ぐことによって
己の社内評価を高めるためでしかなく
ほかの誰を救うこともない
そんな、アンチ・ヒューマニズムの探偵小説である
そのドライさに、とぼけたユーモアを交えるスタイルは
「大量死理論」の笠井潔にクズ呼ばわりで批判されるのも
まあ無理のないことだ
表題作「六枚のとんかつ」は
「占星術殺人事件」のパロディとして知られる
そうか…
人間って、とんかつと同じだったんだ!(そういう話ではない)
四国を舞台にした時刻表アリバイトリック
「しおかぜ⑰号49分の壁」は
バカミスの超名作でぜひ一読 -
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ネタバレタイムトラベルに伴うタイムパラドックスをネタにした話。女性Aと彼女の許嫁B(親が勝手に決めた)と恋人Cの三角関係を現在と50年前(主人公たちの祖父母の世代)とでかぶるような設定にしてある。許嫁Bの企みによって50年前に飛ばされた恋人Cは女性Aの祖母と思しき女性と結ばれそうになるのだが、それで正解なのか。
バックトゥザフューチャーとターミネーターが混ざったような話だけども、絵に描いたような悪人の許嫁Bとか、やけに押しの強い女性Aとか、どこかすっとぼけた恋人Cとか、登場人物のやりとりがまるで新喜劇を見ているようなコミカルさ。イラストがシリアス系なので、ちよっと騙された感じ。 -
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おバカミステリー短編集『六枚のとんかつ』の第二弾。著者が言うところの”アホバカトリック”作品以外に、今回はファンタジー作品も混じっている。ふつう短編集としてジャンルくらいは揃えるだろうと思うのだが、この不徹底ぶりがねらいかどうかはわからない。ただファンタジー作品の『きみがくれたメロディ』がいちばん出来が良かった。まぁ、おすすめ。ミステリーのほうはもっとくだらないオチを今後期待する。
収録作)最後の事件/三色パンの秘密/甘い罠/午前一時のシンデレラ/行列のできるパン屋さん/姿なき目撃者/読めない局面/誓いのホームラン/地球最後の日?/叶わぬ想い/きみがくれたメロディ/届かぬ想い・純愛ヴァージョン